日々の生活において「どこで水を節約するか?」を考えた場合、真っ先に浮かぶ場所の1つとしてとして水回りが挙げられます。台所、洗面所、トイレ、お風呂・・・その中でも特に水を使うのがお風呂です。実は最近、仕事でシャワー水栓の交換をする際にお客さんから「節水効果のある物ってないの?」と聞かれることが多くなってきたので調べました。そしたら簡単に交換できる「シャワーヘッド」の種類が豊富だったんですよね。
「水道使用量は大きく抑えたうえでシャワー自体の満足度はそのまま」という商品も散見されたので、節約家の人にとっては見逃せないアイテムと言ってもいいのではないでしょうか。そこで今回はお風呂のシャワーに関する節約情報についてシェアしたいと思います。
1番無駄遣いしてしまう場面
日本は水が豊富な国なので、よほどの倹約家でもない限りは「水はガンガン使用する」という人も少なくないと思います。しかし、無駄遣いを無くした時の節約効果の高さといったら「電気か水か」というくらい高い節約効果が見込める部分です。全く節水しない場合と限りなく全力で節水した場合を比較すると、年単位で考えたら結構大きな差が生じます。では水に関して「どこで1番無駄遣いしているか」なんですけど大半の家庭がシャワーです。
湯船には200L前後のお湯が使用されますが無駄であるというケースは極めて少ないので、あくまで無駄遣いに注目するのであればシャワーに無駄があることの方が多いと思われます。そのシャワーにも「節水効果の見込めるアイテム」が幾つかあるので、今回はそれをご紹介します。
エアインシャワー
エアインシャワーとは?
簡単に言うと「水滴に空気を含ませることで、実際は少ない水量なのにも関わらず満足度は今までと一緒」というのがウリの製品です。メーカーが言うには「気持ち良さはそのままで約35%の節水に成功!」・・・だそうです(公称値は従来品が10L/minなのに対し6.5L/minとのこと)。以下、メーカーホームページからの引用です。
節水しながら、たっぷりの浴び心地が体感できる。そんなエコと快適性の両立をめざしたのが、今までにない新しいシャワーの提案「エアインシャワー」です。TOTO の新技術により、水に空気を含ませることで、水の一粒一粒を大粒化。従来のシャワーと比較して約35%(当社比)節水しながら、快適な浴び心地を実現しました。
TOTO エアインシャワー
実際に使用してみた感想
気持ち良さに関しては個人差があるので断言はできませんが、正直に言うと私は気持ち良さが足りないと思いました。私のように「シャワーは水圧が強いのが好き」という人も多いと思うんですけど、そういう人にはちょっとおすすめしにくいです。やはり勢いが弱くなっている感は拭いきれません。
ただし今現在、水栓自体の止水栓を絞って節約しているのであればシャワーの水圧も弱まっているため、エアインシャワーを導入することで浴び心地は遥かに増すと思います。シャワーを全開にせず使用した場合と比較すると、同じ水量でも泡の落ち方は優秀だと感じました。
水量を絞って節水しているという場合は、止水栓を全開にしてエアインシャワーを導入すると快適度が上がることが予想されるのでおすすめです。それでも「従来の浴び心地と同様」と言ってしまうのは、ちょっとした詐欺というか誇張表現と言わざるを得ないでしょう。確かに物は良いんですけどね。貰えるなら喜んで貰います(笑)。ですが、過度な期待は禁物です。
シャワー水栓の取り付けには最低限の知識と工具を有します。自身の手で交換作業が行えない方に関しては最寄りの水道屋さんに一度相談してみてください。
水栓+シャワーヘッド
こちらはシャワー水栓とシャワーヘッドが一体化となっているタイプの商品です。シャワーヘッドのみだと「水栓との相性の問題で、使用できるものと使用できないもの」が出てきたりしますが、両方一緒に交換してやることで「せっかく買った商品が使えない!」というトラブルがありません。
ただし費用はそれなりに掛かります(とは言っても、上記の商品で30000円程度)。お家を建ててから年数が経過している場合なんかだと設置環境によっては配管が折れたりする可能性もあるので、作業には細心の注意を払う必要があります。今使用しているシャワー水栓が「水を止めているのにポタポタ水滴が滴ってきて気になる」などの不具合が出ている場合は、丸ごと交換してやるのも一つの手段だと思います。
シャワーヘッドのみ
こちらは難しい作業が一切必要なく、今まで使用していたシャワーヘッドを入れ替えるだけでエアインシャワーを体験することができる商品です。ただし現在使用しているホースとの相性だったりパッキンなどの問題も出てくるので互換性には注意しましょう。全くの無知識で交換するのはおすすめできませんがDIY好きの人なら簡単にできる程度の作業で、なにより安くエアインシャワーに交換できるというのが大きなメリットです。
シャワーヘッドのみを購入する場合は水栓全体での交換よりも安価で済みますが、現在使用されてるメーカー品との互換性があるかどうかは必ず確認してください。それから同じメーカーで揃える場合は問題ないかと思いますが、物によって吐水角度が違うので、必要に応じてシャワーハンガーの購入も視野に入れた方がいいかもしれません。
クリックシャワー
クリックシャワーとは?
シャワーヘッドの吐水部分の下にボタンが付いていて、それを押す事で水を出したり止めたりができるタイプのシャワーです。立ちながらシャワーを浴びている時でもいちいちしゃがんでお湯を止めなきゃいけないということも無くなるため、細かい場面での止水が可能になっています。
水栓+シャワーヘッド
最近の新築のお家はクリックシャワーが導入されているお家がほとんどだと思いますが、使用したことがないという方には是非とも試してもらいたい製品です。価格相場はエアインシャワーとほとんど変わりませんが、基本的な水圧を生かせます。
最近はエアインクリックシャワーという商品も出ていて、良く言えばいいとこ取りの商品なんですけど…。エアーインで節水効果こそ見込めるものの、浴び心地と言う面では「うーん」という人も少なくないと思うので、そこは「水圧が高いものを頻繁に止める」のか「出しっぱなしでそこそこの水圧を使い続け」のかをしっかり選んだ方が良さそうです。
シャワーヘッドのみ
クリックシャワーにもシャワーヘッドのみの商品が多数あります。値段はピンキリですが水栓を全交換するよりも費用は1/3以下で済むと思っていいでしょう。ただし、普通のシャワーヘッドからクリックシャワーヘッドへの交換(ヘッドのみの交換)をする場合、シャワーホースに水圧がかかって破損しないようにするため調圧弁が必要になる場合があります。
単純にクリックシャワーヘッドの交換であれば問題ない場合がほとんどですが「ヘッドだけ交換しても水漏れしてくる」という場合、調圧弁が無かったり調圧弁故障が原因であることが多いです。こちらに関しても互換性については購入前に確認をお願いします。
我が実家にも導入しました
上の商品が実家に導入したものです(正確にはこれの型落ちの商品を使っています)。シャワーヘッドのみですが2000円以下で安く交換できました。分類的にはエアイン・クリックシャワーになると思います。個人的には浴び心地はそこまで良くないと思うのですが、家族が気に入ったため採用しました。
簡単に節水効果が見込めるので、使用したことがないという方にはおすすめしたいタイプのシャワーです。実際に水道料金も1割~2割程度安くなったようですし、私の実家では「シャワー自体に高い水圧を求めていないこと」と「フックにかけて使用することがあまりない」ため、上記の節水ハンドタイプがピッタリだったようです。
ワンダービート
節水・節約とは趣旨が少し変わってしまうのですが、TOTO製品でワンダービートという商品があります。マッサージシャワーという名称も兼ね備えており、旋回水流による断続感ある強い刺激が体感できるのが大きな魅力です。
クリックシャワーの機能を持っているものを選ぶことで節水の効果も得られますし、ふくらはぎに当てたりすると非常に心地良く感じます。私のような「シャワーは水圧が強いのが好き」という人にもおすすめですし、ご家族で水圧の意見が分かれる場合にも普通とマッサージの切り替えが可能なので心配いりません。調整してやれば頭皮マッサージにも良さそうな気もします。
こちらの商品は取り換え用のため、場合によってはアダプターが必要になるのでご注意ください。
最後に
最近の新しいユニットバスにおいてクリックシャワーは最初から備え付けられている場合が多いですが、私の実家のようにシンプルな物で長年使えている場合もあると思います。そういう方には是非とも使っていただきたいです。節水はもちろん、お湯の節約をすることで給湯器の燃料(ガスや灯油)の節約にも繋がりますから、二重三重で効果を実感できることでしょう。
また、シャワー水栓本体も経年劣化によって温調機能が効かなくなったりした場合、修理するのにも高い費用がかかることが往々にしてあります。そのようなときは新しい物を買った方がいい場合も少なくないので、エアインシャワーやワンダービートに変更することも視野に入れてみてはいかがでしょうか?