「長編漫画は中だるみするからあまり好きじゃない」という人は結構いるんじゃないかと思っています。個人的には「マンガは週刊や月刊単位ではなくコミックスで読んでいきたい」と考えていますし、完結している良作や名作に出会えることほど幸せなことはありません。とにかく一気読みが大好きです。
今回は少女漫画(※1)の中でもまとまった時間があれば一気読みも可能なボリュームに焦点を絞り、全10巻以内に完結した面白いおすすめの少女漫画、恋愛漫画、ラブコメを厳選してご紹介します。
※1 少女漫画という括りは少し分かりにくいので、厳密に言えば「一般的に女性向けとされている作品」や「女性が読んで楽しめる作品」を中心にご紹介していきます。恋愛をテーマにしたもので過度な下ネタがなければ少年・青年漫画もエントリしているのでぜひ参考にしてみてください。
1巻完結のおすすめ少女漫画
金の国 水の国
昔々、隣り合う仲の悪い国がありました。毎日毎日、つまらないことでいがみ合い、とうとう犬のうんこの片づけの件で戦争になってしまい慌てて仲裁に入った神様は2つの国の族長に言いました。A国は国で一番美しい娘をB国に嫁にやりB国は国で一番賢い若者をA国に婿にやりなさい――― そんな中、A国の姫・サーラはB国の青年と偶然出会い…!? 「町でうわさの天狗の子」の岩本ナオが292Pのボリュームで贈る、おとぎ嫁婿ものがたり。
童話や昔話に通じるような世界観を持ったお話で、とにかく心が温まるような感じの作品でした。犬のう〇この片付けで戦争になったっていうとんでもない世界観とは裏腹に、驚くほどハートフルな物語です。
「とりあえずイケメン出しとけ!!」的なウケは一切なく、手垢のついた口説き文句が出てくるわけでもありません。にも関わらず終始圧倒されてしまう魅力があります。個人的には血を流さない革命というか「どうしようもない2つの国が変わっていく様子」みたいなのがめちゃくちゃ好きです。
あのこにもらった音楽
母親の死後、のどかな梅木旅館に引き取られて育った梅子。旅館の一人息子で元(?)天才ピアニスト・蔵之助のピアノを子守歌に育った梅子も、もうすぐ花の大学生。そこになんと音信不通だった、ドイツ人の父親が現れた…!!ナチュラルな感性とシャープなセンスで人気の勝田文。ざわついていた心を優しくフラットにしてくれます。
幼い頃に母親を亡くし、父親はドイツ人で帰国していたということもあり、母親の親友が我が子のように育ててくれたという波乱万丈の経歴を持つ主人公。そして引き取り先の一人息子は元・天才ピアニストという設定の物語です。
設定だけを見れば悲観的な物語のようにも思えますが、内容はまったくそんなことはなくとてもハートフルな内容です。1巻完結とは言いながらもセリフもページ数も多く、内容もかなり濃いので簡単には読み終わらないでしょう。読了後は映画を見終わったかのような爽快感に包まれること間違いありません。
友だちの話
英子は地味な外見で弱気な性格、逆に親友のもえは誰もが振り返る美少女。お互い全然違うタイプなのに、2人の絆はとてつもなく固い。色んな男子から告白されるもえだけど、付き合う条件は「自分より英子を大事にすること」!?しかし、そんな条件を満たす男子・土田が現れる。変化し始める親友との関係に英子がとった行動は?
「Stand Up!」などで知られる山川あいじ先生と「俺物語!!」などで知られる河原和音先生のコラボが光る、至極の1冊と言っても過言ではありません。少女漫画の多くは、友だち同士が同じ人を好きになったりして起こる衝突のような場面が描かれることも少なくありませんが、本作で描かれているのは「友情>恋愛」の物語です。
タイプの異なる女子2人の友情のみならず、様々な形の友情が見てとれるのが大きな魅力となっています。まさに最初から最後まで友だちの話。友情は恋愛を超える、というか恋愛も友情も素晴らしい。
スピカ~羽海野チカ初期短編集~
羽海野チカがデビュー当初、各誌に描いた珠玉の短編をついに集約して一冊に…。少年探偵・バレエ・ショートストーリー・エッセイなど様々なジャンルを集めた短編集!
「ハチミツとクローバー」「3月のライオン」などで知られる羽海野チカ先生がデビュー当初に描いていた短編集です。絵の優しい感じ、感情表現の語彙力がデビュー当初から変わりません。このセンスは本当に末恐ろしい。
短いページ数の中にギュッと色々な感情が閉じ込められているので、面白いというよりも驚きに近いかも。「胸にくる」という表現がピッタリです。ハチクロにあったような連載作品のような文学的な言い回しこそ少ないものの、極めて短い言葉で感情が表現されていて非常に読みやすい短編集です。
となりのロボット
女同士、人間とロボット。そんな2人の恋は、不完全なのに真剣で、不器用なのにキラキラしてて、純粋なのに衝撃的で…。キュートでピュアな2人の少女が贈る最高に愛しいガールズファンタジー!!
人間とロボットの恋愛模様を描いた作品です。女の子同士というミステリアスさと人間対ロボットというミステリアスさが上手く融合していると思います。学習機能的なもので成長していくロボットと肉体的・精神的に成長していく人間のコントラストが、美しくもどこか寂し気で、何かを思わずにはいられないでしょう。
ロボットならではのアプローチというか「どんなに技術が進化してもそこは超えられないんだ」という部分が良い感じに笑いになっていたり、和やかなムードになっている部分も可愛らしい作品です。
ちぐはぐプラネット
純粋すぎて変わり者。しっかりすぎて世話焼き。そんな2人のキュートでちぐはぐな恋は…!?しっかり者のえりのクラスに、転入生がやってきました。彼の名前は野木奈くん。えりは早速、野木奈くんの案内係を買ってでます。だけど、「自販機は小人が動かしてる」と信じてるほど天然系の彼に…。
不思議系男子とお節介女子が織りなす、ほのぼのした純愛ストーリーです。友情要素やちょっとしたBL要素(?)なんかもあり、読後は温かい気持ちになれるでしょう。
ちょっと抜けてる感じの男の子に現実味はありませんが、誰の気分も害さない不思議系キャラというのも珍しいのではないでしょうか。目黒あむ先生による優しい絵にマッチした優しい恋愛物語です。
さよなら私たち
物語の舞台は近未来、死後の世界、あるいは何の変哲もない現代。待ちかまえる運命は時に幸福で、時に残酷で。そんな不条理の中を生きる、少女たちの切実な想いを描いた5編を収録。【収録作品】時をかけるまえに/おとうとくん/失恋ファミリーレストラン/Us,youandme/さよなら私たち
様々なシチュエーションでの別れをテーマに描かれた短編5話が収録されている作品です。印象としては全体的にビターな感じ。世にも奇妙な~に見られるような余韻を残すものであったり、死後の世界を描いているものだったり…。
決して憧れるというような内容ではなく、最後に何かを考えさせられるというテーマがメインとなっています。表紙も何とも言えない表情でコチラを見つめる女の子が印象的ですが、まさに内容もそんな感じと言える全1巻完結作品です。
式の前日
双子の兄弟、ワケありの親子、結婚をひかえた男と女…。“ふたりきり”という情景を温かく、鮮やかに切り取った珠玉の短編よみきり集。新進気鋭の著者・穂積のデビューコミックスにて最高傑作。
短編の読み切り集として出版されたコチラの作品は、中に収録されている「式の前日」という話からタイトルが付けられています。内容としては少しノスタルジーな雰囲気を演出しつつ、最終的には「あ、そういう流れだったの!?」という驚きを得るというような感じです。世にも奇妙な物語の怖くないverみたいな感じですね。
全ての物語がいわば結婚式の前日のような「嬉しいんだけど少し寂しい」という複雑な心情心理と共に描かれていて、色んな意味で秀逸な作品だと思いました。叙述トリックやショートショートが好きな人におすすめの短編集です。
結んで放して
同人イベントのあと、あの喫茶店のテーブルには、漫画を描く人が4人いた。時を経て、漫画を描き続けているのはプロの漫画家となった千畝ただひとりとなった。心の中でくすぶり続ける、同人時代の憧憬、情熱、そこにあった原点。そんなある日、もう描かなくなった憧れの人と街中で出逢う。同人誌の世界を舞台に、人生の岐路に立つ女性たちの気持ちが、優しく切なく静かに染み渡る、表題作「結んで放して」を含む、珠玉の短編集。
同人誌の世界を描いた作品です。登場人物のほとんどが同人誌を描いている女性たちですが、人生の岐路に立った時に起きる心情の変化などが大きなテーマとなっています。私自身がブログを書いているということもあり、創作活動と通じる部分には共感できました。
同様に絵を描いたり文章を書いたりするのが好きな人であれば感じる部分もあるかと思います。優先順位の決定や本当にやりたいことを選択するときの素直な気持ち、情熱を呼び覚ませるような作品ですね。
マイ・フェア・ネイバー
大ヒット『花野井くんと恋の病』の森野萌デビュー作、新規カバー&本編その後の描き下ろしおまけ漫画を収録した新装版が登場! 小学1年生の時、ベランダから落ちたところをアパートのとなり部屋に住むユキちゃんに助けられたモモ。この春高校1年生になったモモは10年ぶりにユキちゃんに再会し、ふたたび二人はお隣さんになって…? JK×サラリーマン、年の差幼なじみの傑作ピュアラブストーリー!!
歳の差が12もある男女の日常を描いた作品です。2人の1年間を季節に応じて描き分けた作品となっています。昔、やんちゃをしていて評判の良くなかった男性と、高校生になって1人暮らしを始めた女子高生。元お隣さん同士が何年かぶりに再びお隣さん同士になるというものです。
好きなのは兄妹愛なのか恋愛感情なのか、はたまた家族との接し方など1巻の中に色んな要素が詰め込まれています。リアルさはありませんが、真っ直ぐな気持ちが伝わってくる作品です。
君の腕の中は世界一あたたかい場所
instagramで10万人(2018年1月時点)が共感!好きな人と一時も離れたくない手の届かない人に片想いをしている、付き合ってないのにキスをしちゃった……。現代に生きる女の子の日常や葛藤を描いた恋愛短編集。全編書き下ろしで登場です!
「インスタグラムで10万人が共感した!」という謳い文句で出版された恋愛短編集です。1章から3章まで別々の登場人物が採用されていて、最終章で物語が交わるという感じですね。SNSで流行ったということもありコマ割りは大雑把でセリフも少なく、漫画というよりはポエムっぽいような印象を受けました。
数コマでエピソードが次々と変わっていくのですが、締めの一言は同世代の女子から共感されるのではないかと思います。中には純愛とは言えないエピソードもありますが、恋愛初期の初々しさみたいなものが描かれていて新鮮な気持ちで読めるでしょう。
全2巻完結のおすすめ少女漫画
さよならフットボール
体格に勝る男子と交じり、ひたむきにボールを追う。誰よりも理想のフットボールを求め、試合に出ることを渇望する少女、恩田希。14歳の少女の青春は、ある一人の少年との「再会」によって加速する――
少女漫画ではないのですが、女性が読んでも文句無しに楽しめるということでエントリー。サッカーが大好きな女子中学生が男子に混じってサッカーに励む姿を描いた作品です。
ちょうど成長期にあたる時期が舞台になっているので、周りの男子がドンドン大きくなっていく部分に差を感じながらも、女だからと言う理由だけで諦められないという真っ直ぐな姿勢に胸を打たれること間違いなし。可愛らしくて躍動感のある絵の中にも力強さが感じられて強い女性の姿が楽しめます。スポーツ好きの人には文句無しにおすすめです。
本作は全2巻で綺麗に完結していますが、主人公が高校生になってからの姿を描いた作品「さよなら私のクラマー(全14巻)」が続編となってます。本作が楽しめたらこちらもどうぞ。
全3巻で完結のおすすめ少女漫画
千年万年りんごの子
親を知らない夫。りんごと育った妻。夫婦は、りんごの村の禁忌を破った。――雪深いりんごの国に婿入りした雪之丞(ゆきのじょう)。昭和の激動から離れ、北の家族と静かに巡る四季は親を知らない彼の中になにかを降り積もらせてゆく。それは冬、妻の朝日(あさひ)が寝込んだ日。雪之丞の行動が、りんごの村に衝撃を与えた。りんごの時間が動き出す、田中相初連載作!
マンガというよりは文学作品に近い印象を受ける作品で、とある村の禁忌を知らずに破ってしまった若い夫婦の物語となっています。古き良き日本の雰囲気が詰め込まれていて誰もが懐かしさを覚えるでしょう。それでいて物語は切なく、涙もろい人は注意が必要かもしれません。
全3巻という短いボリュームであるにも関わらず、読了後には大作映画を見終えたような満足感に包まれました。特に大人の人に読んで欲しいと思える作品で、普段は漫画を読まないという人にも響くと思います。
宇宙を駆けるよだか
かわいくて素直な性格のあゆみは大好きな人と恋人同士になったばかり。だが、初デートに向かう途中で同じクラスの然子の自殺を目撃し、意識を失ってしまう。目が覚めると、あゆみは醜い容姿の然子と身体が入れ替わっていて…。 容姿も性格もまったく違うふたりの運命が、奇妙にねじれながら交錯していく――。
いつの時代も恋バナにおいて「外見と内面のどちらを重視するか」というテーマは、男女問わずに若い世代でかわされる議論のテーマの一つと言っていいでしょう。この物語はちょっと残酷なテーマになっていて、可愛くて素直な性格の主人公が外観があまりよろしくない女の子と入れ替わってしまうという物語です。
片方は元に戻りたいと願い、もう片方はこのままの状態を願うというせめぎ合いが描かれています。良くも悪くも結末は想像通りでした。綺麗事だと一蹴する読者もいますが逆の展開になったらなったで・・・ね。個人的には結末も問題なく面白かったと思います。
午前3時の無法地帯
イラストレーターを夢見るももこが就職したのは超多忙なパチンコ専門のデザイン事務所!! ヤクザまがいの営業や、夜中についつい脱いじゃうデザイナーなど、社員はちょっと…いや、かなり個性的!! 徹夜続きで家にも帰れず、充満するタバコの煙のなか女子力は下がる一方…。「あたし何でここにいるんだろう―?」話題沸騰のねむようこ人気作!!
パチンコ業界の広告代理店に勤める女性のお話です。デザインの専門学校を卒業し、憧れの職種に就けたと思ったのも束の間、理想と現実がかけ離れていたという誰しもが経験しそうな場面から物語は始まります。
恋愛というよりは1人の女性の生き方の方にスポットが当てられていて、社会に出た女性のほとんどが共感できるという部分も少なくないでしょう。絵の可愛らしさとは裏腹に恋愛面は若干ヘビーなテーマなので、特に大人の女性におすすめします。
カフェでカフィを
誰かと話をしたくなったら…。ひとりになりたくなったら…。カフェに行ってみませんか? お茶をかこめば、どこでも、いつでも、そこはカフェになる。「タラコ女」「クレオパトラの眉毛」「こづかい帳」「マリアージュ」「ミス・ベンダーの旅」「野点はいかが?」「野点はいかが? 2」「かしましガールズ(^o^)」「ヘルプ・ミー!」「イニシエ系探訪」「三爺マンガ同好会」「カフェ・ド・バスルーム」「サナの一番長い日」「はじまりはカキ」「意外とわりと」「ぐるぐる」。お茶をめぐるちょっぴりユーモラスな16編を収録した待望のコミックスが誕生!!
お茶やコーヒーを題材にした16編に及ぶ短編集です。1話1話のテンポが良いのでサクッと読み進められると思います。最初は喫茶店に足を運んでいるお客さんの様子をザッピングで表現されていて、とにかく新鮮な感覚で読み進められるのが特徴です。
続いて日常におけるお茶やコーヒーとの向き合い方にシフトしていく感じですね。とにかくコーヒーが好きだという人には是非読んでもらいたい作品です。あとは何気ない日常を描いた作品が好きだという人にもおすすめ。
地獄のガールフレンド
友達ゼロ同士の女3人、同居開始! 「同居人募集!お友達のいない方歓迎!」 ●加南(かな)(31)他人に“お母さん”と呼ばれることにモニョるバツ1シングルマザー●悠里(ゆうり)(28)初めての男が妻ありの不倫愛だったセカンドバージンのまじめOL ●奈央(なお)(36) 女の人に関心がない超モテ股ゆる女家主 一軒家でルームシェアを始めた3人の共通点は「友だちがいない」女たちの食卓では非モテの根源、オバサン問題、受け身の性欲、“女の人生”比べ、……とおしゃべりが止まらない!! 世間におののく女たちに捧ぐ、デトックス同居物語!
こちらも大人の女性におすすめしたい一作、友だちのいない女性3名によるルームシェアの物語です。その3名がバツ1シングルマザー、セカンドバージンの真面目OL、超モテ股ゆる家主の3人だっていうんですから、かなりクセのあるトークが展開されるのは想像に容易いと思います。
デトックス同居物語と言われているだけあっておしゃべり好きな女性にとっては心地良く、悪くないと思えるようなルームシェアの様子が堪能できるでしょう。なにより地獄のガールフレンドっていうタイトルのクセがすごい!
カズン(全3巻)
18才、フリーター、彼氏ナシ。このままじゃヤバイかも!?「自分のこと、好きですか?」変わりたい乙女たちへのメッセージに共感度100%!どこにでもいる女の子のストーリー。
見た目が少しぽっちゃりで、特にオシャレなどにも興味を持っていなかった主人公が、アルバイトや恋などを通じて、徐々に大人のキレイな女性になっていく姿が描かれています。
特に恋のライバルという存在も登場せず、いとこが桁違いに可愛いというだけの設定は他にあまり見ない設定と言えるでしょう。本気で人を好きになって徐々に変わっていく姿は応援せずにはいられません。読んでいるこっちも前向きになれる、そんなマンガです。
うせもの宿
少女のような女将さんがいる古い宿。そこを訪れる客は、失くしたものが必ず見つかるという。不思議に満ちた「失せもの宿」で起こる数々のドラマ、そして秘められた謎とは――。
上の方で紹介した「式の前日」と同じ作者の方が描いています。こちらもノスタルジーな雰囲気と不思議な世界観が両立していて、まさに和風ファンタジーと言ったところ。
生きていく過程で無くした物が必ず見つかるという「失せ物宿」には、多くのお客さんが訪れます。私は幽霊や死後の世界は信じていませんが、こういうのはアリかなぁって思ったり思わなかったり。最初はオムニバス形式で進行していきますが徐々に内容は掘り下げたものへと変化していくので、1巻で読むのを止めずに最後まで読んでみてください。
あるいていこう
どんなに走ってもみんなに追いつけない。最近、そんなことばっかりなんだ──。12歳の春。中学生になったイケは、恋愛やオシャレに興味を持つようになったまわりに取り残されているようで、不安な毎日。まさか自分が恋愛するなんて、思ってもみなかったけど……!?『ピーチガール』の上田美和が、おだやかな田園風景を舞台に、中学1年生の瑞々しい時間を詩情豊かに描く新境地!
中学1年生の女の子が初恋によってオシャレに少しずつ目覚めたり、同年代の男子が子供のように見えて先輩に惹かれたり…。大人の読者であれば「自分にもこういう時代があった」と懐かしむことができる内容ではないかと思います。
男子は好きな女子に意地悪したくなったり誰かと誰かが付き合っていると聞けば囃し立てたりして、良くも悪くも中学生初期のノリが随所に感じられる作品です。中学生らしい青臭さ、不器用さが苦手でなければ楽しめるかと思います。
全4巻完結のおすすめ少女漫画
ママはテンパリスト
革命的面白さの、新世代育児エッセイ!漫画連載を多数かかえる作者は、初育児に毎日テンパりまくり(=あわてて動揺する)!!息子ごっちゃんの、予想を裏切る驚愕リアクションの数々…。そのデンジャーな魅力に、やみつきになる!
子供好き&育児経験がある人なら鉄板!!小さな子供と接点がないという人でも爆笑必至の育児ギャグ漫画です。これがまぁ面白い!!可愛いとばかり言ってられないのが子育てなわけですけど、その中にある笑いの全てがギュッと凝縮されていると言っても過言ではありません。
「暗くて落ち込んでいる時でも、本作を読めば元気が出る!」というくらい、大きな笑いの破壊力を秘めている作品です。絶対にニヤけるので立ち読み厳禁。
路地恋花
芽吹き、色づき、艶やかに、京の路地に想いの花、咲く――。短編の名手・麻生みことが描く、恋愛連作最高峰!舞台は古都・京都。とある路地の長屋に暮らす「つくる人」――職人たちが紡ぐ、凛と美しく、詩情豊かな恋愛譚。製本屋、銀細工屋、蝋燭屋など、多様な「職」の細やかな描写も見事。雑誌では描かれなかったエピソードも大量描き下ろしして収録!!
個人的に良い意味で「うーん」と唸らせられたのが本作品です。京都にある職人さんが集う路地(長屋)が舞台となっています。1話完結型なのですが、全てのストーリーが同じ路地内で繰り広げられるので、以前のストーリーで主役だったキャラが今度は脇役で華を添えたりしてくれるのが本作最大の特徴です。
全体的な雰囲気も古き良き日本のような感じでたまりません。色んな恋愛模様、人間模様が楽しめるのでお得感もあります。
西荻窪ランスルー
江田島咲、18歳。自分ひとりの力で生きていこうと周囲の反対を押し切り上京を決意。絵を描くことが得意だった咲はアニメ会社に無事就職できたが、そこで出会う大人たちに圧倒される日々。仕事も恋もひたむきにがんばるがむしゃら女子の全力疾走物語!
大学進学を蹴ってプロのアニメーターを目指すことを決めた女の子の物語です。ドキュメントというわけではないのでアニメ業界の話はほとんどありません。ただし過酷な状況下で仕事をしているというのがすごく伝わってきます。
夢や憧れを持って就職したものの現実を目の当たりにし、それでもやりがいを見出して頑張る姿に思わず胸を打たれること間違いなし。恋愛要素は薄め、それでもカッコイイ女性の姿が堪能できるでしょう。
きみとユリイカ
ひとり暮らし中の女子高生、麻衣の家に突然やってきたのは“亘理”と名乗る男の子だった。北欧帰りの天才少年、だけどなんだか不思議でマイペースな亘理くんと麻衣は一緒に暮らすことになって!? キュートであたたかなふたりの同居生活がはじまります!
母親が仕事の関係でアメリカに行ってしまったため、独り暮らしをしている主人公の女子高生。そしてその家に居候することになったフィンランドから来た男の子の一つ屋根の下的な物語です。主人公には思いを寄せてくれる男の子がいますが、どうしても一緒に暮らしている男の子のことが気になってしまう様子が描かれています。
よくありがちな「どっち付かず」の展開ではないので、ヒーローの不思議感や年頃の男女を一緒に住ませようとする親などのノイズに振り回されずに読める人であれば楽しめると思います。終わり方も斬新でしたし、全4巻があっという間でした。
全5巻完結のおすすめ少女漫画
orange(全5巻+α)
高校二年生の菜穂に届いた未来からの手紙。そこには未来の自分の後悔がつづられていた。はたして菜穂は手紙を読み「後悔しない未来」を作ることができるのか?切ない思いが交錯するタイムパラドックスラブストーリー。
未来の自分から送られてきた手紙を読み、大切な同級生が自殺してしまうのを防ぐために奮闘するというSFラブストーリーです。現実味は一切ありませんが、恋模様と友情の両立がしっかりと描かれている物語だと思います。
第2の男的なポジションの男子がまぁとにかくイケメンなんです。「友情の為に好きな女子を諦める」というのがカッコイイのかどうなのかはさて置き、なんか色々とキュンキュンさせられてしまいます。完結してから時間が経った今もなお、物語の補足(番外編)的な意味合いで増刊されているほどの人気作品です。
クロス・マネジ
どの部活も長続きしなく、上手くいかない日々を送る櫻井はある日、一人でラクロスの練習に励む深空と出会う。そのひたむきな姿に衝き動かされ、平凡な彼の高校生活がいま、大きく変わろうとしていた――。
少年ジャンプにて連載されていたラクロスを題材にしたスポーツ漫画です。女子部員たちが多数いるところに男子マネージャーが入部するという流れになっています。通常であれば男ウケを狙ってエロパロ方面に走りそうなものですが、本作はしっかりと青春×友情の要素が全面的に感じられるので女性が読んでも楽しめるでしょう。
少女たちの友情や恋、葛藤や衝突などがギュッと凝縮された全5巻です。ラクロスを知らない?全然問題ありません。
人は見た目が100%
「自分らしさって、最高!!」そんな女性たちに問いかける問題作!!――マジメで優秀な研究員・城之内(じょうのうち)、佐藤(さとう)、前田(まえだ)。「一応服は着ているから」「ちゃんとお風呂には入っているから」と自分に言い訳をし、「女子力」や「美」に背をむけた人生を歩んでいた。が、このままではいけないと、就労後に「美」の特別研究をし始めて!?「女子」になりたい、けれどなれない「女子モドキ」たちが、美と価値観を問いかける抱腹微苦笑ビューティー研究ギャグ、実験開始!
2017年にドラマ化されました。もともと全4巻完結だったのがドラマを機に増刊されています。女性の多くが共感するような「あるある」から構成されており、かなり笑える内容に仕上がっていると言っても過言ではありません。
オシャレとダサいって紙一重だと思うんですけど、そのあたりが秀逸に描かれている作品です。流行に敏感な若い世代に受け入れられるかどうかは不明ですが、ぶっちゃけ「今、何が流行っているかがわからない」くらいの人なら鉄板だと思います。
喰う寝るふたり 住むふたり
町田りつ子と野々山修一は交際10年、同棲生活8年目。恋人以上、夫婦未満の三十路直前カップル。そんなふたりに起こるちょっとした日常を男女両方の視点から描いた恋愛ザッピングストーリー。
付き合って10年、同棲してから8年の長寿カップルを主人公に描く日常系マンガです。2人の距離感も非常に自然で、アラサーからアラフォーにかけての読者には共感の嵐が巻き起こると思います。
何と言っても特筆すべきはザッピングシステムですね。同じストーリーが女性目線と男性目線の両方から描かれているので、ちょっとしたスレ違いの時にお互いが何を思っていたのかがわかるんです。心では相手のことを考えていても、言葉が足りなければケンカにもなっちゃうだろうなぁという当たり前のことに気付かせてくれる作品だと思います。
脳内ポイズンベリー
櫻井いちこ(29)は、飲み会で会って以来気になっていた男子・早乙女(23)に、偶然遭遇。『話しかける?話しかけない?』『押してみる?引いてみる?』いちこの脳内ではめくるめく会議が繰り広げられ――?怒涛の新感覚ラブ・パニック、開幕!
落ちてる財布を拾った時なんかに「脳内で天使と悪魔が戦う的な場面」って結構あるじゃないですか?あれの恋愛バージョンです。ジャンルとしては怒涛の新感覚ラブパニックとのことですが、まさにそんな感じ。ただ一緒に牛丼を食べるだけ、ただ彼の部屋を片付けるだけ・・・。
そんな日常の些細なことでも、事細かく脳内会議がされた後で行動に移す様子が描かれています。脳内の住人にも個性があって非常に見応えがあるし、ややこしい感じが逆にクセになります。
かくかくしかじか
自分は絵がうまい。本気でうぬぼれていた林明子(高3)は竹刀を持った絵画教師・日高先生に罵られ…!?少女まんが家を夢みたあの頃を描くドラマチック・メモリーズ!
上の方で紹介した「ママはテンパリスト」の作者・東村アキコ先生が描いたドラマチック・メモリーズです。東村アキコ先生は今でこそ超売れっ子のマンガ家さんですが、学生時代はどのように過ごしていたのかというのが垣間見えます。
漫画家さんなど芸術の世界に身を置くには兎にも角にもセンスが重要だと思っていましたが、その根底には並みならぬ努力があるというのが伝わってきました。スポーツじゃないんだけど熱血系。今時こんなに熱い指導ってないんじゃないかと思いましたし、文句無しに良作です。
全6巻完結のおすすめ少女漫画
高台家の人々
妄想が趣味の地味系女子・平野木絵はニューヨーク支社からやって来た超イケメン社員・高台光正に突然食事に誘われ、驚く。実は光正には、ある特殊な能力が!それは光正の妹と弟にも──ヒットメーカー森本梢子が放つ不可思議ラブ・コメディ!
人は誰しも妄想をするとは思いますが、本作における妄想レベルはかなり振り切っていて面白いです。不可思議ラブコメディとは上手いこと言いましたね。
とにかく妄想のユニークさが群を抜いていて、脳内の考えが可視化できているという意味では、前項でご紹介した「脳内ポイズンベリー」にも近いのですが、向こうが現実的な妄想だとしたらこちらは差し詰めお花畑系とでも言いましょうか。
たぶん一度手を出したら最後、物語完結まで一気読みしてしまう読者が多数だと思います。これほど物語の完結が寂しいと感じた作品も珍しいです。
マリーマリーマリー
【激甘・ワケあり・自然体…? 十人十色の結婚生活 特集】鍼灸師のリタは、往診で行った先のライブハウスで「ワンダー」と歌うあやしい男と出会った。ブルースのミュージシャンでギターを弾く森田という名のその男は、リタに超接近! そして二人は…!? これが、今一番キュートで奇妙なケッコン・コメディ!!
「最後までキュートで奇妙な結婚コメディー」というのがキャッチコピーのようですが、まさにそんな感じの物語です。不思議な魅力のある男性とすぐに結婚してしまうところから物語は始まります。
そのためリアルさという面に関しては皆無です。どちらかと言えばファンタジー寄りで素敵な物語という印象を受けました。漫画なんですが、所々に登場する音楽が良い味を出しています。
主人公が運転する車がクラシックカーだからなのか、作品全体に漂うレトロな雰囲気も不思議な魅力に拍車をかけていて、勝田文先生の「あのこにもらった音楽(上の方で紹介済み)」に似た空気も感じられます。
シュガーズ
片想い、両思い、憧れに、親しみ。いろんな形の恋を味わえる6つの恋のオムニバス集。
全6巻という読みやすいボリュームもそうですが、本作は1話完結型のオムニバス形式で進んでいくので非常にテンポ良く読み進めることができます。そしてその物語のそれぞれは独立しているようで実は繋がっているんですよね。
1回目はキャラが多すぎて混乱してしまう部分もありますが、2回→3回と読み直すことで新たな気付きを得ることができるでしょう。「片想い」「両想い」「憧れ」など、様々な恋愛模様が楽しめることからも、一作で何度も美味しいと思える作品です。
全7巻完結のおすすめ少女漫画
プリンシパル
東京の学校でハブられ3人目の継父とはうまくいかず、札幌の実父のもとへ引っ越した糸真。そこで出会ったのは、和央と弦。2人に近づくとハブられるらしいけど、恋に落ちてしまったら仕方ありませんね。
ヒロインは元々いた学校でイジメに遭い、実父のいる北海道に転校することになりました。本作品はそこでの日常生活を描いた作品です。ちょっと複雑な家庭環境や女子特有のイジメなどの背景なんかもありつつ、人間としての成長も垣間見えます。
高校が舞台になっていますが単なる学生モノではないので、幅広い世代に受け入れられる作風と言っていいでしょう。あ、そうそう。決してバレエの話ではなく、タイトルはあくまで「人生(恋愛)のプリンシパル」という意味合いに集結しそうです。たぶん本作の登場人物は全員プリンシパル。
全8巻完結のおすすめ少女漫画
ハニー
それはまだ中学の頃。雨の中道端に1人の不良が倒れてるのを発見した奈緒ですが、ヘタレのために絆創膏と傘だけ置いて、逃げてしまいます。そして時は過ぎ高校入学。奈緒は偶然にもその不良と再会してしまいます。報復を恐れてビビリまくる奈緒ですが、彼の第一声は「結婚を前提にお付き合いしてください」!?
引っ込み思案なヒロインが不良男子に告白され、あまりにもの怖さに断れなかったという掟破りのスタートを切った純愛ストーリーです。男子が実はいいヤツで徐々に誤解が解けて仲良くなっていく2人の姿は見ていて微笑ましいものがありますし「人は見た目じゃない!」というのが痛いほど伝わってきます。
柔らかくて可愛らしい絵の雰囲気も物語にマッチしていて、とても楽しく読み進めることができるのもポイント。適度に笑いも放り込んできますし、読み応えもなかなかでおすすめです。
360°マテリアル
IQ高めでポーッとしてて――。滝くんはそんな男子です。大高美桜は、駅のホームで空を見上げてる男子に遭遇。次の瞬間、彼は電車にひかれそうに!!美桜が間一髪で助けます。そんな滝くんを好きになったきっかけは…?
私の中では「キュンキュンできる超王道少女漫画と言えばコレ!」というくらいのポジションにあるのが本作品です。終始、少女漫画としての王道を突っ切っています。
男女ともにふわふわした雰囲気を持っていて、ドロドロしたシーンがないのも好印象。途中ちょっとヒロインがフラフラする部分は賛否両論がありながらも、スパイス感覚で楽しめるのではないでしょうか。本作を楽しめたという人は同作者さんの「ReReハロ」も楽しめるでしょう。
全9巻完結のおすすめ少女漫画
坂道のアポロン(全9巻+1)
1966年初夏、横須賀から地方の高校へ転入した薫。幼い頃から転校の繰り返しで、薫にとって学校は苦しいだけの場所になっていた。ところが転入初日、とんでもない男と出会い、薫の高校生活が意外な方向へ変わり始め…!?眩しくてほろ苦い、直球青春物語!!
地味めな主人公+ジャズが題材の漫画ということであまり興味がありませんでしたが、読んでみたら一気にその世界観に魅了されてしまいました。全9巻とボーナストラックを一気読みです。方言が強くて読みにくいかと思いきや、一切そんなことはありません。青春×友情×恋愛×音楽がギュッと凝縮された全9巻と言っていいでしょう。
家庭環境の複雑さやデリケートな年頃ならではの感情とか…すべてにおいて巧みに描かれた作品です。本作を読み終わったらジャズとか聴きだすくらいの魔力も持ってます。
きょうのキラくん
これは、人生でもっとも輝く365日の恋の話。『近キョリ恋愛』みきもと凜が一番描きたかった物語。――365日、瞬きするのもおしいくらい、あなたを見つめていくから。――肩にインコ(先生)を乗せた変わり者のニノと無意味な毎日を過ごす遊び人のキラ。家が隣同士なのに話したことすらなかった……。けれど、ニノがキラの秘密を知ったことから運命は交錯し、煌めく生の時を刻みはじめる――!!
基本的に余命などを全面的に押し出したお涙頂戴系はあまり好きじゃないんですけど、本作品は最後まで一気に読んでしまいました。もしかしたら、過去にインコを飼ったことがあるからかもしれません。引っ込み思案なヒロインが第1巻から余命1年の彼(家が隣だけど話したことはない)と急接近するという展開は大きく読者を選ぶはず。
リアリティは皆無です。そしてインコも喋ります。この初期設定だけで何となく結末が想像できるような気もしますが、ヒロインの成長ぶりが見てとれることもあり読み物として見応えのある作品でした。
逃げるは恥だが役に立つ
森山みくり(25歳)、彼氏なし。院卒だけど内定ゼロ、派遣社員になるも派遣切り、ただいま求職中。見かねた父親のはからいで、独身の会社員・津崎平匡(36歳)の家事代行として週1で働き始める。両者ともに快適な関係を築いたふたりだが、みくりが実家の事情から辞めることに。現状を維持したい彼らが出した結論は、就職としての結婚――契約結婚だった!ひとつ屋根の下、秘密と妄想(?)の生活が始まる……!オトナの諸問題に挑む海野つなみの新境地!
恋愛というよりかは仕事にスポットが当たっていて、キュンキュンするような展開ではなく事実婚というワードが出てくるくらいの大人向け作品です。テレビドラマが話題になりましたがストーリーはともかく絵が淡々としている感じなので、テレビドラマが面白かったからという理由で手を出す人の中には不満を感じてしまう人も多いようでした。
夢みがちな展開もなければ、大手を広げて面白いと言える作品でもありません。しかしながら何とも言えない魅力にあふれたマンガなので、世の中の酸いも甘いも分かってきた大人の人におすすめします。
東京タラレバ娘
「タラレバばかり言ってたらこんな歳になってしまった」そんなにイケていないはずじゃないのに気づいたらアラサ―になっていた倫子。6年後の東京オリンピックまでには結婚したいと思うけど…。
「あのとき~してたら」「あのとき~していれば」というセリフが口癖のアラサー女子3人組が主人公となっている日常マンガです。こちらも大人向けではあるんですが、似たような境遇で焦りを感じているという人だと心から楽しめない可能性があるので要注意。
今は幸せだという人なら「自分にもそんな時があったなー」としみじみ思えるかもしれません。自虐っぽいけどコメディー色が強くて、とても面白い作品だと思います。それにしても「 6年後の東京オリンピックまでには結婚したいと思うけど… 」っていうテーマの作品だったってことを考えると、時の速さに驚きを禁じ得ない・・・。
全10巻完結のおすすめ少女漫画
ハチミツとクローバー
6畳+台所3畳フロなしというアパートで貧乏ながら、結構楽しい生活を送る美大生・森田、真山、竹本の3人。そんな彼らが、少女のように小さく可憐な女の子・花本はぐみと出会い…!?
言わずと知れた名作です。アニメ化はもちろん、映画・ドラマ共に実写化されています。初めて読んだときは衝撃を受けました。いや、読み返しても衝撃。美術大学が舞台となっていて俗に言うリア充たちを中心に描かれているマンガなのですが、とにかく切ない!悲しいんじゃなくて、切ないんです。
片想いの経験がある人ならハンパなく共感できる作品と言っていいでしょう。心理描写に深みがあり、胸がギュッと締め付けられるような全10巻です。
ストロボ・エッジ
仁菜子は素直でおっとりした高校生。まだ恋はしたことないと思っている。自分に想いをよせる大樹への気持ちが恋だといわれて、いいヤツだとは思ってるけど…? ある帰り道電車で学校で人気の男子・蓮と出会う。少しの会話や笑顔だけで仁菜子は新しい気持ちを感じる。この気持ちはいったい…!? 仁菜子のほんとの初恋が始まる!
少女漫画の王道として名高い本作は咲坂伊緒先生が手掛けた作品の中でも最も人気の高い作品です。超絶キュンキュンさせてくれます。脇役を含め、登場人物たちが全員魅力に溢れていて、まさに青春時代の1ページというような眩しさがハンパないです。
現在進行形でキュンキュンしている人はもちろん、大人になった人も懐かしさ全開で楽しむことができると思います。中だるみもなく、最後まで一気に駆け抜けてくれる感はさすがです。同作者さんの「アオハライド」よりも、より万人向けの作品だと思いました。
うさぎドロップ
祖父の訃報を聞いてかけつけた、ダイキチが出会った見知らぬ女の子、りん。小さな彼女はなんと祖父の隠し子!りんと暮らすことを決意したダイキチの手さぐりの子育てスタート。6歳児と独身30男が繰り広げる、なごみ系ちぐはぐ☆LIFE。案外、この世界も悪いもんじゃないって、りん、君はしっているかい――?
6歳児と30歳の独身男が繰り広げるほのぼのストーリーです。身寄りのない幼女を30歳の独身男が親戚代表として引き取るところから物語は始まります。この男性がすごく温かい人物なんですよ。がさつでどこか抜けている部分があるんですけど、人間味があって安心するような感じ。これがすごくいい!
初期設定こそぶっ飛んでいますがあとは日常を描いたほのぼの系なので、多くの方がすんなり読めると思います。ほっこりしたい人におすすめ。
ヒロイン失格
女の子は誰だって、自分が主人公の恋物語を夢みちゃうもの。はとりも、いつか幼馴染みの利太と結ばれるはずだと信じ込んでいたが――世の中そんなに甘くない!恋に破れたオトメの七転八倒を赤裸々に描く爆笑コメディー!
「オススメ少女漫画」「面白い少女漫画」などのワードでネット検索すると、かなりの高確率でエントリーされている本作ですが、正直言って万人向けの作品ではありません。Kindle版のレビューをご覧いただければ分かると思いますが本当に両極端の評価です。
ヒロインに感情移入して読み進めた人にとっては、受け入れがたい結末だったかもしれないですね。最初は地味だった女の子が都落ちしたり第2のイケメン男子が可哀想なシーンの闇属性は、まさにヒロイン失格と言ったところ。風変わりな作品をお求めの方はどうぞ。
砂時計
植草杏、12歳。両親の離婚を機に母親の実家・島根に越してきた。田舎独特の雰囲気をなれなれしくプライバシーが無いと感じた杏。だが、近所に住む大悟と知り合い、徐々に自分の居場所を見つけるのだった。しかし、彼女を支える母親が仕事中に倒れて…!?現在、過去、未来をつなぐ恋の物語、第1巻!!
過去~現在~未来へと時を紡ぐ、話のテーマが割と重めの恋の物語です。昼ドラっぽい空気感を持っているので「単にキュンキュンしっぱなしの話じゃ物足りない!」という人におすすめします。
物語は終始、もの悲しさを纏いながら進行していきます。時間の流れに重きを置いているということもありますが、時間って1番残酷で1番優しい存在なんですよね。砂時計とは秀逸なタイトルを付けたなぁと唸らせられたという人も多いことでしょう。本編は第8巻にてフィナーレです。
最後に
ここで紹介させていただいた作品たちは、どれも一気に読める手軽なボリュームの作品ばかりです。連載中の作品だと「面白すぎて先の展開が気になる!!」というのが、逆に毒だったりしませんか?
完結済みの作品であれば自分のペースで最後まで読み進められるので、過去の名作や良作を読むのも非常におすすめです。
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