見える部分は綺麗に掃除しているというご家庭の中にも、排水口などの見えない部分はノータッチというご家庭も少なくありません。排水口の汚れは表面上だけ掃除して取り繕っても無意味であることが多いです。そして他の汚れと同様、放っておくと大変な事態へと繋がってしまう場合が多々あります。
そうならないためにも日々の手入れが重要になるのですが、うっかり詰まらせてしまうこともあるでしょう。その時にプロの業者を呼んでしまうと、出張料から作業料など高い費用が発生してしまうので、できることなら自らの手で解決したいですよね。
そんな時の浴室の排水口詰まりを解消する方法と予防策について、私が実際に現場で試してみる方法の中から、素人の方でも簡単に試すことができる対策法をいくつかご紹介したいと思います。
排水口の汚れ
- 皮脂汚れ
- 髪の毛
排水口の汚れの大きな原因は上記の2つです。排水口には異臭防止や虫の侵入を防ぐための目的で『トラップ』が設けられています。トラップ部分では『封水』と言い、その名の通り水でフタをしているのですが、この部分に汚れが溜まりやすいです。
流された排水の皮脂汚れなどは、排水管やトラップ部分へと付着し、それらが原因でぬめりが増えます。ぬめりの正体はいわゆる雑菌で、皮脂汚れを餌にして増殖するのです。
これらのぬめりと髪の毛が複雑に絡み合うことで大きな汚れとなり、排水管自体を塞いでしまったり、あるいは排水の通り道が狭められることによって、水がスムーズに流れなくなってしまいます。
掃除方法
定期的な掃除
1番の有効策は定期的に掃除することです。髪の毛の汚れが硬くなる前、ぬめり汚れが大きくひどいものになる前に手を打ちましょう。
程度の軽い汚れであれば、上記のような市販されている洗浄剤で十分です。定期的に使用することで配管内を清潔に保ちながら、詰まってしまう可能性を限りなく低くすることができます。
詰まりがひどい場合
定期的な掃除をサボってしまったことで「市販の洗浄剤ではほとんど効果が得られない」という状況に陥ってしまった場合、より強力な洗浄剤を使用することで解決する可能性があります。
上記の『ピーピースルーF』は非常に強力な洗浄剤です。強力がゆえに通常のものと比べると値段は高くついてしまいますが、その効果は抜群です。通常の洗浄剤を複数本使用しても改善しないような場合には、1度試してみるのもアリだと思いますよ。
個人的には「ピーピースルーFを試してダメだったら、業者に頼む」でいいと思います(後述していますが、固形物の詰まりについては確認するようにしてください)。それくらい、この洗浄剤は優秀です。
※トイレなどの詰まり解消でラバーカップを使用したことがある人については、それを試してみるのも有効でしょう。
それでも解決しない場合
固形物の詰まり
強力な洗浄剤でも解決されない場合は、皮脂や髪の毛の汚れでなく、別の原因がある可能性が高くなります。例えば、排水口から流れていけるギリギリの大きさの固形物が詰まっている場合などは洗浄剤では解決できないため、自らの手で取り除くことが必要です。
多いのは『シャンプー詰め替え用の切り取った部分』や『入浴剤の袋の断片』などでしょうか。絆創膏なんかも多かったりします。いずれにせよ『薬剤で溶けない固形物』が原因を作っている場合が多いです。
それらを取り除いただけでスムーズに流れるようになった例は数えきれないくらいあるので、そうでないかどうかは業者を呼ぶ前に確実にチェックした方がいいと思いますよ。
汚れが薬剤では溶けないレベルになっている
薬剤が効かないのであれば、ワイヤーなどのパイプクリーナーで削り取ることもできるのですが、薬剤に比べて使用の敷居はかなり高くなるのであまりオススメできません。
「原因が完全にわかっている」という場合や「ワイヤーの使用を何度か経験している」という場合は問題ありませんが、特に『原因の特定ができていない場合』については、金額は高くなってしまいますが、プロに依頼した方が無難です。
用意しておくと便利なもの
洗浄剤
洗浄剤については、常にストックしておくのがいいと思います。そして定期的に実施するのがオススメです。
頻繁に掃除していくのであれば、ドラッグストアで手に入る安い物でも十分な効果が見込めるため、1番手軽で簡単な方法ではないでしょうか。
真空式パイプクリーナー
トイレに常備しているという方も多いかと思いますが、トイレ以外での詰まりにも非常に有効なのが真空式パイプクリーナー(ラバーカップ)です。壊れるまで何度も使用できますし、慣れれば簡単に詰まりを解消することができます。
洗面台用やトイレ用、台所用など種類が豊富なので、浴室の排水口に対応しているサイズを選ぶようにしてください。
ゴミ受け
髪の毛などが流れて行かないようにできるアイテムですが、単純なようで非常に効果的です。これを使用するのとしないのとでは雲泥の差だと言えるでしょう。
それぞれ排水口のサイズは異なると思うので、ご自宅の浴室の排水口に合うものを用意しておくと汚れにくくもなりますし、非常に便利ですよ。
もし集合住宅にお住まいの方でバランス釜を使用しているという方は、排水溝にゴミが詰まってしまうことで排水不良を起こし、機器が冠水してしまう場合があります。今のバランス釜には冠水した場合の安全装置が付いており、専門の業者による安全装置の解除が必要になる場合があるので、こまめにチェックするようにしましょう。
最後に
排水口など詰まりが懸念される部分に関しては、普段から手をかけることが最終的に安上がりに繋がるという場合も少なくありません。
安価な物でもいいので頻繁に使用することが、大きな不具合を未然に防いでくれるため、できることならこまめな清掃をした方がいいでしょう。
浴室を使用しない間、洗浄剤を流し込んで放置しておくだけですから、そんなに大きな手間もかかりませんし、片手間に行うようにしてみてはいかがでしょうか。