給湯器を修理したり、交換したりする仕事をしています。使用年数が経っている給湯器の修理をする場合、どうしても「この状態だと修理よりも買い替えた方がいいですよ」とアドバイスすることが少なくありません。
その時に交換見積もりをお渡しすることがあるのですが、はっきり言って弊社よりも安い施工業者はたくさんいます。とは言っても一般的なお客さんからすると「給湯器交換をどこに頼んでいいかの窓口が分からない」という人が結構いるようです。
- 給湯器が故障してしまい、修理をするか新しい給湯器に買い替えるかで悩んでいる
- 給湯器を交換するならどこに依頼するのが一番お得なのか(損をせずに済むのか)
- 高額修理をしたとして、実際に長く使える人がいるのかどうか知りたい
上記のような悩みを抱えている読者の方には、有意義な情報を提供できるんじゃないかと思います。
給湯器交換で失敗しないための基本的なテクニックや、実際に給湯器修理をしている私が厳選したおすすめ給湯器交換業者をご紹介するので、給湯器の買い替えを検討している方はぜひ本記事を参考にしてみてください。
おすすめ業者の比較表は本記事の下部にあります。いち早くおすすめ業者だけを知りたいという方は、目次から飛んでいただけると幸いです。
給湯器の機器寿命・耐用年数
給湯器には設計標準使用期間というものがある
一般的に給湯器は使用する環境によって機器寿命が大幅に左右されるので、製造メーカーは寿命という言葉を使いません。でもお客さんは普通に「給湯器の寿命ってどれくらい?」って聞いてくることが多いので、設計標準使用期間というものを寿命として説明しています。
設計標準使用期間とは、標準的な使用条件の下で、適切な取り扱いで使用し、適切な維持管理がお
設計上の標準使用期間の設定
こなわれた場合に、安全上支障なく使用することができる標準的な期間として設計上設定される期
間で、製品ごとに設定されるものです(消安法第32条の3)。
各家庭によってご家族の人数は違いますし、お湯の使用頻度も違います。もちろん地域によっても使用スタイルは大きく変わると言えるでしょう。同じ40℃のお湯を作るにしても、冷たい水を温める方が給湯器はエネルギーを使います。つまり寒い地域の方が給湯器への負担が大きくなるのは必然です。
そこで給湯器メーカーは標準的な使用条件を定めていて、この通りに使えば10年間安全に使えるという条件で給湯器は製造・販売されています。これを設計上の標準期間と呼びます。
給湯器の機器寿命・耐用年数は10年の根拠
上記が暖房機能付き給湯器の設計上の標準期間の算定条件です。暖房機能が無い給湯器を使用している読者の方は、給湯とふろの使用条件だけを見ていただけたらOKです。そして気になる点をいくつか抜粋します。
- 気温が年間を通して20℃設定
- 給湯器の設定温度が給湯・お風呂ともに40℃
- 1日の使用時間が1時間
私は秋田県在住ですが、秋田県の年間平均気温は12.1℃です。そして東京都の年間平均気温は17.8℃です。でも給湯器の条件は、年間平均気温が20℃で計算されています。ちなみに鹿児島県の2020年の年間平均気温でも19.2℃でした。
気温が低ければ低いほど入水温度が冷たくなるので、同じ温度のお湯を作るにしてもエネルギーが必要になります。10℃の水を40℃にするのと、20℃の水を40℃にするのとでは条件が大きく異なると言っていいでしょう。
給湯器の設定温度が40℃っていうのもやや厳しめの条件だと思いますし、1日の使用時間が1時間っていうのもシビアじゃないかと思います。そういう厳しい条件を守って、ようやく10年間安全に使えるという基準を満たすというわけです。
修理をするか新しい給湯器に買い替えるかの判断基準
使用期間が7年以上が経っている場合は買い替えの方向がおすすめ
前項で給湯器の機器寿命について詳しく説明しましたが、ここであえて給湯器の寿命について書くと「メーカーが定めた前提条件を守って10年」ということになり、実際にこの条件を守るのはかなり厳しいです。
つまり多くのご家庭に照らし合わせると、給湯器の機器寿命は7年~10年くらいということが言えます。実際に使用開始から7年を過ぎたあたりから、給湯器の故障率はかなり上がっていると言えるでしょう。
というわけで、給湯器の使用開始から7年以上が経過している場合は、修理よりも買い替える方向を重視して考えるのが賢明です。
使用開始から7年以上で給湯器交換を検討した方がいい理由
こちらはノーリツで実施している保証延長制度の料金表です。簡単に言えば給湯器の保険みたいなもので、新しい給湯器を購入したときに課金することで、給湯器の保証を最大10年まで伸ばせるシステムとなっています。
- 最大でも延長は10年まで→10年を超えたら壊れて当たり前という事実
- 7年プランと10年プランで保証料が一気に変わる→7年以降の修理が多いという事実
上記2点が給湯器の機器寿命が7年~10年であることを裏付けていると言っていいでしょう。保険は非常によくできているので、お客さんにメリットを提示しながらも提供する側が儲かるようにできています。
10年以降のプランが用意されていないのは、それ以上の使用は故障が立て続けに発生してもおかしくないからです。7年プランと10年プランの保証料に3倍~4倍の価格差があるのは、それだけ7年目以降の修理が多いからです。
使用開始から7年を超えた給湯器を修理するリスク
耐用年数に差し掛かっている給湯器の修理はギャンブル
あなたはギャンブルが好きですか?私は過去にパチスロにハマっていた時期があって、毎日仕事帰りに遊んでいたことがあります。負けると悔しくなって、何とか負けを回収しようとのめり込んでしまうんですよね。
耐用年数に差し掛かっている給湯器を修理することは、パチンコや競馬などのギャンブルに似ています。修理にお金を使うと、そのお金の元を取ろうと必死になってしまう点はまさにギャンブルです。もし使用開始から7年目に5万円以上の高額修理をしてしまうと、その直後にまた給湯器が故障しても修理以外の選択肢は取れないのではないかと思います。
5万円の修理をした1ヶ月後に2万円の修理が必要になったら、ここで諦められる人っていると思いますか?現実にはいるでしょうが、多くの人は諦めることができません。
高効率型給湯器には7年目前後に罠がある
最近はエコジョーズやエコフィールと呼ばれる高効率型給湯器を使用している人が増えてきました。特にガス給湯器ユーザーは、ほとんどがもうエコジョーズなんじゃないかと思います。
これらの高効率型給湯器には中和器という部品が搭載されていて、これは給湯器の稼働時間に応じて部品寿命が設定されている部品なんです。多くのお家で7年目前後に交換が必要になるんですが、中和器の交換費用が大体15,000円前後です。
この時、多くの給湯器は中和器が寿命を迎えただけなので、何も考えずに中和器を交換するユーザーが多く、その後で別箇所の修理が必要になると「中和器を新しくしたばかりなのに勿体ない」という考えが先行します。これは大きな損への入り口と言っても過言ではありません。
「次に壊れたらもう買い替える」と断言できるかどうか
私自身、自分の家で使っている給湯器が壊れてしまった場合、7年目以降だからと盲目的に給湯器交換することはありません。中には「これなら修理してもいいかな」っていう内容があります。
漠然と言えば「次に壊れたらもう買い替える」と断言できるかどうかです。さすがにいくら耐用年数を超えているとは言え、1万円~2万円で修理できるなら「やってみようかな?」という気になります。
給湯器の修理は簡単な調整やパッキン交換なら1万円前後、安い部品の1点の交換であれば2万円以下です。この最低限の修理で済むのであれば、すぐに壊れても諦めがつくような気がしませんか?
最初に5万円以上の修理をしてしまった後で、すぐさま2万円程度の修理が必要になったら、この時点で諦めるという選択肢がなくなってしまうと思います。あとはズルズル引っ張られてしまい、最終的には「あの時、修理せずに買い替えておけば良かった・・・」となりかねないので、次壊れた時に買い替えられるかどうかで判断するのは悪くない選択です。
給湯器の価格相場を知ることも大切
給湯器を修理するか買い替えるかの判断をするには、給湯器の価格相場を知ることも大切です。私も「新しい給湯器に買い替えるなら30万円、修理なら10万円」って言われたら、悩んでしまう人の気持ちも理解できます。
一方で新しい給湯器が20万円だったらどうでしょうか。リスクから解放される給湯器交換が20万円で、リスクが残る修理が10万円だったら私なら迷わず新品への交換を選択します。この辺は人にとって基準が変わってくるとは思いますが、少なくともカタログを見て給湯器の価格相場は判断しないほうがいいです。
給湯器カタログにはメーカー希望小売価格が並んでいて、一般的なガス給湯器でも30万円以上の値段で掲載されています。しかし実際にはここから大幅値引きがあるので、取り付け作業料を考慮してもここまで高くなることはありません。
ちゃんとした施工業者を選べば給湯器本体から70%前後の値引きをしてくれるので、10年保証がついて定価の半額くらいで購入することが可能です。それでもあなたは高額修理を選択しますか?
私がお客さんから「新しい給湯器っていくらするの?」と聞かれたら、黙って給湯器のカタログをお見せします。弊社ではどんなに値引きをしても30%前後のため、業者を選べば安くなるなんて無責任なことは言えないからです。
給湯器交換業者を上手く選べば大幅値引きが受けられるのは事実ですが、そのような業者が存在する地域と存在しない地域があります。
おすすめ給湯器交換業者の紹介と比較
おすすめ業者の比較表
業者名 | ||
最大値引き率 | 最大91%値引き | 最大80%値引き |
商品保証と工事保証 | 10年のW保証 | 10年のW保証 |
貸し出しサービス | 有 | 有 |
分割払い | 〇 | 〇 |
ガス/石油 | 〇/× | 〇/× |
対応エリア | 42都道府県 | 関東、関西、+α |
公式サイト | 【PR】詳細 | 【PR】詳細 |
- 給湯器交換費用が一般的な価格相場よりも安いこと
- 工事保証があって安心して使用できること
- ある程度、広範囲で活動をしていること
- 見積もり、キャンセル料が無料であること
上記の条件を元に、給湯器交換業者の中でも優良業者を選定しました。安いのは当然として「安いだけじゃだめ」という部分もしっかり考慮し、実際に利用したユーザーの評判や口コミも評価しつつ、保証面でのアフターサービスも考慮しています。
給湯器駆けつけ隊
- 最大91%OFF(業界最高の圧倒的値引き率)
- 製品保証と工事保証をそれぞれ10年保証
- 対応エリアは全国42都道府県
- スピード対応〇、納期がかかる場合は代替器のレンタルあり
- クレジットカードの支払い、分割払い24回まで対応
- 見積もり無料、キャンセル無料
最大値引き率、対応エリアの広さ、代替器のレンタルサービスなど・・・。どれをとっても最高レベルの給湯器交換業者が「給湯器駆けつけ隊」です。給湯器交換で後悔したくないのであれば、とりあえず押さえておきたい施工業者の代表格です。
ハッキリ言って対応エリアに住んでいる人なら頼まない理由が見当たらないというか、デメリットは「公式サイトが一昔前の家電量販店みたいに『詳しくはお問い合わせください』みたいになっているのが、この時代に斬新すぎる」という点くらいじゃないかと思います。
ちなみにネット業者の多くは最大80%値引き前後であることが多く、これでも相当安いレベルなのに給湯器駆けつけ隊は最大91%値引きです。給湯器が100万円だったとしても9万円になります。文句なしにおすすめです。
\ 見積もり無料 /
キンライサー
- 最大80%の値引き率
- 製品保証と工事保証をそれぞれ10年保証
- 対応エリアは関東、関西、+α
- スピード対応〇、納期がかかる場合は代替器のレンタルあり
- 支払方法が豊富(現金、振り込み、クレジットカード、ショッピングローン、LINE Pay、リース)
- 見積もり無料、キャンセル無料
ダチョウ倶楽部が宣伝していることもあって、給湯器交換業者としての知名度は抜群の「キンライサー」です。最大80%の値引き率って聞くと、これまでの業者を見ていたら物足りないような気もしますが、間違いなく業界最高クラスの値引き率です。
他の施工業者たちよりも支払方法が豊富で、機種は限られますがリース契約も可能です。ショッピングローンなんかも用意されているので、給湯器が壊れて困っている方の中で「お金がなくて給湯器交換の費用が捻出できない」という人は頼ってみてはいかがでしょうか。
デメリットは対応エリアが狭いことです。関東・関西地域の他は限定的なエリア対応になっていますし、関東・関西エリアでも一部は対象エリア外だったりするので確認が必要になります。
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給湯器交換業者の選び方、比較すべき項目
交換見積もりは複数社からもらって比較することが鉄則
まず第一に押さえておいて欲しいのは、給湯器の交換見積もりは複数社からもらって比較・検討してほしいという点です。弊社は給湯器メーカーの認定店ですが、給湯機本体価格から値引きできるのは30%程度です。
もし弊社しか知らずに「どこも似たようなものだろう・・・」と考えてしまうと、80%以上を値引きしてくれる業者の存在に気付くことができません。給湯器が故障してから買い替えを検討する場合、一刻も早く交換工事がしたいと気が早ってしまうのではないかと思いますが、損をしないためにはここでこそ落ち着いてください。
給湯器交換業者の探し方
水道局指定水道業者の中からピックアップする方法
宅地内の給水装置・排水設備は、指定工事業者でなければ工事ができません。その水道局指定業者(指定給水装置工事事業者)は、各自治体の公式ウェブサイトに掲載されています。
例えば横浜市にお住いの方であれば「横浜市 水道局指定業者」と検索してもらえれば、横浜市のウェブサイトが表示されるはずです。ここには給排水設備を取り扱っている業者が並んでいるので、その中からご自身が住んでいるエリアに近い業者を見繕うのがおすすめです。
チラシ、マグネットの業者を頼る場合は注意
たまにポストにチラシやマグネットを投函していく給湯器交換業者がいます。全部が全部ではありませんが、この中の一部の業者は実際に業務停止命令を食らっていたり、業界内では結構有名な悪徳業者が存在していたりするので注意が必要です。
アテにするなとは言いませんが、せめて「他業者と比べるうちの一社」程度に留めておきましょう。実際に比較して、その上で納得して給湯器交換を依頼するのであれば問題ありません。
業務停止命令を食らうような悪徳業者の多くは、他社と比較するような賢い人を騙すつもりはありません。100人に声をかけて、そのうち一人でも「どこも似たようなものでしょ」と勘違いしてくれる人がいればいいんです。
保証の有無は金額に換算して考えるのがおすすめ
商品保証は新品の保証延長
「うちで給湯器を交換してくれるなら10年保証を付けますよ!」というのは、多くの業者が行っている常套手段です。
ここにはお得感を演出することの他に、当然お客さんに満足してもらいたい(早くに故障して不満を持ってもらいたくない)という思惑があるんですが、それ以外の大きな理由の一つに「他社と比較するお客さんを惑わせる」というものがあります。例えば以下のような3つの見積もりがあったとしましょう。
- 給湯器本体と作業料コミコミで30万円の業者A
- 給湯器本体と作業料コミコミで29万円の業者B
- 給湯器本体と作業料コミコミ、更に10年保証がついて32万円の業者C
このような場合、AとBを比較してB社の方が安いというのは分かりやすいですが、10年保証を付けるC社が入ってくるとどこが一番お得か判断しにくくなります。これこそが10年保証を付ける狙いの一つです。
ちなみにこの保証は、正確に言うと保証延長であり、各メーカーに対して一般ユーザーが申し込めるものです。給湯器を購入すると、それだけで1年~3年の新品保証があります。これを料金やプランによって最大10年まで延長できるという制度です。
「10年保証を付けます!」と言ってくれる業者は、お客さんの代わりに10年保証に申し込むと言っているだけで、本来発生する費用をすでに給湯器交換の見積もりに組み込んでいます。なので「自分で10年保証に加入するとしたらいくらかかるのか」を知っておけば、純粋な給湯器交換の費用が分かり、10年保証が付かない業者としっかり比較できるというわけです。
保証延長の料金表(ノーリツ製給湯器の場合)
上記がノーリツ製給湯器で保証延長に加入する場合の料金表です。機種によって金額に差がありますが、一般的なガス給湯器(給湯機能+ふろ機能)で10年保証が29,040円です。ここから逆算することで、保証ありの業者と保証なしの業者が比べられます。
本記事で紹介している施工業者4社のうち、正直屋は保証延長10年が別料金になっています。同じ条件で比較する場合は、保証延長料を差し引きして比較してみてください。
工事保証は必須
商品保証は付いてなかったとしてもユーザー自身で加入できるので、特に問題はありません。一方で施工に関する「工事保証」はあった方がいいです。
給湯器は施工が悪くて故障することもありますし、配管の繋ぎ目からの水漏れなんかは商品保証の対象外になります。これを保証してくれるのが工事保証です。
水道工事関連は技術的に未熟な業者や、世間一般的に悪徳業者と呼ばれる業者が少なくないので、そういう業者に引っかからないためにも工事保証がある施工業者を選ぶようにしましょう。
最後に
給湯器の交換か修理かで悩む場合、目先のことよりも10年先を見据えた方が上手くいくことが多いです。確かに耐用年数に差し掛かっている給湯器を修理して、意外と長く使えるお客さんもいるんですが、すぐに壊れてしまって「あの時、新しいのに交換しておけば良かった・・・」という人が少なくありません。
探せば分割払いやローン払いに対応している業者もいますし、80%オーバーの値引き率を誇っている業者もいます。見積もりをもらって比較検討することで、価格交渉も上手くいくことが多いのでぜひ挑戦してみてください。