最近は電気温水器やエコキュートのシェア率も増えてきましたが、まだまだ石油給湯器やガス給湯器のシェアシェア率の方が高いです。都会や温かい地域にお住まいの方はガス給湯器を使用している方がほとんどで、東北~北海道では石油給湯器をお使いの方も多いかと思います。
私も東北地方に住んでいて家庭用給湯器を修理する仕事をしていますが、買い替えのタイミングになるとお客さんから「石油給湯器とガス給湯器ってどっちがいいの?」と聞かれることが多いです。今回は私なりの考えを踏まえて「石油給湯器とガス給湯器のどっちがおすすめ?」について答えていこうと思います。
石油かガスかを悩む理由
おそらくこのページに辿り着いた人のうちの何人かは「今は石油給湯器を使用していて、ガス会社の営業マンに気になることを吹き込まれた」という人がいるんじゃないかと思います。私が修理で回っていて「石油とガスってどっちがいいの?」と聞いてくるお客さんは大体このパターンです。
ガス会社も必死なのかガンガン営業をかけてるっぽくて、今ガス給湯器を使っていないお家というのは格好の的なんですよね。もちろん「格好の的」というのは利害関係が一致しているという意味です。決して「カモにしようとしている」という意味ではありません。
ガス会社はガスを使用してもらえるだけで利益が見込めるので、1軒でも多くガスを使用してくれる世帯を増やすことを重視しています。ゆえに本体は利益ゼロくらいの安い金額で取り付けているガス会社も多いので、お客さんとしても本体が安く手に入るという最大限のメリットが手にできるんです。
恐らくガス会社の営業マンは調子の良いことしか言わず、上手いことばかり言われて逆に不安になったというような方が本記事を読んでるんじゃないかと思いますが、以下では私がなるべく中立の立場から、石油給湯器とガス給湯器のどちらがおすすめかについて書いていきたいと思います。
一部の例外を除いてガス給湯器がおすすめ
私なら「ガス給湯器」を選ぶ
お家を立てる環境や状況にもよりますが、私がもし新築で家を建てる場合はよほどのことが無い限りガス給湯器を選択します。理由としてはメンテナンスが楽なのと、単純に長持ちする傾向にあるからです。
給湯器をメンテナンスするという目で見た場合、数年に1回オーバーホール(機器内の手入れ・掃除)をしてあげるのが効果的なんですけど、石油とガスとで効果が明らかに違う気がするんですよね。ガス給湯器の方がオーバーホールの効果が高く綺麗になっていると思います。
石油給湯器のオーバーホールは意味が無いとはいいませんが、ガス給湯器に比べるとその効果は低く、すす詰まりを解消できるほどの効果があるとは思えません。
保険料(保証延長料金)の違い
給湯器にも保険(保証延長)が存在するのはご存知でしょうか?おそらくどのメーカーやガス会社にもあると思うんですけど、上記画像はノーリツという給湯器メーカーの保証延長プランです。よくわからないアルファベットの羅列は無視して、保険料の金額だけを見てください。
すると同じ年数なのにあまりにも金額が違う商品がありますよね?例えば10年の欄を上から見ていくと26400円、25400円とあります。これはガス給湯器の保険料です。そしてその下、37400円、34400円とあるのが石油給湯器の保険料になっています。
同じ10年を保証する内容なのに1万円近くの差が出るって、なんか勘繰りたくなりませんか?私はこの事実からも「石油給湯器の方が壊れやすいから、保険料が高いんじゃないか?」と思っています。
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体感的にも、ガス給湯器の方が長持ちしているイメージ
普段修理で回っていて色んなお家の壊れた給湯器を見ていますが、一昔前に比べると「バカみたいに長持ちしている給湯器」を本当に見なくなりました。ちょっと前だと15年無故障なんてのも見たんですけどね。
今では給湯器の機器寿命は7年~10年と言われており、10年間故障せずに動けば優秀とさえ言われています。それでも修理で回っていて「長く使えてるなー」と感じるのはガス給湯器の方が多いです。
正確な統計を取ったわけじゃなく、あくまで私の体感的なものですけど、10年以上使える機器の割合は確実にガス給湯器の方が高いような気がします。
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石油給湯器の場合はオイルタンクのメンテナンスも必要
石油給湯器の場合はオイルタンクのメンテナンスも必要です。オイルタンクも容量や種類によって価格は変わりますが、相場としては50000円弱というイメージがあります。取り付け料も含めたら50000円を超えるケースもあるのではないでしょうか。
オイルタンクの寿命は給湯器の寿命ほど短くはないものの、定期的なメンテナンスが必要なうえにオイルタンクの不具合が原因で給湯器の故障に繋がるケースも存在します。
他にもオイルタンクを使っている石油機器(例えばストーブなど)があればまだいいのですが、そういう事情がなければ思い切ってガスに変えるのもアリじゃないかと思います。
石油給湯器をおすすめするパターン
それでも「無理にガス給湯器にしなくてもいいんじゃないの?」と思うパターンも幾つかあります。上でも書きましたが、私は「よほどのことが無い限り、ガス給湯器を選択する」と書きました。
では「よほどのこと」はどのような状況を指すのか。以下で詳しく書いていきたいと思います。
ガス配管が通ってない場合
最近、結構このタイプのお家をよく見ます。「調理機器がガスコンロではなくIHで、ガスを使用していない」というパターンです。この場合はガス配管の施工費用が発生するので、なんとも言い難い部分があります。
この場合は、お家の中に引っ張るガス管の施工見積もりと本体取り付け費用の見積もりを貰って、その合計費用が石油給湯器に交換した場合と比べて、どの程度の差があるかで判断するのがいいでしょう。10万円も違いが出るようであれば、現状「ガス給湯器に変える必要はない」と思います。
都市ガスが通っていない場合
都会の方だとどうなのかわかりませんが、私が住んでいる田舎では「都市ガスが通っていない地域」があり、そこではプロパンガスか石油の二択になります(電気もありますけど)。
基本的に都市ガスとプロパンガスを比較すると、ランニングコスト的にもプロパンガスの方が高くつくため「石油or都市ガス」で悩むのなら分かりますが「石油orプロパン」では悩む必要はないでしょう。
贔屓の設備屋がいて、そこが石油給湯器しか扱っていない場合
例えば親戚が設備屋で働いていて、なにか困ったことがあればすぐに駆けつけて面倒をみてくれるという業者がいるのであれば、そこにお世話になるのがいいと思います。
どの業界も信頼関係が重要なので本当に良くしてくれる設備屋さんであれば、例えそこが石油給湯器しか取り扱っていなかったとしてもそこに頼むのが1番いいと思います。
まとめ
- 石油かガスかで悩んだら、完成時の見積書を見て判断すべし
- 燃費や性能についてはそこまで大差なし
石油かガスかで悩んだら、一度ガス会社に「ガス給湯器に交換した際の施工見積書」を貰って、同時に今使用している石油給湯器に関係する業者からも給湯器を交換した場合の見積書を貰って見比べてみましょう。
私自身は2万~3万程度の違いであれば1回分の保険料でペイできる部分もありますし、ガス給湯器にした方が長い目で見てお得になるんじゃないかと思います(よほどのことが無い限り)。
ちなみに「ガス給湯器は燃費がいいですよ~」という売り文句については、商品によるので鵜呑みにしない方が無難です。石油給湯器にも燃費のいい商品がありますし、性能はどちらもピンキリなので軽率な判断をしてしまわないよう注意してください。
エコジョーズの方がエコフィールよりも燃費効率が良く、節約効果が高いのは明らかですが、ガスと石油の単価がそもそも違うので、現状まだ石油給湯器の方がランニングコストは安いのではないかと思います。
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