(2017/09/28内容更新しました)
ある日、急に「お湯が出ない!」というような時は、もしかすると家庭用ボイラーが故障してしまった可能性があります。その症状は、操作部に変な文字が表示されていたり、あるいは「エラーを示唆する表示が出ていないのにも関わらず、お湯は全く出ない」など様々です。
焦って修理業者を手配したまではいいものの、フタを開けてみると案外大したことなかったりするんですよね。気付きさえすれば自分でも解決できたような問題に、出張料や点検料など払うのは馬鹿馬鹿しいと思いませんか?
というわけで今回は、誰でも簡単にわかる『「給湯器、家庭用ボイラーが故障したと思ったら」のハウツー』について、書きたいと思います。
エラー表示がある場合
エラー番号の確認
通常、ボイラー本体に不具合が生じてしまった場合は、その不具合の内容に応じて何らかのエラー表示がされる場合が多いです。そしてそのエラー表示は『リモコン』に表示されます。
リモコンとは言っても、テレビのチャンネルを変えるようなそれとは違い、主に台所やお風呂に設置されていることが多い、ボイラーの電源を入れたり、設定温度を変えたりする操作部のことです(ボイラー本体に付いている場合もあります)。
番号の内容を確認
故障を示唆するエラー番号は非常に多くの数があるのですが、その一部が取扱説明書に記載されています。そこには簡単な対処法も載っているはずなので、まずはその可能性を疑いましょう。
もちろん初歩的なものしか載っていません。原因がわかった場合に、お客さん自身で対応し得る内容の場合しか説明書には記載されないことが多いです。
例えば「一切点火せずにエラーがでる」というような症状の場合に「燃料がきていますか?」などの確認ですね。ガスであればメーターで遮断されていたり、石油であればタンクが空だという初歩的なケースも少なくありません。
ガスの場合はガスコンロが付かないなどの弊害も起こるのでわかりやすいですが、石油の場合はタンクを目視しただけでは『フロート自体の故障』がわからず、メーターは満タンでも中は空という場合もあるため注意してください。
取扱説明書に番号の記載がない場合
「説明書に記載されていない番号=お客さん自身が番号を知ってもどうしようもできない番号」という場合が多いです。『温度調整の不具合』だったり『バーナー故障』であったり、原則的に修理業者を呼ぶしかない場合のエラー番号は説明書に記載されていないことが多いので、注意しましょう。
修理依頼をかけるときに説明書に記載されているコンタクトセンターに電話をすると、エラーの内容について教えてくれると思うので、その内容を確認してから修理依頼するというのも1つの方法だと思います。
エラー表示がない場合
ボイラーの故障
ボイラーの故障の中には「不具合がでているのにも関わらず、ボイラー自体が故障だと判断することができない不具合」がいくつか存在します。
『ミキシングの不具合』で過剰に水を混ぜてしまっている場合は、設定温度よりも遥かにぬるいお湯が出湯されますが、ボイラー自体はそれが正常だと思って作動(いわゆる勘違いのような状態)していることがあり、その場合にはエラー表示されないことが多いです。
ボイラー外の故障
「設定温度よりぬるい」という症状に多いのですが、ボイラー自体は正常なのに不具合が生じる場合も多々あります。給湯の場合は「他の蛇口からの逆流」や「水栓のサーモ不具合」が多いです。お風呂の場合は「循環金具の不具合によるショートサイクル」が多いですね。
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「お風呂が設定温度よりぬるい」のは給湯器、ボイラーの故障なのか – はてなの果てに。
お湯というよりも水(液体)が出ない
よく「お湯が出ない」という依頼内容で修理に行くと、出ないのはお湯だけではなく「お湯側の蛇口を開けても何もでない」ということがあります。
本来、ボイラーの電源が入っていなくても、お湯側の蛇口を開けば水がでますよね?それすらも出ない状態ということです。
これについては自分で解決できる場合、あるいはボイラーの修理業者が来ても改善できない場合が多いので注意が必要です。
フィルターや配管などの詰まり
1番疑うべきはボイラーの入水口に付いてる『入水フィルター』の詰まりですね。
地下水使用のお家だと非常に多いのですが、上がってきた砂なんかがフィルターに引っ掛かることで詰まり、水が通らないという状況を作り出しているパターンです。近くで水道工事が行われた場合にも散見されます。
これについては説明書の「故障かな?と思ったら」の部分に、フィルターの掃除方法が載っているかと思うので、挑戦してみてはいかがでしょうか。
その際はプライヤーなどの工具の取り扱い、無駄に力を加えて破損させない事、事前に入水を遮断することなど、いくつかの注意点が必要なので、注意して行いましょう。どうしても不安ならプロに任せてもいいでしょう。
雪国の冬の場合
配管が凍っている可能性があります。不思議なのは「水側の蛇口からは水が出るのに、お湯の蛇口からは水がでない」ということがある点でしょうか。
お湯が通っていた配管の方が熱が残っていて凍りにくいと思っていたのですが、一概にそういうことでもなく、傾向としては「古いお家」や「ボイラーが外に設置されているお家」に多いです。
ボイラーが外に設置されていて、機器周辺で凍っている場合はボイラーの修理業者として改善させることが可能ですが、床下で凍っている場合や「どこで凍っているかの判断ができないような場合」に改善するのは困難であると言えるでしょう。
「水の蛇口を開けても水は出るから凍結ではない!」とおっしゃるお客さんが多いですが、蓋を開けてみると凍結だったということも少なくありません。
露出している配管にやかんのお湯やドライヤーの熱風を当ててみてはいかがでしょうか?材質によって対策は異なるので、ドライヤー使用の際は注意してください。
故障の際の連絡先
連絡する場所は何通りか候補がありますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。「本来かかった金額よりも高く請求される」なんてことは日常茶飯事なので、納得したうえで連絡するのがいいでしょう。
最初から「修理ではなく、買い替えを検討している」という場合は、修理業者を呼ぶのではなくハウスメーカーや設備屋に連絡した方が安くつく場合が多いので注意してください(修理できる人に設置して欲しいという場合は、この限りではありません)。
【関連記事】
給湯器、家庭用ボイラーが壊れた際の連絡先について – はてなの果てに。
ボイラーの機器寿命
当然ながらボイラーにも機器寿命・耐用年数が存在します。部品が取れないこともあれば「修理料金が10万円を超えてしまう」という場合も少なくありません。
買い替えを検討したい場合、修理業者を呼んでしまうと『出張料や点検料』という費用が発生してしまうことが多いため、事前に「修理ではなく、買い替え見積もり希望」と告げることが必要です。
私の会社では、修理依頼の場合は5000円程度の出張点検料が発生しますが、事前に買い替え見積もり希望だとわかっている場合については経費は請求していません。
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家庭用ボイラー、給湯器の寿命がどれくらいか知ってますか? – はてなの果てに。
最後に
今ではお湯無しの生活は考えられないと思います。そのため、本来であれば普通に使えているものが急に使えなくなってしまうと焦ったりするものです。
そんなに頻繁に起こらないことであるからこそ、何かあったときにはしっかり対応できるように準備しておきたいものですね。