ダイエットや肉体改造などを目的とし、いわゆる『食事制限』をしている方にオススメしたい栄養の1つに『グルタミン』があります。
ダイエット中などは、食事制限をすることで体の免疫力が低下してしまい、風邪をひきやすい状況になっていることも多いのですが、グルタミンは風邪の予防に効果があるとされている栄養の1つです。
本来であれば食事から必要量を摂取することが可能ですが、ダイエット中であれば普段よりも食事の量を抑えているうえに、運動によって体内のグルタミンが失われている可能性も十分に考えられます。
カロリーが気になってお肉や卵からの摂取ができないのであれば、サプリメントを利用して上手に取り入れることで、より健康に、より効率的にダイエットや肉体改造を促進してくれるでしょう。
というわけで今回は「風邪気味かな?」と思った時やトレーニング中には積極的に摂取したい『グルタミン』についてのご紹介です。
グルタミンとは?
肉や卵に多く含まれているタンパク質の中のアミノ酸(非必須アミノ酸)の一種で、筋肉中のアミノ酸のうちの約60%を占めています。主に免疫機能の向上や手術後の回復補助機能を有することで知られています。
グルタミンは体内で生成可能なため、必ずしもそれ自体を摂取する必要はありませんが、必要量がとても多く、体内で生成する分では不足することがあります。特にトレーニング等でグルタミンを消費する環境にある場合は、不足しないように食事やサプリメントなどでカバーしてあげることが望ましいでしょう。
摂取することで免疫細胞が増え、トレーニング後の免疫力低下を防止したり風邪をひきにくくしてくれます。他には免疫不全症患者やがん患者に対してグルタミンが勧められているみたいですね。
グルタミンの効果
筋肉の強化
筋肉の分解を防止し、筋肥大の手助けをしてくれます。不足すると筋力低下に繋がってしまうようです(過剰摂取することで肝臓にダメージがあると言われていますが、現地点では研究段階でハッキリとした結果は出ていないとのことでした)。
更にはトレーニング後に摂取することで、筋肉中のタンパク質の分解を防いでくれます。これらのことからも、筋トレに励んでいるという人であれば、積極的に摂取していきたい栄養素と言えますね。また、乳酸による疲労や筋肉痛の軽減にも効果的です。
整腸効果
日頃から食事の栄養面に気を遣っていても、それが腸から吸収されないと意味がありません。しっかりと栄養を体内に取り込むためには、腸内環境を整えることが重要です。
グルタミンは腸内環境を整え水分の移行も助けてくれるので、下痢の改善にも繋がります。もちろん便秘に対しても一定の効果が期待できますが、便秘の改善にはグルタミンを摂取するだけでなく、食物繊維や水分の摂取が必要です。
免疫力の向上
免疫力を向上させてくれるため、風邪やインフルエンザの予防、アレルギー症状の改善にも効果があります。また、傷の修復にも効果的です。
筋トレは簡単に言うと「体を傷めつけて、より強くしていく」という作業なので、そっちに免疫力を持っていかれてしまい、外部に対する免疫力が下がりがちになってしまいます。なので、トレーニング中は積極的に摂っていきたい栄養素と言えますね。
普段のうがい&手洗いに加えて、バランスの良い食事を心がけ、最後にグルタミンでカバーしてあげると、本当に風邪を引きにくくなりますよ。
アルコール代謝の促進
アルコール代謝が促進されることで二日酔いに効果があるようです。肝機能が促進されることで、肝機能障害の予防や肝硬変のリスクを減らせるという効果もあるとのことでした。
二日酔いと言えば「ウコン」が有名ですが、グルタミンも良い方向に作用してくれるようなので、興味のある人はぜひ試してみてはいかがでしょうか。
グルタミンの摂り方
熱で変性するため注意
肉、魚、小麦粉、海藻、豆類など多食材に含まれているグルタミンですが、熱を加えると変性してしまうという特徴があります。そのため魚は焼かずに刺身で食べたり、熱を加えないサラダなどで摂取していくことが必要です。
さすがに自宅で毎日食べるとなると、焼いたり茹でたりできないというのは結構な手間だと思います。そんな人にはサプリメントによる摂取がオススメです。
サプリメントによる摂取
前項にも書いたように、熱を加えた食事からの摂取が難しい栄養素なので、サプリメントから摂取するのが有効です。現に筋トレに取り組む人たちが取り入れているプロテインには、グルタミンを含んでいる商品も少なくありません。
筋トレに限らずダイエットにも有効ですね。もしダイエットなどをしてる場合、どうしても摂取カロリーを抑えることになるので、普段よりも栄養が不足しがちです。そのため、免疫力が低下し風邪を引きやすくなってしまうという側面も持ち合わせています。
特にダイエット中であれば、食べられる食事にも制限が出てくると思うので、無駄なカロリーを摂取せずに必要な栄養をカバーできるサプリメントは、ぜひ利用していきたい便利アイテムだと思いますね。
副作用について
グルタミンは体内でも生成されているので、副作用については心配は要らないと言うのが一般論です。ただし摂り過ぎは、肝臓を始めとする内蔵に負担が掛かるとも言われています。
トレーニングしている成人男性でも1日の摂取量の目安は15g前後であり、40gを超えない程度であれば問題ないとも言われているので、個人的にはトレーニングをしている人以外であれば「疲れを感じた時」や「就寝前」に5g程度を摂取するのがベターだと考えています。
グルタミン摂取のタイミング
起床後
起床後の多くは胃が空っぽの状況なので、栄養が吸収やすくオススメです。効率良くグルタミンを体内に取り込むことで、その日の基礎代謝を上げることも期待できます。
就寝前
「疲れているな・・・」と感じたら、このタイミングもオススメです。寝ている間は成長ホルモンも分泌されるので、就寝前にグルタミンを摂取して免疫細胞の手助けをしてあげましょう。
就寝前に摂取したグルタミンは主に免疫細胞に使用されることになるので「もしかして風邪気味かな?」と感じた日の就寝前に飲むのもオススメですよ。
運動後
1番摂取したいタイミングはここです。量は運動の強度などによる個人差がありますが、5グラム程度が適量でしょう。
運動することで血中のグルタミン濃度が下がり、身体は筋肉を分解してグルタミンを確保しようとします。筋肉が分解されてしまうと基礎代謝が落ちてしまったりするため、運動後にグルタミンを摂取することで筋肉が分解されるのを防ぐことができます。
溜まった乳酸による疲労感や筋肉痛などに働きかけてくれる一面もありますから、トレーニングしている人に限らず、運動後は積極的に摂っていきたいですね。。
オススメのグルタミンサプリメント
グリコ パワープロダクション グルタミン
2017年5月現在、Amazonではベストセラーに支持されているのが、こちらのグルタミンです。100gあたりの金額は他の商品と比べて頭1つ分高く設定されているので、普段から体を酷使する仕事に従事している人や、激しいトレーニングをしている人にオススメです。
グルタミンだけでなく機能性乳酸菌も配合されているので、腸内環境の改善にも適しています。食事制限をしているという人にもオススメですね。
オプティマムニュートリション グルタミンパウダー
水に溶けやすく無味無臭です。味がしないので飲料水に混ぜたりしても邪魔されませんし、手軽に摂れるグルタミンパウダーだと思います。
料理などに混ぜても違和感がないため、腸内環境を良くしたいという女性が使用するのもいいかもしれませんね。ヨーグルトなどと一緒に摂れば、高い効果が期待できるでしょう。
L-グルタミン
「粉末だとちょっと・・・」という人には、こちらのカプセルタイプがオススメです。グルタミンはほとんど苦みなどを感じませんが、粉が舞ったりするのを嫌う人であればカプセルタイプを使用してみてはいかがでしょうか?
飲みなれていれば問題ありませんが、1粒あたりのカプセルが少し大きいのが難点かもしれません。
最後に
私は筋トレやランニング後に積極的に摂取するようにしていますが、このようなトレーニングをしている方はもちろん、ダイエットや減量をしている方にもオススメです。
本当に風邪を引かなくなるので、免疫力が高まっている実感はほとんどの人が得られるでしょう。絶対に学校や仕事を休めない行事の前や、学生さんの受験シーズンにもいいかもしれませんね。
また疲れが溜まりやすいと感じる人や風邪をひきやすい人は、普段の食事からグルタミンの摂取量が足りていない可能性があります。過剰摂取は禁物ですが、今は便利なサプリメントが多数あるので上手に付き合っていきましょう。