『ひるなかの流星』は、すごくキュンキュンできる仕上がりで良作だと思う

『ひるなかの流星』という少女漫画をご存知でしょうか?2011年~2014年までマーガレットにて連載されていた作品なのですが、最近ようやく読みました。というのも、作者の「やまもり三香」先生が描いた『椿町ロンリープラネット』が面白くて、過去作も読んでみたくなったからなんですけど・・・。

かなり出遅れた感こそありますが、どうやら2017/03/24に実写映画も公開予定ということで「結構ホットな話題なのかなー」なんて思ったので、早速ですが今回は『ひるなかの流星』の作品紹介をネタバレ無しでお送りしていきたいと思います。

目次

あらすじ

コミックス1巻

端的に説明すると「田舎育ちのすずめちゃんが父親のバングラディッシュ転勤を受けて、東京にいるおじさんの所にあずけられることになったお話」です。

転校先では、クラスのとある男の子から好かれてしまったり、それを良く思わない女の子から目の敵にされてしまったり、はたまた担任の先生を好きになってしまったりと、少女漫画としては非常に王道を行く作品となっています。

 

主な登場人物紹介

与謝野 すずめ

コミックス1巻

本作の主人公で、非常に活発で明るい女の子です。黒髪で化粧もろくにせず、髪型のバリエーションは基本的に「センター分け」か「三つ編み」という地味系女子ですが、私生活は意外と不真面目で、授業中に屋上でサボったりしています。

おじさんが経営しているお店の常連客&担任の五月に恋心を抱くようになり、障害の多い恋だと知りつつもそれを抑えられずに葛藤する姿は、多くの女子からの共感が得られるのではないでしょうか。

 

獅子尾 五月

コミックス1巻

すずめから恋心を寄せられている担任の先生で、ルックスの良さと人当たりの良い性格を兼ね備えていて、女子からの人気も高いようです。

すずめの恋心を受け入れるのか、それとも教師と生徒の関係ということで受け入れないのか。すべてはこの人次第で、結末が大きく変わってくると言えるでしょう。最初から最後まで目が離せないキャラクターです。

 

馬村 大輝

コミックス2巻

すずめの席の隣になった男子で女子に免疫が無く、硬派&クールという印象がピッタリの男の子です。

半ば押し売りのようなカタチですずめから友達になるように強要され、渋々それを受け入れることになりますが、心のどこかでは「初めてまともに話せる女子」ということで、次第にすずめを意識し始めることに。

 

猫田 ゆゆか

コミックス1巻

ルックスがメチャクチャ可愛い女の子で、人知れず馬村に想いを寄せていた所にすずめが来たので、すずめと仲良くしようと見せかけてハブろうとしたりする嫌なヤツ・・・でした。

和解してからはすずめの親友的なポジションになり、お互いの恋愛相談をしたり、すずめを可愛く見せるためにメイクを施したりするなど、ピュアではないが根は悪くないヤツというポジションを確立します。いや、恋するとピュアになるかも。

 

熊本 諭吉

コミックス2巻

すずめのおじさんで、飲食店を経営しています。人当たりも良く、見た目も悪くなさそうなのに、特に作中ではイケメンという扱いは一切受けていません。

すずめが五月を想う気持ちに気付いた時に少し熱い一面を見せますが、基本的には人がいいおじさん(お兄さん?)という感じです。

 

鹿島 つぼみ

コミックス2巻

五月の元彼女で、世界中を旅しているカメラマンです。五月と別れたことを後悔しており、元鞘を願っては何度かすずめの前にも姿を現します。

五月よりも更に5つ年上ということもあり、すずめにとっては「垢抜けた綺麗なお姉さん」という存在のようです。

 

皆川 土牛

コミックス4巻

すずめたちの1個先輩にあたる人物で、ゆゆかに興味があって近付いてきます。ルックスが良く、女子から非常に人気が高い男子です。

結構重要な役なのに遅れて登場してきた感があり、「テコ入れか何かされたのだろうか?」と思わずにはいられません。

本作の魅力

超王道な恋愛ストーリー

恐らく、読者のほぼ全てが不快にならない『超王道な恋愛ストーリー』だと思います。最初に軽くいざこざというか「女のイジメ」的な描写があるものの、その後はしっかりと仲直りして後腐れもありませんし、非常に爽やかな印象のマンガです。

複数の恋愛対象が存在する以上、Aを選ぶかBを選ぶかによって賛否両論は生まれると思いますが、本作に置いてはそこまで大きな批判も出ないのではないでしょうか。個人的には非常に好きな終わり方でしたけど・・・。よくありがちな「あっち行ったりこっち行ったりフラフラする感じ」は無く、読んでいて素直に応援したくなる感じは非常にイイと思いました。

 

背伸びする可愛さ

コミックス1巻

少女漫画でいえば、初期設定こそ「可愛くない」「モテない」というフラグが乱立しているものの、絵を見た限りは「普通に可愛いじゃん」って思うことも少なくありません。

しかし、すずめに関しては可愛くないとは言わないまでも、明らかにゆゆかの方が可愛い設定になっていて、田舎から来た垢抜けない女の子という初期設定が守られているので、少し着飾ったときの跳ね方がわかりやすく、その背伸びしている感じが読者にもしっかり伝わってきます。

この背伸びがメチャクチャ可愛いんですよね。先生に合わせようと必死になってる感じというか、普段が地味な設定になっているので、少し髪型を変えるだけでも意気込みみたいなものが伝わってきて、心から応援したくなるというか・・・。このあたりは読んでいて、さすがだと思いましたね。

 

禁断の恋!?

実際に女子高校生が若い男の先生に恋をするというのが、どの程度のあるあるなのか私にはわかりませんが、女子生徒が男性教師を好きになってしまうという、いわば「手あかのついた設定」であるにも関わらず、なかなか見ない展開を迎えたような気がします。

もし過去に先生に恋をした過去を持っている人が読んだら、メチャクチャ共感できることでしょう。「教師と生徒の関係だから」と言ってむやみやたらに突き放すわけでもなく、かと言ってそう簡単に受け入れられるわけでもないという部分に、作中でも語られていない壮大なストーリーみたいなものを感じました。

 

多くの胸キュン場面

コミックス1巻

ネタバレ禁止につき細かなシチュエーションは明かしませんが、思わずニヤけてしまうような胸キュン場面が非常に多い作品だと思います。

言葉の表現が巧みだという種類ではなく、すごくわかりやすい言葉で表現されているので、読み手の心にストレートに響いてくると言っていいでしょう。

 

最後に

最初から最後まで一気に読破してしまいましたが、素直な感想としては「見所が多くて、恋愛の楽しい部分も難しい部分も汲み取れる良作」だと思いました。何でもかんでも実写化される時代ですけど、個人的には実写化されるのも頷けます(実写が面白くなるかどうかは別にして)。

絵も綺麗で読みやすいですし、全12巻というボリュームも適度でちょうどいいのではないでしょうか。興味のある人はぜひ読んでみてください。

 

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