今や何を買うにしても情報が溢れているので、様々な面から価格を比較することが可能になりました。多くの業者から見積もりを貰うという従来の方法以外にも、ネットで検索すれば、答え(正確には答えのようなもの)が一瞬で出てくる時代です。
まして100円や200円ではなく、金額が高くなればなるほど「安くて良い物が欲しい!」と考えるのは当然で、それは生活必需品と言われている給湯器や家庭用ボイラーにおいても言えることです。
給湯器は機能によって価格帯が異なるため一概にいくらとは言えませんが、モノによっては30万円を超えるようなものも多く、急に交換が必要になると家計を圧迫してしまうほどのレベルです。しかし価格面だけで考えたら、安く済ませる方法が幾つかあるのをご存知でしょうか?
インターネットで調べてみればハッキリわかりますが、実は給湯器ってインターネット通販で購入するとメチャクチャ安いんですよね。というわけで今回は「通販で給湯器を購入することのメリット・デメリット」を簡単に解説したいと思います。
給湯器を通販で購入する人は少なくない
通販で給湯器を購入している人は意外と多いんです。そこそこの知識があれば機種の選定はできますし、親戚に設備屋がいる場合はその人に聞いてみてもいいでしょう。
私が在籍している会社では某メーカーの給湯器を修理していますが、修理不能なものについては「買い替え案内」もしています。そこで金額的な話をしても「少し検討したい」と言われることも多く、中には数日後「給湯器本体はこっちで用意したから、取り付けだけして欲しい」と言われることもあるんですよね。
恐らくですが、お客さんが「弊社が出した見積もりを見ながらネット検索をしたら、通販が安いことに気付いた」というケースだと思っています。
通販で給湯器本体を買うメリットは金額的に安いこと
通販で購入するメリットは「金額的に安いこと」ですが、ハッキリ言ってメチャクチャ安いです。人によっては「こんなに安く買えるものを高く売りつけられるところだった!」と思う人も出てくるくらい、その辺の施工業者とネット通販の金額面では大きな差が生じることが少なくありません。
上記の製品はパロマ製のガス給湯器になりますが、Amazonで「給湯器」と入れて検索して上位に出てきた製品です。価格は3万弱とのこと・・・ハッキリ言って安すぎます。上記の給湯器は追い炊き機能がなく燃焼能力も20号のものですが、それでもメチャクチャ安いですね。
修理や取付・販売という仕事をしている立場から言わせてもらうと「買い替え案内をしたお客さんに、ネットで給湯器の型式を入れて検索されたらアウト」だと思っています。
普通にウチの会社の仕入れより安いんじゃないかと思うくらい安い場合も多いので、通販の良いところは「本体価格が大きく抑えられる」というのが最大のメリットだと言えるでしょう
給湯器を通販で購入するデメリット
機種の選定などに専門知識が必要
まずは「給湯器の型式」です。給湯器も日々新しくなっていくので、今使っている給湯器と同じ型式の製品は市場から姿を消していることが多く、新たに交換する際は「どの給湯器を購入したらいいか」の判断が難しいことが多いです。
安い製品は追い炊き機能がないとか燃焼能力が低いという場合がほとんどですから、実際に自分が欲している機能を持った製品なのかどうかの判断は、多少の専門知識がないと難しいと言えるでしょう。
また、後継機種でも能力が近いというだけで配管の位置や採寸は変わることが多く、「それなら後継機種にこだわらなくても、こっちの機種にした方がいい」というケースも少なからずあります。素人判断ではこのあたりが難しいかもしれません。
給湯器本体以外にも部材が必要
給湯器の形が少しでも変わっていれば、配管も必要に応じて手直ししなければなりません。仮に同じだとしてもパッキンは交換しなければなりませんので、それに伴い「給湯器本体以外で必要な部材」が出てきます。
例えば排気筒は使い回しできないので交換が必要です。選ぶ機種によっては操作リモコンも別売りだったり、減圧弁や安全弁が別売りの可能性も出てきます。
このように給湯器以外にも色々と必要になってくるため、自分でイチから揃えるとなれば「何が必要で、どこまで用意したのか」を把握しながら計画を進めていくことが必要です。そしてこれらを施工を依頼する業者相手に説明する必要があります。
給湯器を施工するまでに時間がかかる
給湯器が壊れてしまうと、そのほとんどのケースで「お湯が使えない」という状況だと思います。1日でも早くお湯が使いたいという状況で、製品が届くまで数日間待たなければならない場合もありますし、取り付けを依頼する場合は施工業者の都合もあります。
「本体は用意したから、取付だけお願いしたい」と言われても、現場調査をしなければ当日になって部材が足りないということも考えられるでしょうし、必要な部材が用意されていないなんてことになると、その日には取付不可能ということにも繋がります。
ちなみに施工業者は給湯器本体からも利益を取る場合がほとんどですので、施工依頼だけだと良い顔をしない場合があります。そのときは日程調整の面でも水面下で後回しにされてしまうこともあるかもしれません(業者によっては断ることもあります)。
なんでもそうですが自分たちの所から買ってくれたお客さんを優先する形になると思うので、そういった弊害が出てしまう覚悟は必要です。
給湯器本体の上手な買い方
通販もアリですが状況に合わせて
通販で給湯器本体を購入する場合は、デメリットを良く理解したうえで購入しましょう。1番は時間的な問題です。例えば修理に来てくれた人に給湯器交換を頼めば現場の状況もわかるので、物さえあれば工事に着手できます。場合によっては在庫があるかもしれません。
「実家が近くにあって当面のお風呂事情には困らない」などの時間的な余裕がある場合は、じっくり考えるのもいいと思います。業者によってはお湯が使えないお客さんの足元を見ますから、焦っているお客さんは格好の餌食です。
何を用意すればいいかわからない時は?
よほど良心的な業者さんでもない限りは「他所で買うとわかっているお客さんに、細かな情報は与えない」でしょう。その理由の中には「なんでそこまで面倒見なきゃいけないの?」というイジワルみたいな感覚もありますが、最もな理由は「付け方も選び方も色々ある」という部分です。
例えば「煙突って何を用意したらいいの?」と質問されたとして、やり方は何パターンもあります。「自分がやるなら・・・」というテイでアドバイスはできますが、自分が施工しないのであれば責任は取れませんから明言を避けるという意味合いもあるんです。
そういう場合は「書面で見積もりをもらう」というのが有効です。
時間はかかりますが給湯器の型式や必要部材などが明記されている場合が多いはずですし、書面で見積もりをもらう時点では、相手業者も「ウチで買ってもらえるかも」と考えているため、ちゃんとした見積書を出してくれるでしょう。
給湯器の取付作業料の額面に注意
給湯器の取付作業を施工業者に依頼するという場合、当然ながら作業料が発生します。業者によっては、機器本体込みの作業料と取付だけの場合の作業料が異なる場合があるので注意が必要です。
一般的には機械の本体から利益が取れない分、取付だけの場合は金額的にも高くなることがあります。酷い場合だと倍近い作業料になることもありますが、どのみちネットで本体を用意しているのであればトータルでは安くなる場合がほとんどでしょう。
ただし事前にボイラー本体の値段込みの見積書を貰っていて、それを参考に自分で本体を用意したという場合は注意が必要です。
その業者に対して「給湯器本体はこっちで用意したから、取付作業だけして欲しい」という場合、見積書にある作業料通りの金額で取付してくれる業者ばかりではないという部分は注意してください。
最後に
一部のガス屋さんなんかでは「ガスを使ってもらえるだけで利益が見込める」ため、ボイラー本体はかなり安くして販売している所も多いです。
そういう業者はハッキリ言って破格です。ただ、同じ給湯器でも業者によって金額はピンからキリまであるので、給湯器を交換する場合はネット情報も含めて色々調べてみることをおすすめします。
取付を勧めてきた業者相手に「ネット購入をチラつかせる」というのも、価格交渉においての有効な手段に間違いありません。ただ皆さんが思ってる以上に、販売業者も「売りたくて必死」というわけでもないということが多いのでその辺は注意しましょう(他店が1円でも安ければ言ってください的な姿勢の業者ばかりではありません)。
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