2020年7月1日から大々的にスーパーやコンビニ等でレジ袋が有料化され、私自身もエコバッグを持ち歩くようになりました。
それから3ヶ月経った今、ようやく買い物をしていて「あ、エコバッグ持ってくるの忘れた!」なんてことも大幅に少なくなり、徐々にレジ袋を買わない生活に慣れてきたように思います。
そしてこれまでに家にストックしていたレジ袋がいよいよ少なくなりはじめ、家中のゴミ箱に設置するビニール袋の不足にあえいでいる次第です。
今回は「レジ袋の有料化に慣れてきて思ったこと|レジ袋の有料化って意味ある?」というテーマで、私なりに思っていることを書いていきたいと思います。
レジ袋有料化に対するモヤモヤ
結局、レジ袋は買ってもいいの?何なの?
私はどちらかと言えば貧乏側に属している人間ですが、有料化そのものに関して多少は嫌だなぁという感情はあれど、そこまで文句を言うつもりはありません。
「必要なら5円くらいで買えるんだろうし、エコバッグ持ち歩けばいいんでしょ?」という感じです。ただし、これまで無料で貰えていたものが有料になったとなれば、面白くないと感じる気持ちはもちろんあります。
各マスコミの報道を見ていると、「エコバッグを利用する人が増えて、お店のカゴを盗む人が増えた」とか「万引きが増えた」みたいに報じていて、何となくですが「すべての始まりはレジ袋の有料化であり、レジ袋の有料化こそが諸悪の根源である!」みたいな感じで、レジ袋の有料化に不満をもっている人たちを煽っているような気がしました。
そんな感じで煽られている人の中には「そもそも有料化されたって、どうせ別でゴミ袋は買うことになるんだし、トータルのプラスチックごみ量は減らないよ(だから有料化は意味ないし、愚策である)」みたいに声を挙げている人が多いように感じます。
私が感じているのは、意味が無いとかそういうことじゃなくて「レジ袋を購入することや使用量を減らさないというライフスタイルは悪じゃないの?」という部分です。
プラスチックごみを減らすことが目的なら、レジ袋を買うことは悪なのでは?
個人的に「プラスチックごみを減らす」という目的の矛先がレジ袋に向いたことが、そもそも理解できないポイントでもあるのですが、ここはまぁ「小さなことからコツコツと…」という意味であると納得しましょう。本当は「本気でやるならペットボトルとかの方がいいんじゃね?」とは思うけど。
ただ、プラスチックごみを減らすという目標がありながらも「有料だけど欲しい人には売ります」という制度が、なんだかモヤッとするんです。だってプラスチックごみを減らしたいんでしょ?売るのやめたら?
もしくは「レジ袋を買う行為=とても恥ずかしいこと」くらいにしていかないと、レジ袋を買う人はゼロにはならないし、劇的に減るってことも無いんじゃないかと思ってます。
私みたいに「レジ袋は家のゴミ箱に設置して、再利用している」という人は、たぶん日本中に山ほどいると思うんです。で、そういう人たちの多くは手元に今までの分をストックしていて、無くなった人からホームセンターとかでレジ袋の代替品になりそうなビニール袋を買ってるんじゃないかなぁと。
それを考えたら「レジ袋有料化=意味がない」と言う人の気持ちも理解できます。だってトータルのプラスチックごみ量は減ってないんですから。そこで個人的には、それを意味がないことにしないためにも「ビニール袋を買う奴はもうとんでもない悪人だ!」くらいにしてほしいんです。
環境省のレジ袋有料化に関するサイトを見てみた
人口的にも中国がぶっちぎりでトップだと思っていたので、このようなランキングが掲載されていたのは意外でした。でも「これって素直に受け取っていいんだろうか?」とも思います。
例えば、黄色マーカーで「日本は2番目にプラごみが多い」みたいに強調されていますが、実際のグラフを見ると「一人当たりのプラスチック容器包装の廃棄量」と書かれています。レジ袋とかペットボトルって、プラスチック容器包装なんですかね。
分かりやすく「プラスチックごみ」と書いてほしいものですが、そもそもプラスチックごみのランキングじゃなく、そう思わせるためのランキングという可能性もありますし…。
日本では、国民ひとり1日1枚使っていると言われていて、一人ひとりが意識してレジ袋使用量を減らしていくことは、確実にプラスチックごみ削減につながります。
2020年3月時点では、レジ袋をもらわない人は約3割でした (※) 。「みんなで減らそうレジ袋チャレンジ」では、これを6割まで倍増することを目指します。
また、日本におけるレジ袋は、国内で使用されるプラスチック全体のうち数%です。まずは身近なレジ袋から取り組み、そのアクションを他のプラスチックごみの削減に広げていきましょう。
レジ袋をもらわない人を6割に増やせれば、それで満足なの?
思わず「えぇっ!?」ってなってしまいました。トータルのプラスチックごみ量を減らすことが目的なのではなく、当面は「レジ袋をもらわない人を6割にすること」が目標だそうです。
なんか言葉遊びをされているような気になってきます。何て言うんでしょう。「高齢化社会を防止するために、お年寄りを減らす!」みたいな感じって言うのかな。「いやいや、子供増やす方向で調整してよ!」みたいな。
まぁ最終的にはプラスチックごみの削減に広げていくということみたいなんで、最初の一歩としてまずはレジ袋をもらわない人を増やそうってことなんだと思うことにします。
その後で「百均やホームセンターのレジ袋に高い税金をかける」とか「スーパーのレジ袋の単価をもっと上げる」とか。そういう方向に切り込んでいくことで、少しずつプラスチック袋の消費量を減らしていこうって考えなのかもしれません。
レジ袋の有料化に慣れてきて思ったこと
ティッシュは箱を買えばいいの?プラスチックがいいの?
環境問題は年々大きくなってきていて、未来に押し付けるだけじゃなくて自分たちも真剣に考えていかなきゃいけない問題だと理解しています。だから「プラごみの量を減らしましょう」という明確な目標があるなら、それに協力しようという考えです。
ただ、どうもプラごみを減らしたいという意図が見えてこないんですよね。私の性格が悪いからなのか、今回のレジ袋の有料化はもっと別の意図があるような気がするんです。
プラごみを減らすためになぜペットボトルとかじゃなくてレジ袋が対象になったのか。レジ袋を買わなくても、その分を百均とかで買うようになったらトータルのプラごみ量が減らないなんてことは、多くの人が引っかかる部分と言えます。
そもそもレジ袋の有料化って、本気でプラごみを削減するつもりで考えられた政策なの?
かつて「割り箸を使うことが森林伐採に繋がる!」みたいに言われ、その時もエコに対して煽りがあったと記憶しています。そうやって言われたら「じゃあ箱ティッシュじゃなくて、プラのソフトケースにしよう」って思うじゃないですか。
今、まさにティッシュはどっちを買えばいいのか、私は大きな岐路に立たされている気持ちでいっぱいです。レジ袋有料化に踏み切った人たちが真剣に考えていないとすれば、ティッシュは箱とプラどっちがいいかで真剣に悩んでいる私は、心の底から情けなくなってしまうのですが…。
国民を試してませんか?
これは私の勝手な想像なのですが、こんなに意味がないと叩かれるようなことを真剣にやろうとするとは考えにくいです。だから「レジ袋の有料化は建前で、なにかをカムフラージュしているのでは?」と感じています。
例えば軽減税率なんてものを採用した時にも感じたのですが、国民の方から「もう分かりにくいから一律10%にしてくれ!」と言い出すのを待つための策というか何というか。
レジ袋の有料化に関しても「環境問題と言えば、どれくらい国民は協力するか」を見ているんじゃないかと思ったりします。環境を守るためって言っておけば国民はそこまで反発しないってデータが取れれば、ゆくゆくは環境税の範囲を国民の生活レベルに浸透させたりできそうですし。
最後に
こないだ全国チェーンのたこ焼き屋さんに行ったんですけど、マイバッグに舟を入れようとしたら、プラケースとレジ袋を無料で付けてくれました。
「…企業側はレジ袋も無料にしようと思ったらできんの?」っていう意味でも、なんかモヤモヤ。