私が好きで読んでいる漫画の1つに「不能犯」という作品があります。これが2018年に松坂桃李さん、沢尻エリカさんの主演で実写映画化されました。
個人的にはCGを多用するようなバトル漫画と違って、実写化とそこまで相性が悪いような気がしなかったので、遅ればせながら2020年にU-NEXTで本作を見てみました。
以下では実写映画「不能犯」を見た感想・レビューをネタバレなしでご紹介したいと思います。本作に興味があってまだ見ていないという方は、よければ参考にしてみてください。
不能犯ってどんな物語?
宇相吹正は、とある電話ボックスに依頼人が殺して欲しい相手の連絡先と理由を書いた手紙を貼ると、完璧に始末してくれる事から、SNS上では「電話ボックスの男」と呼ばれていた。彼の犯行は、マインドコントロールによって精神的に追い詰め、自殺を実行させるものであり、警察では実証出来ない事から「不能犯」と呼ばれていた。
直接手を下したわけではなく、被害者が「自分の勝手な思い込みで死んだ」という場合、それを仕向けた人間は殺人犯かどうかという感じのお話です。
例えば「普通に美味しいと思いながら飲んでいた水に、実は毒が入れられていたと嘘を教えられ、実際にはただの水であったにも関わらず、水を飲んだ人間が体調を壊してしまう」みたいな。
こういう手口で人を殺しまくっているのが松坂桃李さん演じる主人公。まぁ殺しまくっているとは言っても、実際には「誰かに依頼されて、それを請け負っているだけ」ですが。
そしてその魔の手は、警察関係者にまで及びます。警察は彼を逮捕したいと考えるのですが、毒物が検出されるわけでもないので逮捕はできません。
妬みや恨みが原因で「あいつを殺したい」と思う人物が出る。そういう人が、彼に殺人を依頼する。彼はマインドコントロールで洗脳をしてターゲットを殺す。警察は彼を逮捕したいが証拠がない。
「…果たして警察は彼を逮捕できるのか?」みたいな感じでしょうか。
本作は2018年に実写化された作品で、元々はグランドジャンプにて連載されている漫画作品です。実写化は松坂桃李さん、沢尻エリカさんの主演となっています。
実写版「不能犯」の感想・レビュー(ネタバレなし)
原作漫画のイメージは崩壊しない
最近は漫画が原作で実写化される映画やドラマが馬鹿みたいに多いですが、その多くに批判的な意見が寄せられています。個人的には原作厨と呼ばれる人間にはなりたくないと思っているものの、原作が好きで見た実写作品があまりにも酷いデキだと、酷評したくなってしまうんですよね。
そんな私が不能犯の実写映画を見て思ったのは、「これは原作ファンでも問題なく楽しめるのでは?」という点です。主演の松坂桃李さん、ちょっと優しい雰囲気が漂うイケメン俳優さんですが、本作の主人公の不気味な雰囲気がしっかりと表現できています。
私が実写映画化、実写ドラマ化を批判する場合は、「実写が入り口だった場合に、その視聴者がもう原作に興味を持たないのでは?」と感じる時が多いのですが、本作は実写化から入ったとしても「漫画も読んでみようかな?」と思えるはずです。
各キャストの演技力も〇
前項の松坂桃李さんの話もそうですが、基本的に「役者」が揃ってます。僕が見る限り、ひどい大根役者みたいな人はいませんでした。
そして何と言っても注目株は沢尻エリカさんではないでしょうか。彼女は本作の公開後、2019年に違法薬物で緊急逮捕されましたが、後に「何年も前から使用していた」と語っていることから、本作の撮影中も使用していた可能性があります。
作中では「相手をマインドコントロールで殺す」という描写を再現するのに、主に「虫や毒物の幻覚を見る/腕がはれ上がっている幻覚を見る」など、ちょっとした薬物中毒者の症状と通ずるものがあるように感じました。
考え自体はちょっとゲスイけど、沢尻さんがどんな気持ちで本作に臨んだのかとか、そういう部分を考えながら見ると二度おいしい作品かもしれません。
殺人犯のダークヒーロー感
殺人依頼をする側と、それを実行する側、そして殺される側。1つ1つのエピソードは非常に短い時間ながらも、見せ方が上手いせいかスーッと入ってきます。
例えば自分にも「あいつ死ねばいいのに」と思う人間がいたら、そいつがいなくなることで自分には幸福が訪れるような気がするじゃないですか?でも、実際にはそんな簡単な問題じゃないんだろうなぁという奇妙な感じが堪能できます。
何より「どんな理由があっても人を殺してはいけない」という理屈は分かるし、でも「殺したくなるほど嫌なヤツがいる」という気持ちも理解できるわけで…。
そして殺人を請け負った側は逮捕されることはなく、殺人を依頼した側が不幸になるという展開も大きな見所の1つと言えるでしょう。
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