負けられない心理戦を描いた漫画が見たければカイジを読め!

マンガが非常に好きでありとあらゆるマンガを読んでいるのですが、普通のマンガとは一風かけ離れた心理戦を描いたマンガがあります。ご存知の方も多いと思いますが、今回ご紹介したいのはカイジシリーズです。作者の福本伸行先生が描くマンガは、心理描写という点に置いて他のマンガでは感じられないベクトルのスリルを体験させてくれます。特にカイジは人間の不安や焦りの表現が秀逸で、一度読んでしまったらカイジワールドに引きこまれてしまうこと間違いなし。

時にはスリルが加速しすぎて「黙って見ていられないような残酷な描写」もあったりするのですが、それすらも軽く中毒になってしまうくらいの魅力があるんです。賭けるお金が無いからって自分の目だの耳だの賭けるなんて完全にぶっ飛んでるでしょ。でもそれが堪らなく面白いんです。そこで今回は白熱したギャンブルの戦いが見たい人におすすめしたい「カイジシリーズ作品」を紹介したいと思います

ストーリーの核心部分はもちろん、なるべくネタバレしないように配慮してありますが若干の内容は明かされているのであらかじめご了承ください。

目次

カイジの魅力

主人公の伊藤開司という男

カイジシリーズの主人公は伊藤開司という1人の若者なのですが、他の心理戦を描くマンガと大きく異なるのが「主人公がクズ人間」という点です。クズ人間と言うのは言葉の使い方として語弊があるかもしれませんが、マンガの主人公としては他にはないキャラクターと言えるでしょう。

主人公がスーパーマンじゃないというだけでも異端なマンガだと思います。もちろん窮地に追い込まれた際の発想などは常人のそれとは比較にならないのですが、通常の心理戦を描いたマンガとは違って天才の意味が違うと言うんでしょうか。「背負った借金をギャンブルで返すしかない!」という発想が、もはや危険すごいですよね。褒められた人間像ではありませんが、見ている人を惹きつける魅力があることは間違いないです。

ギャンブル対決の全てがまさに命賭け

賭博堕天録カイジ 第8巻

仮にギャンブルで数千万~1億円が得られる勝負をする場合、同等の金額が賭けられるのであれば問題ありませんが、そうでもない場合は何を賭けることになるのでしょうか。カイジの作中には想像するだけでも痛々しく、でも徐々に引きこまれてしまう描写がいくつもあります。誰もが幼少の頃、口にしたことがある「命を賭ける」という行為を大人になってもやっているのがカイジです。

感情移入してしまうと病みつきになる恐怖と言うか「目を覆いたくなるようで、でも読まなければ気が済まない」という不思議な感覚へと誘われることでしょう。時には「一思いにやるのではなく段階を踏んで奪う」という場面もあったりして、恐らく自分の立場だったら「冷静な判断とかできないだろうなぁ」と思う要素も魅力の1つです。

数々のイカサマ

賭博破戒録カイジ 第4巻

基本的にカイジからイカサマを仕掛けることは少なく、どちらかと言うと「相手がしているイカサマを見抜き、逆にそれを利用する」という展開が多いように思えます。気の遠くなるような金額を賭けた勝負をしている際中にも関わらず、カイジは「場の違和感のようなものに対しての嗅覚」が非常に鋭く、相手の罠にハマりかけたところを間一髪で抜け出したりするんですよね。

よくありがちな心理戦を描いたマンガであれば、主人公が相手の罠にかかることはありません。あったとしても「わざと引っ掛かっている」という展開が多いのにも関わらず、カイジは本気で引っかかって本気で焦ります。そんな九死に一生を得る展開は、他のギャンブル漫画には無い魅力です。

カイジシリーズを徹底的に紹介

賭博黙示録カイジ(全13巻)

著:福本 伸行
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ここからカイジの物語は始まります。藤原竜也さん主演で映画化もされたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。扱われているギャンブルがジャンケンやカードゲームなので勝負の内容もわかりやすく、それでいて戦略の深さやカイジの洞察力の鋭さを感じられる作品です。

シンプルなゲーム内容だからこそ、そのゲームにおける突破口もシンプルなのに普通じゃ思い付かないという秀逸な着眼点が見所です。この手の作品では捻り過ぎるあまり読者に伝わらないということも少なくありませんが、賭博黙示録カイジに登場するギャンブルは良い意味で単純なルールなので誰でも楽しみやすい内容になっています。

関連:「賭博黙示録カイジ」の魅力や面白さをネタバレ無しで紹介する

賭博破戒録カイジ(全13巻)

著:福本 伸行
¥396 (2021/07/18 00:40時点 | Amazon調べ)

賭博黙示録カイジの後の話です。「命が助かっただけでも儲けもの」という窮地の連続から抜け出したのにも関わらず、カイジはまた裏ギャンブルの世界へと足を踏み入れます。今作の相手の出し抜き方は非常に秀逸です。前作以上のスケールの大きな展開に息を飲むことになるでしょう。

私にとって本作で描かれている「沼攻略」が、カイジシリーズの中で最も好きなストーリーかもしれません。とにかく下準備から何から、頭1つ飛びぬけていると思います。賭博黙示録カイジを読んでいなくても楽しめるかと思いますが、細かい背景などがわからないと完全に楽しむことは難しいので、できれば前作から読むことをおすすめします。

関連:「賭博破戒録カイジ」の魅力や面白さをネタバレ無しで紹介する

賭博堕天録カイジ(全13巻)

著:福本 伸行
¥396 (2021/07/18 00:43時点 | Amazon調べ)

最初から最後まで1つの麻雀対決です。17歩と呼ばれる特殊なルールの麻雀における駆け引きは、麻雀ならでの読み合いが随所に出てきます。麻雀が好きな人は心から楽しめる展開なのではないでしょうか。今回の相手のイカサマ内容はまさに驚愕、それを対戦中に気付いたカイジが取った対策もまさに秀逸です。

物語の終わり方は次回作への序章も兼ねており、今後の展開がますます気になるフィナーレを迎えたと言っても過言ではありません。ただ、麻雀の基本的なルールを知らないと全く面白くないと思われるので、そこだけが唯一残念ですかね。読む人を選んでしまうのでそこだけは注意が必要です。

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最後に

私の周りには「絵が好きじゃない」という理由でカイジを敬遠している人もいましたが、一度読んでみたらどっぷりとカイジワールドに引きこまれていました。パチンコや競馬などのギャンブルが好きな人はもちろんですが、ギャンブルをしない方でも楽しめるのがカイジです(賭博堕天録だけは麻雀の知識が必要ですが)。

人間の裏の心理なんかも垣間見えますし、命を賭けるという展開は心拍数がグッと上がるに違いありません。まだ読んでいないという人は是非ともチェックしてみてください。

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