いつの時代も心を揺さぶられるのはスポーツ漫画です。様々な切り口から多くの名作とも言えるスポーツ漫画が誕生してきましたが、その勢いは衰えることなく、未だに多くの名作が誕生していると言っても過言ではありません。
今回は数多くのマンガを読んできた私が、今まで読んできたスポーツ漫画をサッカー、野球、バスケ、バレー、テニス、格闘技などジャンル毎に厳選して、あえてランキング形式にはせずに紹介したいと思います。
面白くておすすめのサッカー漫画
アオアシ
愛媛に暮らす中学三年生・青井葦人(あおいアシト)。粗削りながら、強烈なサッカーの才能を秘めているアシトだったが、まっすぐすぎる性格が災いして、大きな挫折を経験することに――― そんなアシトの前に、東京にある強豪Jクラブ「東京シティ・エスペリオン」のユースチーム監督・福田達也(ふくだたつや)が現れる。アシトの無限の可能性を見抜いた福田は、東京で開催される自チームのセレクションを受けるよう勧めて!? 将来、日本のサッカーに革命を起こすことになる少年の運命は、ここから急速に回り始める!!
ユースのサッカーにスポットが当たっているサッカー漫画ってだけでも興味深いのですが、絵も綺麗で読みやすいですし、主人公が持ってる熱量もアツくていいですね。やはり多少の人間臭さがある主人公でないと。
主人公は傲慢な俺様ストライカーかと思いきや、フィールドのすべてを見ている視野の広さが武器というアプローチも面白いです。困難にぶつかっても努力と持ち前の明るさを持って立ち向かう姿は、素直に応援したくなります。
主人公も愛されキャラですし、練習で成長していく姿が見て取れるので読んでいて気持ちがいいです。今後ますます面白くなっていくであろうサッカー漫画と言って間違いなし。
フットボールネーション
サッカー雑誌の女性カメラマン・緒形は、ある時、アマチーム「東京クルセイド」の取材を命じられる。そのチームの選手応募要項は「脚のきれいな選手求む!」…ふざけたチームだと、しぶしぶ河川敷に出かけた緒形だったが、そのチームとは別に、ある才能に出会う!河川敷を根城に、草サッカーチームの助っ人をしている“ジョーカー”こと沖千尋だった。その才能に目をつけた「東京クルセイド」の監督も、千尋をチームの助っ人として依頼する。「パスミスになるけど…」―全力でやるように監督に言われた千尋は、大胆な発言をする。初めは宣言通りパスミスを繰り返していた千尋だが、チームメイトが彼の実力を認め、彼の意図通りに走り出したらパスが面白いようにつながるようになる。これだけの才能がなぜ、今まで埋もれていたのか?試合後、チームメイトの誰もがそう思いつつも、千尋をチームに迎え入れようとする。だが、当の千尋がそれを拒否!今をときめく高校現役Jリーガー、一ノ瀬迅とも浅からぬ因縁がありそうな千尋、彼の正体は一体…!?また、「東京クルセイド」監督が求める「脚のきれいな選手~」の真意とは!?
熱量だけで言えば間違いなく低い作品だと思います。ガンガン引き込まれていくというよりも、むしろ淡々と読まされるという表現に近いかもしれません。それでもサッカーが好きな人なら引き付けられる魅力に溢れているサッカー漫画です。
作品の内容紹介の「脚の綺麗な選手求む」という言葉にもあるように、今までのサッカー漫画とは根本的に視点が違う作品と言えるでしょう。科学的なことも書かれているので「リアル志向のスポーツ漫画が読みたい!」という方におすすめします。
GIANT KILLING
本当にいい監督はゲームを面白くしてくれる!達海猛(たつみ・たけし)、35歳、イングランド帰りのサッカー監督。好物は大物喰いの大番狂わせ=GIANTKILLING(ジャイアント・キリング)!!東京下町の弱小プロサッカークラブ、ETU(イースト・トーキョー・ユナイテッド)の監督に就任した達海が、意表をつく戦略とカリスマ性で、負け癖のついてしまった選手、スタッフ、そしてサポーターたちにパワーをくれる!『U-31』原作者と俊英がタッグを組んだ、これがフットボール漫画の新スタンダード!!
弱小プロサッカークラブETUの監督に就任した達海が、次々とGIANT KILLING(弱者が強者を打ち負かす)を巻き起こします。卓越した観察力を武器に相手の意表を突く戦略と、大きな戦力差をひっくり返していくその姿はまさに圧巻と言えるでしょう。
ハラハラ・ワクワクさせるような描写が秀逸に描かれている、最高峰のサッカー漫画の一つと言っても過言ではありません。どちらかと言えばやや大人向けのマンガだと思いますが、サッカーファンやサッカーを楽しみたい人なら必読の一作です。
BE BLUES!~青になれ~
日本人に生まれたら、サッカーをやっているなら…日本代表のユニフォームを手に入れたい!誰だってそうだろ!一条龍は、本気で日本代表になることを夢みているサッカー少年だ。幼なじみの双子・優人と優希といっしょに、まずは全国少年サッカー大会で優勝を目指す!!1対1の躍動感!ゴール前の緊迫感!絶妙の連携プレーを成功させたときの高揚感!サッカーの醍醐味がここにある。本格サッカー大河ロマン堂々開幕!!
最初は「サッカーに一途な少年を中心とした、ありがちな青春スポーツ漫画」だと思っていましたが、それは大きな間違いでした。スポーツに懸ける熱量もさることながら本作品には多くの困難が描かれていて、一言で言い表すなら重いと言うんでしょうか・・・。
通常のスポーツ漫画とは困難のベクトルが少し違うような気もするのですが、それも本作品の魅力の一つなんですよね。「闇の部分が暗ければ暗いほど光もまた輝く」というような、魅せ方が非常に上手い作品です。
DAYS(全43巻)
少年たちは全力で、笑い、泣き、走る!!心をジンジン刺激する!激熱サッカー漫画!!――何のとりえもない、特技もない。けれど人知れず、熱い心を秘めた少年・柄本(つかもと)つくし。孤独なサッカーの天才・風間陣(かざま・じん)。嵐の夜、交わるはずのないふたりが出会ったとき、高校サッカーに旋風を巻き起こす、灼熱、感動、奇跡の物語が幕を開ける!!
サッカーの初心者である主人公が、今まで経験したことのない部活動の場で一生懸命サッカーに取り組む姿を描いた青春スポーツ漫画です。特筆すべきは主人公に嫌味がないという点でしょうか。サッカー漫画において我が強くない主人公ってあまりいないので、それが非常に新鮮ですね。
Kindleレビューでは「雰囲気スポーツ漫画」や「薄っぺらい無茶なスポーツ漫画」という辛辣な意見も並べられていますが、基本的には努力は必ず報われるという流れのサッカー漫画なので、現役のサッカー少年におすすめしたい作品だと言えるでしょう。
良くも悪くも「やっぱマンガだなぁ」と思ってしまう内容ですが、主人公を応援せずにはいられません。
ANGEL VOICE(全40巻)
ケンカだったらレアル相手でも楽勝!!腕に覚えのある“ワル”が集まり、“県内最強軍団”と皮肉られる市立蘭山高校サッカー部。その奇跡の物語が始まる。熱き心を取り戻せ!!本格高校サッカー巨編!!
「ケンカでだったらバルセロナやレアル相手でも楽勝だろう!!」から始まる、喧嘩最強で素行が良いとは言い難い面々が登場する前代未聞のサッカー漫画です。不良少年がスポーツに目覚めるという一種のありがちな展開のようにも思えますが、それぞれのキャラクターの個性も良く、その世界観は唯一無二と言っても過言ではありません。
やっぱ不良が登場人物ってことで熱量は相当なものです。譲れない気迫みたいなものも感じますし、とにかく熱いサッカー漫画が読みたいという人には文句無しにおすすめです。監督の人間性やチームメイト同士のドラマなど見所はたっぷりあるので、読んだことがない方には是非とも読んで欲しいと思います。
さよならフットボール(全2巻)
体格に勝る男子と交じり、ひたむきにボールを追う。誰よりも理想のフットボールを求め、試合に出ることを渇望する少女、恩田希。14歳の少女の青春は、ある一人の少年との「再会」によって加速する――
私は女子サッカーに全くと言っていいほど興味が無かったのですが、本作品を読んでからは「女子サッカーも面白そう!」という考えに変わりました。
「なんで私は女の子なんだろう」的なスタートに始まり、そこはやや既出感があるものの、主人公がいたずらに男勝りなプレイヤーというわけでもなく、読んでいて応援したくなってきます。幼少の頃にいつも一緒にボールを蹴っていた男子たちが、どんどん大きくなっていくことに対する葛藤などのドラマも見逃せません。
さよなら私のクラマー(全14巻)
中学時代輝くことなく終わったウイング、周防(すおう)すみれは、ライバルである曽志崎緑(そしざき・みどり)から誘いを受ける。「一緒のチームに行こうよ、一人になんてさせないから」。そんな真摯な言葉に、周防が出した答えは……。たくさんの個性豊かな選手が集まり、今物語の幕が開く!!
前項で紹介した「さよならフットボール」の続編です。前作は中学校サッカーを舞台に、一人の天才サッカー少女が男子とのフィジカルの差に悪戦苦闘しながらも戦い抜くという熱い物語でした。
そして本作は舞台を高校に移し、女子サッカーの物語になっています。色んなタイプの天才プレイヤーが登場し、主役級の選手が何人もいるんですが、特筆すべきは前作の主人公も部員の一人として登場するという点でしょう。
前作のファンならワクワクが止まらない展開になるでしょうし、サッカー面だけじゃなく人間ドラマや青春時代の1ページとしても見応えたっぷりなサッカー漫画です。
ファンタジスタ(全25巻)
九州の小島から、サッカー選手を夢みて一人の少年がやってきた。名門ACミランのスカウトさえ虜にした彼の名は…坂本轍平!都立水本高校サッカー部は、坂本琴音という女性監督率いる弱小チーム。彼らの今日の対戦相手は、強豪・帝東高校だ。スター選手ぞろいの帝東高校相手に善戦する水本高校だが、先制点を入れられた途端、集中力を失ってしまう。そこへ、遅れてやって来た坂本轍平が加わり、瞬く間に同点ゴールを決めた!!
ありがちなスポ根マンガでもなければ、魔法みたいな技も出てきません。純粋なサッカー漫画として非常にクオリティーの高い作品だと思います。
それでいて少年漫画としての読み応えもあり、子供がサッカーをやっていたらぜひ読ませたいマンガの一つです。サッカー理論も織り交ぜながら楽しく読めるのは本作の醍醐味と言えるでしょう。徐々に大きくなっていく舞台も非常に大きな魅力です。
ホイッスル(全15巻)
サッカーの名門校で、背が小さいだけで3軍補欠だった風祭。サッカーを諦めたくない風祭は桜上水へ転校する。だが名門校でレギュラーだったと勘違いされ…。
努力・友情・勝利がすべて織り込まれていて、良くも悪くも少年向けのサッカー漫画という立ち位置でしょう。爽やかさと成長の加速度がハンパ無い。
キャラクターの魅力や仲間との絆など、サッカー漫画として秀でている部分も多いので、総合的には面白い作品だと思います。人によって評価が大きく分かれすぎているというのも面白いんですが、個人的にはこの疾走感が結構好きです。
1/11 じゅういちぶんのいち(全9巻)
自分の才能に限界を感じ、中学卒業と共にサッカーを辞めた安藤ソラ。しかし、女子日本代表・若宮四季との出会いが、心の奥底に眠っていた何かを衝き動かした――。清新な筆致で描かれる、ソラを巡る様々な人間模様――
「こんなマンガは見たことがない!」と思うくらい、色んな意味で衝撃的なサッカー漫画でした。サッカー漫画というよりは、サッカーを通じて描かれる人間ドラマに近いかもしれません。主人公をとりまく仲間たちが、それぞれの視点で物語を進めていく1話完結型の作品です。
非常にテンポ良く話が進んでいくのも魅力的で、読み始めたら止め時を見失ってしまうほど。ここまで夢中にさせられると、いつ読むのを中断してもいいはずのオムニバス形式があだになっているような気も(もちろん良い意味です)。
サッカーを知っていなくても普通に楽しめると思いますし、何よりも男女問わず堪能できるマンガと言えるでしょう。
面白くておすすめの野球マンガ
バトルスタディーズ
「強育」は愛、栄光への通過儀礼。生きる術は全て「PL野球部」で学んだ。18人で天下を獲ろう。俺たちの前に、道はできる。元PL球児が描く超リアル高校野球漫画!
野球の場面といい普段の寮生活といい、甲子園の名門校ならではの厳しい上下関係や、それを取り巻く環境など…全てが新しい野球漫画です。かつて野球の超名門校だったPL高校が舞台になっているようです。
「悪しき風習」と捉えるか「体育会系ならではの習慣」と捉えるかは人それぞれでしょうが、高校野球経験者はもちろん、運動部に所属していた方なら共感できる部分も多いでしょう。
私自身、かつてのPL常勝時代を支えた名選手が「当時はこんなことが辛かった」と語っているようなバラエティ番組が好きなのですが、そういうのが好きな人なら文句無しに楽しめます。
BUNGO―ブンゴ―
不器用ながらも努力家で熱血的な主人公が、徐々に成長していく姿が大きな見所の野球漫画と言っていいでしょう。生まれ持った才能というよりは反復練習で身に付けた武器という意味合いが強いので、ちょっとアクの強い主人公なのにも関わらず嫌味がありません。
「最強の素人」から主人公がどう成長していくかのプロセスが非常に面白い作品だと思います。絵もすごく綺麗なので野球シーンの迫力も最高です。
おおきく振りかぶって
県外の高校に進学した卑屈で弱気なピッチャー・三橋廉(みはし・れん)。見学するだけと訪れたものの強引に入部させられたのは、全員1年生(くせ者揃い)に女監督(コワイ)という創設まもない野球部だった!オレらのエースは暗くて卑屈。勝つために、弱気なエースのために。行け、オレら!読むとためになり、しかも血沸き肉躍り涙する。絶対に面白い本格高校野球漫画!
私にとって、絵の感じが好きになれずに敬遠していた野球漫画です。しかし読むと分かりますが、内容は極めて濃密なものとなっています。1試合1試合がすごく丁寧に描かれていて「作者の方は本当に野球が好きなんだろうなぁ」と感じました。
あと試合以外の場面も丁寧に描かれているのが好印象です。弱気なエースというのも珍しくてgood。よくよく考えたら絵の雰囲気ともマッチしてますし、読み進めるほど面白くなる野球漫画と言っていいでしょう。
ラストイニング(全44巻)
関東某県にある彩珠学院高校野球部は、甲子園初出場で初優勝を果たした過去がある。しかし現在は毎年1、2回戦での敗退続き。元野球部監督の狭山校長は13年前の部員で、現在は悪徳商法のかどで留置所に入っている鳩ヶ谷を訪ね、新監督に就くよう依頼するが…。1年後に甲子園出場できなければ廃部という状況下、「さわやか・ひたむき・正々堂々」を廃した常識ハズレのチームが始動する!!
野球部の存続を賭けて甲子園出場を目指すという…これまでに何回か見たことがあるような、いわゆる「スポーツ漫画の定番と言っていい始まり方」こそするものの、中身は非常に異端な野球漫画です。
本作品は戦略に重きを置いていて、良い意味で堅実な野球漫画と言っていいでしょう。いかに頭を使うかやID野球の意味を教えてくれる作品だと思います。歴代の野球漫画の中でも引けを取らない、非常に面白い野球マンガです。
ROOKIES(全14巻)
二子玉川学園高校にやってきた新任教師・川藤幸一!その熱血漢ぶりは、担任クラスでも好感を持って受け入れられる。やがて不良の巣窟となっていた野球部再建に着手するが、猛反発する部員から、川藤が前の学校で“暴力教師”として学校を辞めた事を暴露されてしまった…!!
不良×スポーツが織りなす、笑いあり涙ありの野球漫画です。常にトラブルが絶えない野球部がひとつになっていく過程は、何かを思わずにはいられないでしょう。野球漫画としても面白いですが、何と言っても顧問と部員たちとの絆が最高です。
こんな顧問なら部活動も楽しいだろうなぁと思えますし、指導者の重要性というのが痛いほど伝わってくる作品です。時代を代表する名作野球マンガと言っても過言ではないと思います。最後のフィナーレは涙なしでは語れません・・・あの終わりかたはずるいって。
WILD PITCH!!!(全16巻)
高校3年の夏、県大会予選決勝。ドラフト1位候補の大本命を擁する大本命校に待ったをかけるべく立ちはだかるのは伏兵校の無名左腕・城戸拓馬(きど・たくま)!! 上背こそないものの、左打者を幻惑する大きなカーブと抜群のマウンド度胸、そして何より華がある!! なるか大番狂わせ!? 18歳の暴れ馬が新ヒーローへと駆け上がる!!
多くの野球マンガは甲子園での活躍にスポットが当てられていたり、プロならプロに特化した作品が多いのですが、本作品はなんと高校野球に始まり、独立リーグを経てプロ野球に参戦する流れを描いた野球マンガの中でも異端的な存在の作品です。
最初は独立リーグという独特な視点から描かれていて、非常に面白みのある野球マンガでした。ストーリーが進むにつれて、良くも悪くもよくある感じのプロ野球マンガとなっていきます。個人的には独立リーグの空気感やトライアウトの厳しさみたいなものをもっと見ていたかった気もしましたが、ラストイニングを描いた中原先生の手腕に期待している作品です。
残念ながら打ち切り(?)で、これから盛り上がりそうって時に終わってしまいました。最初は面白かったんですけど、途中ちょっと伸び悩んだ感があったのが残念です。
ダイヤのA(全47巻)
中学全国大会を目標としていた沢村栄純(さわむら・えいじゅん)。最後の大会は自らの暴投で敗退してしまう。仲間とともに高校でリベンジを誓うなか、名門、青道高校野球部からスカウトが来る。見学に訪れた沢村は、いきなりエリート校の洗礼を受けることに!名キャッチャーの呼び声高い御幸一也(みゆき・かずや)との出会いが沢村の高校野球への情熱を目覚めさせる!!
どちらかというと友情に重きを置いた野球漫画で、粗削りながらもダイヤの原石とも呼べる才能を持った主人公が、名門高校に入学して甲子園を目指す姿が眩しいくらいに描かれています。他の野球漫画と大きく異なるのは「主人公がべらぼうに強いわけではない」という点と「名門高校で甲子園を目指す」という点です。
これまでに多かったのは弱小高校を主人公の力によって盛り上げていくというタイプだったので、名門高校の中で勝ち抜いていくというパターンは斬新だったような気がします。所々に登場するギャグ要素や萌えキャラのような登場人物については賛否両論ありそうですが、細かい絵のタッチも綺麗で非常に読みやすい野球漫画です。
物語は続編「ダイヤのA act2」へと続きます。
グラゼニ(全17巻)
グラゼニ=“グラウンドには銭が埋まっている”!!下は240万円から、上は数億まで。格付けが、年俸によって完全に決められている超格差社会・プロ野球。凡田夏之介(ぼんだ・なつのすけ)は高卒でプロ入りした8年目の中継ぎ投手。左腕でサイドスローという一風変わった武器と、全球団の1軍選手の年俸をソラで言えるという不思議な特技で、厳しい世界を必死でサバイバる!
文字通り「銭(ゼニ)」に重きを置いたストーリーの野球漫画です。「実際のプロ野球選手も、少なからずこういうことを考えるんだろうか」と非常に気になってしまいます。シビアな世界観から繰り広げられる展開は、非常にそそられる魅力を持っていると言っても過言ではありません。「金、金」言うわりには嫌らしさの無いマンガです。
主人公が中継ぎ投手というのも面白くていいですね。作者の方のマニアックな視点が垣間見れて、思わず笑みがこぼれてしまいました。プロ野球選手のあまり見えてこない部分を覗きたいという人におすすめのビジネス系野球マンガです。
移籍後の物語が「グラゼニ~東京ドーム編~」として継続していて、さらにその後の物語として「グラゼニ~パ・リーグ編~」へと続いています。さらにスピンオフ「グラゼニ~夏之介の青春~」も要チェック!
H2(全34巻)
ライバルであり、親友でもある国見比呂と橘英雄。甲子園をめざす2人の“ヒーロー”に、ひかりと春華の想いが交錯する…。正統派スポーツ&ラブストーリー。
非常に爽やかな野球漫画で、野球部が無いというところから甲子園を目指します。軽い恋愛要素もありますが、そのバランスがまた絶妙です。中学生の頃に「春華派orひかり派」という論争をしたのが懐かしいなぁ。あだち充先生ならではの余韻を残すエンディングも健在です。
最後の最後まで比呂と英雄、2人のHEROの活躍から目が離せません。野球と爽やかな青春が見事に融合していて、間違いなく名作漫画の一つと言っていいでしょう。Kindle版がないのが残念ですが、ワイド版なら全17巻で揃います。
やったろうじゃん!!(全19巻)
創部3年目にしてベスト8入りを果たした朝霧学園野球部。しかし、のびのびと野球を楽しんでいるこのチームには、甲子園に行くための決定的な「何か」が足りなかった。ある日、そんな野球部の前に謎の新監督が現われ……!?鬼監督・喜多条を迎え、甲子園を目指す朝霧ナインが、理想と現実のギャップを克服し、高校時代の3年間を完全燃焼する姿を爽やかに描いた傑作!!
過去に甲子園優勝の経歴を持つ男がお世辞にも野球が強いとは言えない高校の監督に就任し、部員たちと一丸となって甲子園を目指していく物語です。どちらかというと理詰めで「打撃よりも守備を重んじる」という喜多条の野球論は、野球マンガのセオリーを打ち崩してくれたと言っても過言ではありません。
就任1年目は非現実的な成長を遂げるというわけでもなく、高校野球らしい勢いも感じられて本当に面白かったです。途中から世代交代を経て新たな主人公を据えて再発進しますが、個人的には第一部が大好きです。
鉄腕ガール(全9巻)
昭和20年、日本は戦争に負けました。みんな貧しかったけれど心は開放的で、世界がまだ難しくなる前、一人一人の個性を受け入れる大きさがありました。戦争に勝った国は日本に命令したんです、「今までのように女性を虐げるのはやめなさい」と。時代の波に乗って女達は動き始めました。――女子プロ野球にかける乙女達の麗しき熱闘、今、プレイボール!!
終戦直後を舞台に一人の容姿端麗な女性投手と、それを取り巻く仲間たちが繰り広げる女子プロ野球の物語です。敗戦直後の政治的な背景もありつつ、孤軍奮闘する主人公の姿が凛々しく、そして力強く描かれています。
米国との力関係にも屈しない男勝りな生き方は多くの人を魅了することでしょう。その姿は男性読者から見ても超カッコイイし、絵の雰囲気も終戦直後にマッチしていてグングン引き込まれていきます。
純粋な野球マンガって感じではなくどちらかと言うとヒューマンドラマの要素が強くて、さらには野球もビジネスライクな雰囲気がありますがちょっとダークな野球マンガとしておすすめです。
面白くておすすめのバスケットボール漫画
スラムダンク(全31巻)
中学時代、50人の女の子にフラれた桜木花道。そんな男が、進学した湘北高校で赤木晴子に一目惚れ! 「バスケットは…お好きですか?」。この一言が、ワルで名高い花道の高校生活を変えることに!!
言わずと知れた名作中の名作です。私が今まで読んだマンガの中で繰り返し読んだ回数もぶっちぎりでナンバーワンだと思います。個性あるキャラクターの数々、劇的なシナリオ、卓越した画力、どれを取っても最高峰です。バスケットボールに全く興味が無い人が読んでも楽しめる作品と言っても間違いありません。
大げさじゃなく「スラムダンクをつまらないって言う人っているの?」と思えるくらいです。これぞ鉄板!「何部に入ろうかなー」くらいの人に読ませたら、たぶんバスケ部に入ると思います。
リアル
バスケを辞めてから何もかも上手くいかなくなった男・野宮朋美。街でナンパした山下夏美をバイクに乗せ事故り、ケガを負わせてしまう。高校も辞めた野宮は、ある日、古ぼけた体育館で車いすの男・戸川清春と出会い1on1のバスケ勝負を挑む。体育館でのバスケ勝負から繋がった野宮と戸川。ひょんなことから西高バスケ部キャプテン高橋と賭けバスケ対決をすることに。結果、賭けに勝ち西高体育館の鍵をゲットする。その高橋がある日、トラックに轢かれてしまい…。
スラムダンクの作者として超有名な井上先生が描いている車椅子バスケのマンガです。こちらの作品も絵がムチャクチャ綺麗で、思わず見入ってしまいます。
障害を持った選手がバスケをする姿を描いているのですが、もはや言葉では語れません。私の語彙力では適当な言葉が思い浮かばないです。重いテーマでもスポーツの力とか生きる事に対する考えとか、そういうものがリアルになって自然と感情に訴えてくる作品だと思いました。
ただ本作も数年ぶりに最新刊が出たっていうくらいなので、物語がちゃんと完結するかどうかは不安要素かもしれません。しかしスラムダンクとは違ってこちらは電子書籍版が出ています。
あひるの空
車谷 空、15歳。身長は149cmと低めだけど、バスケが大好き! 入学したばかりの高校でもバスケ部に入部しようと張り切るものの、そこにいたのは学校をしきる凶悪な双子とその仲間達!? こんな部で、空はバスケを続けることができるのか? そして、小柄な空が魅せる大きな翼とは!?
タイトルネーミングからして非常に好きで連載開始直後からずっと読んでいますが、非常に面白いバスケ漫画だと思います。真っ直ぐすぎるくらいの主人公ですが、芯の強さや熱い気持ちなども持っていて素直に応援したくなるんですよね。
主人公の身長は低いですがそれを活かした役割や技を持っていますし、現実離れしすぎずバランスも秀逸だと思います。間違いなく良作のバスケ漫画と言っていいでしょう。
ただし電子書籍化でトラブルがあったとかアニメの演出でトラブルがあったとかで、マンガ以外の部分でも話題になったことが何度かありました。単行本も途中から表紙がなかったり、先に結末を描いてからプロセスを説明するという掟破りもしていますし、作者の日向先生が休載中のため物語も完結していないのも気になるところです。
DRAGON JAM
“ストリートから這い上がれ…!!”立花龍也(たちばなたつや)、16歳。中卒プー。金無し、未来暗し、あるのは直径24.5センチのバスケットボールただ一つ。龍也は鎌倉の海岸近くに住む少年。家庭の事情から高校への進学を断念。中卒のフリーターとして毎日を過ごす。また、ただひとつ腕に自信のあるバスケで、海水浴客に「賭けバスケ」をもちかけ、金を稼いでいた。そんなある日、“ストリートボーラー”のTJと出会い、運命の歯車が大きく回り始める…!!
いわゆる普通のバスケではなく、ストリートバスケにスポットが当てられた作品です。基本的なルールは3on3ですし、当然ながら部活動のバスケとは全く異なる作風になっています。
それでいて人との繋がりやゲーム中の躍動感、そしてバスケに対する熱量は普通のバスケ漫画に負けておらず、むしろ強いくらいかもしれません。少しLIVE感を感じる演出もカッコ良く仕上がっています。絵から鼓動を感じるバスケットボール漫画です。
黒子のバスケ(全30巻)
火神大我が入学先の誠凛高校バスケ部で出会ったのは、黒子テツヤという超地味な少年。存在感も無さ過ぎる黒子に幻滅する火神だったが、実は彼は「キセキの世代」と言われた伝説の最強チームのメンバーで…!?
「パスを得意とする地味な主人公」という設定は非常に面白かったのですが、バスケ漫画というよりはバトル要素が強いですかね。キラキラネーム満載のキャラや「四天王の中でもアイツは一番最弱・・・」みたいな流れありきで楽しめるのであれば面白く読めると思います。
途中から「路線を変えたの!?」と言うくらい方向転換したようにも思えましたが、流行るのも大いに理解できる作品です。ワクワク要素がふんだんに詰まっているバスケットボール漫画と言っていいでしょう。
I’ll(全9巻)
高校入学目前に、ある中学校で行われた3年生最後の出場となるバスケの試合。そこで二人は出会う…。バスケ一家で育った“エリート”の柊仁成と、天性の跳躍力を持つ立花茜。だが二人に共通した思いは、高校ではもうバスケはやらないということだった…。が…。
バスケットボール漫画と言うよりは「青春を感じさせるストーリー」に焦点が当てられている作品ですが、間違いなく名作の一つだと思います。奇声を上げながらバスケの試合に臨んだり、すぐにケンカが始まったりなど、ドタバタする青臭さみたいなものがありますが、それもまた良い味を出してるんですよね。
感情面の描写が巧みな本作品は、読み手の年齢によっても受け捉え方が変わる面白い作品だと思います。
面白くておすすめのバレーボール漫画
ハイキュー!!(全45巻)
おれは飛べる!!バレーボールに魅せられ、中学最初で最後の公式戦に臨んだ日向翔陽。だが、「コート上の王様」と異名を取る天才選手・影山に惨敗してしまう。リベンジを誓い烏野高校バレー部の門を叩く日向だが!?
ライバル関係にある二人の主人公のバランスが良く、それぞれが持つ才能と想いの交錯が非常にうまく描かれています。どちらも人間味があって好感が持てるのもgood。バレーボールの描写にも萎える設定のようなものがなく、安心して楽しく読み進めることができるのも良いポイントですね。
コミックスの1巻を読んだだけで「これは間違いなく面白くなるぞ!」と感じます。このままいけば、もしかすると歴代最強のバレーボール漫画になるかも。
見事に完結まで走り抜けて歴代最強のバレーボール漫画になりました。
神様のバレー
アナリスト…それは、相手チームを分析し、ベンチ外から監督に作戦を指示する“チームの黒幕”。阿月総一は実業団バレーボールチーム<日村化成ガンマンズ>のアナリスト。とあることを条件に、全日本男子バレーボール監督の座を約束される。それは、万年地区予選1回戦敗退の私立中学校男子バレー部に全国制覇させることだった!
監督(正確にはアナリスト)視点で描かれる、戦略に重きを置いたバレーボール漫画です。有名どころの名前を借りるのであれば「バレーボール版GIANT KILLING」みたいな感じ。
とびきり優れた選手がいるわけでもなく、スーパープレイが随所に見られるわけでもありません。それでも読者を惹きつける魅力があります。
自信家すぎる主人公に賛否両論ありそうですが、チームにスーパープレイヤーがいない以上、これも一つのカタチだと言えるでしょう。今後の展開が非常に楽しみな作品です。
少女ファイト
「あの日から、友達は作らないって決めたんだから」大石練(おおいしねり)・15歳。バレーボールの名門・白雲山(はくうんざん)学園中等部に在籍。練はずっと自分を抑え続けていた。小学校時代に全国大会で準優勝したチームのキャプテンであったほどの実力を隠しながら。集団スポーツの中で、自分を殺さなければいけない理由は――。それでもバレーを辞められない想いとは――!!バレーボール群像劇スタート!
大まかな流れとしては「小学校の時は一流選手だった主人公がとあることがキッカケで消極的になり、中学校では自分を押し殺してプレーするようになる」というもの。
絵はちょっとクセがありますが、バレーボールの楽しさ以上に大切なものに気付ける作品と言ってもいいかもしれません。最近、バレーボールを題材にしたマンガが急激に増えてきたような気もしますが、その中でも一際輝いている作品です。心理描写がすごい。
ハリガネサービス(全24巻)
中学バレー部ではレギュラーになれなかった下平鉋。都立豊瀬高校ではなんとかレギュラーを目指して頑張ろうとしていると、一緒に入った同級生の3人は元・中学東京選抜であった。青春高校バレーボール巨編!!
最近よく見る「俺TUEEEじゃないんだけど秀でた特化能力が一つある」という魔法系バレーボール漫画です。この物語の主人公は狙った所にサーブができます。この能力があればネットインもお手の物です。
所々に過剰な演出こそあるものの、スポーツを題材にした少年漫画らしくて面白いと思います。他の登場キャラは、良く言えば個性的(悪く言えばアクが強い)で賛否両論あるかもしれませんが、絵は普通に綺麗ですし見応えは十分。
物語は全24巻で一区切りを迎え、続編「ハリガネサービスACE」へと続きます。
アタック!!(全10巻)
県立掛川高校新入生の加藤晴鷹は入学早々、同級生の小林舞子にひと目掘れ……。バレー部マネージャーの舞子は加藤の才能を見抜き、なんとしても部員にしようと四苦八苦する。どのスポーツもかじっただけで長続きしたことの無い加藤は、果たしてバレー部の「希望の星」となれるのか!? 掛川高校バレー部の伝説がいま、幕を開ける――。
すごく熱量のある本格派バレーボール漫画で、なによりもパワーバランスが秀逸だと思います。「廃部寸前の弱小高校に所属している」「主人公が丸っきりの初心者」などの極端な初期設定でない部分に好感が持てました。
主人公は運動神経が抜群で何でもそつなくこなすため、中学の頃は引く手あまたで様々な運動部の助っ人的な存在だったのが、高校バレーにて天狗の鼻を折られてしまうというものです。恋愛要素もありますが大筋のストーリーを邪魔していませんし、人間関係を含めて熱い作品です。
面白くておすすめのテニス漫画、卓球漫画、バドミントン漫画
ベイビーステップ(全47巻)
マジメ少年+美少女×テニス=熱血スポコン!?――成績はずっとオールA!几帳面でマジメな“エーちゃん”が、ちょっぴりいい加減!?でも、テニスに懸ける情熱だけはマジメな美少女“ナツ”と出会ったことで、テニスの魅力に取りつかれて人生激変!?快感、そして悶絶のらせん……。数式じゃ表せない、衝撃的な人生の化学変化が始まった!!
本作が面白いのは「データを取って理論的に戦略を立てつつ、生真面目に反復練習をこなす」という、優等生だからこそのアプローチで成長していく点です。テニスの戦略などは丁寧に描かれており、テニスを始めたばかりに人にとって学べる部分も多いと思います。
勉強が非常にできるのにも関わらず、全然嫌味じゃない主人公にも好感が持てますし、思わず応援したくなるキャラクターというのがいいですね。月並みですが「人気があるのがメチャクチャわかるテニス漫画」と言っていいでしょう。だって、普通に面白いもん。
テニスの王子様(全42巻)
テニスの名門校・青春学園中等部に入学してきた越前リョーマ。アメリカJr.大会4連続優勝の経歴を持ち、天才少年と呼ばれるリョーマだったが、青学テニス部には、1年生は夏まで大会に出られない規則があり…!?
テニス漫画としてのトップの地位を獲得したと言っても過言ではないでしょう。萌え要素を取り込んで、実写化や舞台化など非常に上手くやったと思います。途中「どこかの戦闘民族のようなオーラを放つ描写」や「大リーグボールみたいな必殺技の数々」に驚かされますが、これはこれでウケるのかなぁなんて思ったりもして。
絵は非常に綺麗で個性的なキャラクターも魅力に溢れています。色んな意味で面白いテニス漫画でした。・・・いや、もしかすると魔法系テニス漫画、テニス系バトル漫画かもしれない。続編として「新テニスの王子様」へと続きます。
ピンポン(全5巻)
絵のタッチが好きになれなかったけど、読んでみたら一気に夢中にさせられました。青春漫画でありながら本格的な卓球漫画です。アニメ化はもちろん、窪塚洋介さんの主演で実写映画化済み。
才能とか努力とか挫折とか…色々な要素が詰め込まれている全5巻は、捨てるところがないくらい至極の完成形となっています。感情移入しやすい点もいいし、迫力のある展開も申し分ありません。間違いなく最強最高の卓球漫画だと思います。
少年ラケット(全13巻)
記憶を失った少年・イチロー、そのイチローと2年前に再戦の約束をし、行方を追い続けたヨルゲン…。2人の少年の運命の再会をキッカケに、止まっていた“時間”が動き始める!! 世界最速の球技・卓球に青春を懸けた少年少女の物語が今、始まる!!
記憶を失った少年が卓球と出会うことで、これまで止まっていた時間が再び動き出すという物語です。可愛らしいモデリングのキャラクターばかりが登場しますが、内容は本格的な卓球漫画となっています。
初心者にもわかりやすいように卓球のテクニックなどを説明してくれますし、卓球ならではの瞬発力を感じさせる絵の躍動感も最高。スポ根モノでもなく爽やかさが全面的に表れていて、かなり取っつきやすい卓球マンガと言えるでしょう。
フルドライブ(全3巻)
卓球王国・中国さえも恐れた、ドイツの元卓球世界王者を祖父にもつ少年・玉城弾。祖父仕込みの卓球で、弾は徐々に頭角を現す。祖父の死後、ドイツから日本へ渡った弾と、天才卓球少女・白石真凛の出会いにより新たな物語の扉が開く!!
良くも悪くも少年ジャンプ感が全面的に押し出されている、卓球を題材にした漫画という感じです。主人公は偉大な祖父を持っていて才能も抜群だけど、まだ無名選手という設定。
あまり挫折することなく、何とかして強敵をバッタバッタと倒していく展開に賛否両論ありそうですが、絵の躍動感もさることながら戦っているシーンはカッコイイです。あとヒロインも可愛い。「そのうちバウンドしない球とか打ちそう…」という不安感というか微かな期待があったのですが、そんなおふざけはせずに全3巻にてフィニッシュです。
卓上のアゲハ(全3巻)
リリカは誰もが振り向く、学園一の美少女。しかし、花の高校生活を送る彼女の前に突如、人生を卓球に捧げるドイツ帰りの転校生・アゲハが現れた! しかも、2人は許嫁で…!? ハイテンション卓球漫画、試合開始!!
可愛らしい女性キャラを使った軽いお色気を含むギャグと、バトル要素満載の卓球が題材になっているマンガです。
どっかで見たことのあるような描写(手塚ゾーン、戸愚呂弟、フリーザと戦う前のピッコロ)が多く、パロディー作品としても見ても面白いと思いますが、魔法系卓球漫画って今までになかったと思うので新鮮だと思いました。「え!?これからじゃないの!?」って感じで終わってしまうのが残念です。
はねバド!(全16巻)
母校である県立北小町高校バドミントン部のコーチになった立花健太郎(たちばな・けんたろう)。部員数が足りず団体戦にも出られない部を立て直せないかと悩む中、校庭の大木を難なく駆け上る運動神経抜群の少女・羽咲綾乃(はねさき・あやの)を見つけ、なんとか勧誘しようとする。だが彼女はなんと……バドミントンが嫌いだった! 目指せ100倍青春、バドミントン部ストーリー開幕!
とにかく絵がメッチャ可愛い。やばい、惚れる。あまり見ないって言ったらアレですけど、バドミントンが題材になっているというのもいいですね。「部の存続が危ぶまれるところに登場する、天才型の主人公」という、いかにもな展開には目を瞑りましょう。
所々に解説も入りますし、バドミントン競技を知らない人にも優しく描かれています。本作を読んで、バドミントン部に入部する女子が多発する予感すら感じさせてくれる作品です。
片翼シャトル(全4巻)
かつて日本代表・神嶋由とペアを組み「最強の盾」と呼ばれた玉木海虎。しかし神嶋とは別の高校へ進学、バドミントンへの情熱もすっかり失っていた。そんな矢先、同級生の保地犬志郎との出会いが彼を再びバドミントンの舞台へ引き戻す――!!?
偉大なパートナーに捨てられた過去を持つ天才プレイヤーとド素人のコンビが繰り広げるバドミントン漫画です。絵がとにかく可愛らしいので中学生かと思いきや、舞台はインターハイとなっています。
ド素人の成長が早すぎるような気がしなくもありませんが、ダブルスという競技の特殊性によってその不自然さが緩和されているような気がしました。友情とかライバルっていいなぁと思える良作。唐突過ぎる終わり方が少し残念で、もう少し読みたかったと思わされることでしょう。
面白くておすすめのゴルフ漫画
KING GOLF
最強のケンカ屋・蒼甫は、この日も朝から暴走族を潰し、彼らのバイクに乗って登校するという凶悪ぶり。だがそのとき、同じ高校の「霞見」という生徒が蔑むような視線で自分を見ていたことが気になり、しかも彼が有名なアマチュアゴルファーだと分かると、ますます気になってゴルフ部の練習場へ押しかける。そこで霞見に因縁をつけようとしたところ、谷川コーチが現れ「一打打ってみろ」という流れになって…!?
プレデターと呼ばれ恐れられているド不良の主人公がゴルフの魅力にのめりこみ、ゴルフの道で王様を目指すというストーリーです。ゴルフに関する解説コーナーもあるので、実際にゴルフをプレイしない人も楽しく読めると思いました。この解説コーナーも結構面白いんですよね。
「不良で我が強いのもあり、メンタルは抜群」というのが、いかにスポーツにおいても重要かということを面白く描いていて、良い味を出しているゴルフ漫画だと思います。
ライジング インパクト(全10巻)
良くも悪くも「少年漫画+ゴルフ漫画」です。プロでもない子供が、馬鹿みたいに飛ばします。ここについては好みが分かれるかと思います。言葉訛りもあって、セリフが読みづらいかもしれません。
それでも主人公のガヴェインを始め個性的なキャラクターばかりでワクワク感に溢れています。そしてこの作品は「成長を楽しむマンガ」だと思うんですよね。一度打ち切られたものの再び紙面に戻って来たという、名実ともに強烈なインパクトを残した作品です。
空の昴(全21巻)
少年のハートに、いま陽が昇る。ゴルフと出逢ったその時から歯を食いしばって、汗かいて空の彼方へ打ち放つ! 「俺はゴルフを始めるぞ!」
悪役からの常識から外れた挑発を受け、優等生の主人公がゴルフで粛清するという流れの漫画です。主人公が少年であるうえに少年漫画らしいスーパープレイが随所に登場するので、実際のゴルフが好きな人からするとイマイチに感じる人もいるかもしれません。
しかし「これでもかっ!」というくらい友情にスポットが当てられているので、少年漫画らしい友情が大好きな人にはピッタリの作品と言えるでしょう。
面白くておすすめのレース漫画、乗り物系漫画
弱虫ペダル
ママチャリで激坂を登り、秋葉原通い、往復90km!!アニメにゲーム、ガシャポンフィギュアを愛する高校生・小野田坂道、驚異の激コギ!!ワクワクの本格高校自転車ロードレース巨編!!
下で紹介しているOver Driveが面白かったので「他のロードレース漫画も読みたい!」という衝動に駆られ読んでみたところ、一気に読み進めてしまうほど面白い作品だったというのが私と本作の出会いです。というのも今や自転車漫画の代表格と言えば弱虫ペダルではないでしょうか。気付いたらめちゃくちゃ長編漫画になってました。
「冴えない主人公が隠れた才能に気付き、ロードレースの世界に足を踏み入れる」というストーリーです。才能というか「ママチャリでアキバ通いしてたら脚力がハンパ無くなっていた」というアプローチも最高!長期連載になりながらも中だるみを感じさせない作品だと思います。
Over Drive(全17巻)
胸がズキン、手に汗ギュッ。“熱さ”だらけの自転車×青春ストーリー!! ――片想い中のゆきちゃんから自転車部に勧誘された、篠崎(しのざき)ミコト15歳。天にも昇る気持ちだけれど、そーいやボクは、自転車にすら乗れないダメな子だった!! 猛烈にヘコみまくるミコトだけれど、「君には天性のココロの強さがある」と口説かれて……!? 各誌大絶賛の、自転車ロードレース物語。もうくすぶらない青春……ここに開幕!!
自転車に興味が無かった私に「ロードレースの漫画って面白いんだなぁ」と思わせてくれた作品です。所々、絵が見にくいと感じることはありますが、ストーリー展開は非常に熱いものとなっています。
簡単な内容としては「冴えない主人公が自転車と出会って変わっていく姿」が描かれていて、王道と言ってしまえばそれまでなのですが、ロードレースが題材のマンガ自体が少ないので非常に新鮮な気持ちで読めました(ここ数年でめっちゃ増えたようですが)。絵の爽やかさと内側に秘められている熱さのコントラストが映える一作です。
じこまん(全3巻)
全てはじこまんのためである!!自己満足――それは69億人、全市民に残された最後の価値観。実体験こそ最もじこまん度が高い!幸福の原風景がそこにあるからじこマンズ。身体を制御した者こそ人生の勝利者となるのである!貴様だけには負けん!究極のアイテムこそが自転車。終わるために走るのである。まごうことなき一生モノ!実録こだわり自転車DAYS!!
ロード乗りの「あるある」がふんだんに織り込まれている自転車マンガです。ロードバイクに乗ったことがない私でも、何となく分かるネタもあったりして思わずニヤけてしまいます。「いい年の大人が趣味として楽しんでいるものですから、そりゃ面白くないわけがないでしょ!」と思いきや、やたら自転車をディスってたりもするんですよね。
なんか好きな子に意地悪をしてしまう子供みたいと思ったりして、そんなオッサンたちの姿を見ては微笑んでしまいます。全3巻ですが内容が濃くて文字も多いので、非常に読み応えがある作品です。ロードレースの世界が覗きたい人に特におすすめ。ちなみにKindleの読み放題サービスに加入していれば全3巻が無料で読めます。
Capeta(全32巻)
少年は、サーキットという名の“戦場”に征く!小学校4年生の平勝平太(通称カペタ)は、幼い頃に母を亡くし、仕事が忙しい父と二人暮らし。大好きな父を心配させまいと、カペタはいつもガマンばかり。唯一夢中になれるのは、かっこいいクルマを見ながら、運転のマネをするときだった。そんなある日、父が仕事先から持ち帰った“ある物”が、カペタの運命を大きく変えることになる!!
モータースポーツを題材にしたレースマンガです。レースシーンの迫力はハンパ無いですし、人間ドラマの面からみてもめちゃくちゃ感動させられてしまう作品と言っても過言ではありません。
モータースポーツというのは車の性能だけでは勝つことができず、ドライバーの腕は当然として優秀なスタッフが居てこそ初めて勝負できるスポーツです。それゆえに仲間たちとの連携や絆など物語全体が熱く描き上げられています。
家族愛とか仲間愛とか全部ひっくるめて最高の全32巻です。夢中にさせられてしまうスピードはたぶん音速よりも早い。
モンキーターン(全30巻)
波多野憲二はちょっとそそっかしいが、負けん気の強い度胸のある17歳。幼いころからの夢であるプロ野球選手になることを断念した憲二の今の夢は、競艇選手になること。そのきっかけは担任教師・筒井の勧めで…!?ボートレーサーを目指し、本栖研修所の試験を受けた憲二。友情と闘争心の中で大きく育っていく若者を描いた、青春スポーツ漫画の傑作!!
題材自体が非常に珍しく、似たような題材で描かれた漫画を他に知らないのですが、ボートレース・競艇を描いたマンガです。かなり熱い仕上がりになっていて、こういう目線で描かれるとギャンブルというよりも完全にスポーツです。博打が好きじゃない人も多いと思いますが、かなり健全な漫画なので安心してください。
実際に競艇をやったことがなくても問題なく楽しめます。ボートレースという競技の奥深さを知ることで、競艇に対する意識は180度変わるでしょう。他の漫画と比較できないのでなんとも言えませんがめちゃくちゃ面白いです。
面白くておすすめの格闘技漫画、武道漫画
オールラウンダー廻(全19巻)
総合格闘技『修斗(しゅうと)』に打ち込む高校生の廻(メグル)は、小学時代の友人である喬(タカシ)と、リングの上で7年ぶりの再会を果たす。しかし、昔は気の合う仲だった2人だが、育った環境の違いからタカシはメグルを敵視する。再会の喜びを交わすことなく、旧友同士の試合が始まってしまうのだった――。
総合格闘技「修斗」にスポットを当てた格闘技漫画で、内容は必殺技などが飛び交わない本格的な内容となっています。初心者にもわかりやすく説明してくれているので「修斗って何?」という人が読み始めても楽しめるでしょう。
白熱する戦いの裏には、フェイントなどの心理戦を交えた攻防が淡々と進んでいたり、一言では言い表すことができないくらい、秀逸な作品だと感じました。少し余韻を残すような終わり方で「満腹にはさせない!」くらいの感じです。最後までブレずに完結させた点も本作の評価を上げた要因の一つだと思います。
鉄風(全8巻)
「私は充実している人間を――許さない!」生まれ持つ才能ゆえに、物心がついた頃からどんなスポーツもこなすことの出来た女子高生・石堂夏央(いしどう・なつお)と、ブラジルからの帰国子女・馬渡ゆず子(まわたり・ゆずこ)。最初の一瞬の攻防で2人の勝負は白熱する……!!
女子総合格闘技を取り上げた作品です。なんでもこなす天才肌の主人公が挫折を味わいたくて総合格闘技を始めるという、ちょっとヒールな感じがたまりません。
ライバルの女の子は体格にも才能にも恵まれていませんが、努力一本でのし上がってきた実力者という点もいいですね。本来の漫画とは設定が逆というだけでも見応え十分ではないでしょうか。
所々に総合格闘技における攻防のセオリーなんかも解説してくれているので、初心者も取っ付きやすい格闘マンガです。
あしたのジョー(全20巻)
ある日ふらりと下町のドヤ街に現れた、天涯孤独の少年・矢吹丈。腕っぷしの強さが元ボクシングジム会長の飲んだくれオヤジ、丹下段平の目に止まる。段平は丈に自分の果たせなかった夢を託し、名ボクサーに育てようと熱心に面倒を見る。しかし、段平の願いをよそに、丈は毎日、ドヤ街の子供達を引き連れ、無法な行動を繰り返すのだった。漫画史上の最高傑作、ついに登場!!ジョー、そのパンチで叩き出すんだ、すばらしい明日を!
「ボクシング漫画と言ったら?」と聞けば「あしたのジョー」と答える人が1番多いのではないでしょうか。言わずと知れた名作中の名作ですね。これだけ多くの人に支持されているわけですから、当然ながら非常に多くの魅力が詰まった作品です。
昔の作品なので絵の取っ付き辛さに関しては否めませんが、男の生きざまを描いた名作として押さえておきたいマンガだと思います。最後の劇的な結末とタイトルに隠された想いに気付いた時、感動して心が震えること間違いないでしょう。
はじめの一歩
ひたむき少年、一歩(いっぽ)登場!! 「強いって、一体どんな気持ちですか?」 ドジでいじめられっ子の高校生、幕之内(まくのうち)一歩。ボクサー・鷹村(たかむら)との出会いによって、拳(こぶし)にひそむダイナマイトパンチを呼び起こした! プロボクサーへの夢を抱いた一歩は、鴨川(かもがわ)ジムの入門テストに挑戦して……!? 感動の大ヒット作、ボクシング巨編!!
いじめられっ子がふとしたキッカケでボクサーになり、王者を目指すボクシング漫画です。不器用ながらも真面目で優しい主人公が、ひたむきに努力を続け成長していく姿に感動を覚えること間違いありません。
ハッキリ言って最初はめちゃくちゃ面白かった!ただ、ひたすらライバルとの決戦を先延ばしにされているので、70巻あたりからイライラしてくる人も多そうです。現在は100巻を超える長編漫画となっていますが、個人的には止め時を見誤った感のようなもの(続けなくてはいけない大人の事情)を感じています。
電子書籍化もされましたし、30巻~60巻くらいまでは超面白いボクシング漫画です。
リクドウ(全23巻)
父親を失った少年・芥生リクは借金取りの元ボクサー・所沢京介と出会う。理不尽に満ちたこの世界で、人は何をよすがに生き抜くのか。戦うのか。人生という茨の道を歩む芥生リクの破格の拳闘ストーリー!少年には何もない。その拳以外は。
かなりダークな世界観を持ったボクシング漫画です。本作で描かれているのは、華やかなリングの上で相手と称え合うようなボクシングではありません。スポーツではなく、殺すか殺されるかのボクシングです。
しかし決して気性の荒い主人公というわけではなく、生い立ちの関係で深い闇に包まれているというもの。どこか悲し気というか・・相当深い闇を抱えているというのが伺えます。それでも「これしかない!」という想いでボクシングに取り組む姿は美しく、心の底から「いつか栄光を勝ち取って欲しい!」と思わされるでしょう。
RRR ロックンロールリッキー(全10巻)
ボクシングが俺を変える――。27歳、崖っぷち拳闘録!!ジミ・ヘンのように、ジャニスのように。一瞬でもいい、輝いてやらぁ!!偉大なロックスターが死に急いだ27歳という“節目”。Rockに生きるダメ男=岩巻力太郎(ロックンロール・リッキー)は、「減量できたらメジャーデビュー(かも?)」という最後のチャンスに食らいつき、ボクシングという《運命》に出会うのだが――!!
フリーターをしながら夢を追いかけている27歳のバンドマンが恋人を失い、姉を失い、姉が残していった子供と一緒にボクシングを始めるという物語です。
最初は番組の企画ということでどこかで見たことがあるようなシーンが連続していますが、そこに「残された子供」というエッセンスが加わることで全く新しいジャンルの漫画として成立しているんですよね。ちょっとしたサスペンス要素もあるので、純粋なボクシング漫画とは言えませんがなかなか面白い作品です。
火ノ丸相撲(全28巻)
弱小の大太刀高校相撲部に現れた1年生、“小さき”少年・潮火ノ丸!「デカく」「重く」が絶対の競技に似合わぬ体格のこの新入部員、実はとんでもない過去が!?頂点・横綱を目指す――ド白熱高校相撲、開幕!!
初めて読んだとき、大ヒットする可能性を大きく感じました。絵がとても綺麗な相撲マンガです。どんなスポーツでも「体格に恵まれていない選手が、努力でそれを乗り越える姿」というのは大きな共感を呼ぶかと思いますが、本作におけるそれは「血の滲むような努力で覆した感」がハンパ無いんですよね。
素直に応援したくなるような主人公というのも素敵だと思いますし、数少ない相撲マンガの中でも代表格と言っていいのではないかと思います。最初の勢いのまま全28巻、走り抜けてくれました。
バチバチ(全16巻)
ある事件をきっかけに相撲界を追われ、この世を去った大関・火竜!その息子、鮫島鯉太郎の胸には父が遺した言葉が深く刻まれていた!!待ったなしの角界激震!本格大相撲漫画!!
こちらは相撲漫画の金字塔と言っていいほどの相撲漫画で「バチバチ→バチバチBURST→鮫島、最後の十五日」の三部作で構成されています。前項で紹介した「火ノ丸相撲」と比較すると少しだけ現実よりの作品という印象。とは言え、身体の小さな相撲取りが努力と気迫で体格差を跳ね返すという少年漫画の本質は組み込まれています。
不良上がりのような男が主人公になっているので、読んでいる側に伝わってくる熱量も相当なものです。「いつ土俵に立てなくなってもおかしくない」という覚悟で立ち合いに臨む姿には、まさに鬼気迫るような迫力を感じられることでしょう。
佐藤タカヒロ氏の急逝のため「鮫島、最後の十五日」が未完のままですが間違いなく名作です。
グラップラー刃牙(全42巻)
強き者の高みをめざし、その少年は閃光となって駆け抜ける!!今はじまる真格闘伝説!!範馬刃牙は“地上最強の生物”=父を超えるため、最強を名乗る男達と戦う!格闘まんがの決定版!
格闘技漫画・刃牙シリーズのさきがけとなった作品です。何と言っても最大の魅力は「実際にはあり得ない異種格闘技の数々」だと思います。時にそれはギャグかと思ってしまうような展開も少なくありませんが、次々と強敵が出てくる展開には息を飲むことになるでしょう。
刃牙シリーズを心から楽しもうと思ったら最初に読んでおくべき作品ですし、色んな意味で「ぶっ飛んでる格闘系漫画」をお求めの方はどうぞ。
グラップラー刃牙→バキ→範馬刃牙→刃牙道→バキ道
柔道部物語(全11巻)
俺は三五十五(さんご・じゅうご)。高校に入学したばかりで何も知らない俺は、先輩たちの甘い言葉に乗せられて柔道部に入ることにした。ところが、入部したとたん、先輩たちの態度が豹変。シゴキはあるわ、坊主頭にさせられるわ、もちろん女の子との交流会なんて真っ赤なウソ。でも、一度やると決めた柔道だ。強くなってみせるぞ――!!読み出したら止まらない!!珠玉の本格柔道コメディ、第1巻!!
柔道の競技人口がもっと多ければ、間違いなくもっとメジャーなタイトルとなっていたであろう名作。「これを読んで柔道を始めたという人も多いんじゃないか」と思えるほどの魅力的な作品です。
主人公が吹奏楽部に入ろうと思っていた矢先、軽く騙されて柔道部に入部することになってしまったという展開が既に面白いのですが、笑えるポイントも多く用意されており、一旦読み始めてしまったらたちまち魅了されることになるでしょう。
時折、柔道の専門用語や技の名前が出てきますが、私は柔道を知らない小学生の頃から読んでいたので、柔道を知らない人が読んでも面白いと思います。
関連:【おすすめ】隠れた面白い名作マンガといえば『柔道部物語』で決まり【kindle】
女子柔道部物語
『柔道部物語』から25年、小林まことが再び“本格柔道漫画”を描く! 原作はアトランタオリンピック女子柔道61kg級で、日本女子柔道界に初めての金メダルをもたらした恵本裕子!! 雪の旭川を舞台に世界の頂点を目指す白帯の女子高生が世界の頂点を目指す!
前項で紹介した柔道部物語の完結から25年の時を経て始まる、新しい柔道部物語です。なんと今回は、女子柔道がテーマになっています。日本人初の女子柔道金メダリストでもある恵本裕子氏が原作になっていて、史実に基づいた柔道部物語が堪能できるでしょう。
前作の切れ味ある笑いなどはそのままに、パワーアップして帰って来たような印象を受けました。前作を読んでいなくても楽しめそうな感じですので、こちらから入ってみて面白ければ過去作を読むというのでもアリだと思います。特におすすめしたいスポーツ漫画の一つです。
YAWARA!(全29巻)
日刊エブリースポーツ記者の松田は、ある日、ひったくり犯人を見事な巴投げで投げた少女を目撃する。彼女の名は猪熊柔。過去に全日本柔道選手権を五連覇した猪熊滋悟郎を祖父に持ち、卓越した柔道センスを身に付けた女子高生である。しかし、彼女の願いはあくまでも“普通の女の子”。そんな彼女に祖父・滋悟郎は、オリンピックでの金メダル、さらには国民栄誉賞を目指せというのだ
単なる女子柔道マンガと思うことなかれ!周りの人の支えや絆みたいなものがテーマになっている、今も色褪せない名作と言っても過言ではありません。
大まかな概要としては柔道少女がオリンピックを目指すというものですが、主人公が徐々に成長していく過程が楽しめます。スポーツ漫画には熱血的な要素が不可欠だと思っていましたが、その間違いに気付かされました。間違いなく名作です。
単行本は全29巻ですが完全版は全20巻。Kindle版は現在ありません。
EVIL HEART(全6巻)
「友達も敵も、自分がつくるんだよ」両親不在、高校生の姉と二人暮らしの少年・正木梅夫は、キレやすい問題児。中学入学をきっかけに合気道と出会い、徐々に心を開き始める梅だったが…。梅12歳・心の成長&合気道ストーリー、出会いの章。
合気道を題材にしている珍しいマンガで、復讐のような一種の憎悪が合気道との懸け橋になっているのですが、空手や柔道じゃなくて合気道って部分に大きなドラマを感じます。それは読み進めていくうちに確信へと変わりました。「あー、武道っていいなぁ」と心から思うはず。合気道を通じて心身ともに成長していく主人公の男子中学生に注目です。
全6巻なので一気に駆け抜ける疾走感もハンパ無いですし、家族愛にもスポットが当たっているので油断してると泣かされます。可愛らしい絵の裏側に熱いドラマが待っている、そんな作品です。
サムライハーフ(全4巻)
日本とカナダのハーフの少年・雪影オウルはサムライ口調の少し変わった15歳の高校一年生。だがその正体は、大剣豪の血を引く超剣術“飛剣”の使い手だった!! “日本一”を目指しオウルが高校剣道界に旋風を巻き起こす!!
タイトルにもあるように主人公はカナダ×日本のハーフの男の子です。サムライに憧れていて剣道の名門校に入学するところから物語は始まります。ちょっとした小芝居をどう捉えるかで評価は大きく分かれるでしょうが、剣道マンガというジャンル自体が珍しいので、今後の展開を期待せざるを得ない作品と言っていいでしょう。
なんとなく「るろうに〇心」の影響を節々に受けているような描写も散見されるので、リアル志向ではありません。派手な剣道マンガとしておすすめです。
あさひなぐ(全34巻)
二ツ坂高校一年、東島旭(とうじま・あさひ)、15歳。中学まで美術部だった旭は、「薙刀は高校部活界のアメリカンドリーム!スポーツに縁のなかった人間でも全国にその名を轟かすことができる」といううたい文句に感激し、薙刀部に入部する。痴漢を蹴りで撃退する強き女、あこがれの先輩、宮路真春(みやじ・まはる)、同じ一年生で剣道経験者の八十村将子(やそむら・しょうこ)と長身が悩みの紺野さくら(こんの・さくら)…旭と仲間達“なぎなたガールズ”の強く!楽しく!!美しい!!!物語が始まる――
薙刀を実際に見たこともなければ、他に薙刀を題材にして描かれたマンガがあるのかどうかもわかりませんが、本作はめちゃくちゃ面白いです。女の子ばかりが登場するマンガということもあり、萌え要素や軽いエロみたいなものを放り込んでくるかと思いきや、中身はかなり本格的なマンガとなっています。
すごくカッコイイと感じるマンガですし、心理描写も秀逸で武道のマンガとしても申し分ない作品です。薙刀をやったことがなくても問題なく楽しめます。
面白くておすすめの水泳漫画、水上系スポーツ漫画
ラフ(全12巻)
大和圭介(やまとけいすけ)の目標は競泳日本一。二ノ宮亜美(にのみやあみ)の目標は飛びこみ日本一。反発しあう二人の仲は、まだまだ未完成(ラフ)なのだ!!
あだち充先生が描く、恋愛要素が強めの青春水泳漫画です。学校生活の描写も多く、水泳を通して友情や恋愛を育んでいく姿が魅力的な作品となっています。幼馴染が出てくる展開が一級品なのは言うまでもないでしょう。
最初は「仲が悪いのかな?」というような両者の関係が、どのように変わっていくのかも見所です。余韻を残すフィナーレも他のマンガでは見られない描写だと思います。良い意味で続きが気になって仕方ありません。爽やかなスポーツ漫画を求めている方には是非おすすめしたいです。
Glaucos(全4巻)
激闘の舞台は海へ! もう1m記録を伸ばせばその分、空気のある海面までが遠くなる! ただ一息でどこまで深く潜れるかを競うフリー・ダイビング。その死に直結した恐怖のバトル世界、壮絶な戦いに、イルカに助けられ生まれた少年・シセが挑む!! この少年こそ、海の神に選ばれし者だった。
フリーダイビングがテーマになっている作品なのですが、類似するマンガを全く知らないので希少価値もすごく高い作品だと思います。「ただ潜るだけでしょ?」と思ってしまいがちですが、そこには極限までに研ぎ澄まされた潜在意識があるんですよね。とても奥が深いんです。
全4巻なのであっという間に終わってしまうでしょう。これを読んでるときは、なぜか知らないけど息を止めて読みたくなります。
面白くておすすめのラグビー漫画、アメフト漫画
アイシールド21(全37巻)
泥門高校1年・小早川瀬那。気弱な性格が災いし、幼き頃よりパシリ人生を送ってきた。だがそのおかげで(?)ズバ抜けた俊足を持つ瀬那は、悪魔のごとき男・ヒル魔によりアメフト部へと引きずり込まれるが!?
アメリカンフットボールにあまり馴染みがなく長いこと読まず嫌いだったのですが、試しに読んでみたところ一気に引き込まれてしまいました。主人公の成長ぶり、躍動感が伝わる絵のタッチや疾走感、個性的なキャラクターたち・・・どれを取っても面白い要素ばかりです。
笑いあり涙あり、展開的にはジャンプが好みそうな王道であるにも関わらず、他のマンガには見られない輝きを見せています。読み終わる頃には「NFL」とググってみたり、Youtubeで動画を探してみたりしてしまうくらい、アメフトに興味が出ていること間違いありません。
ALL OUT(全17巻)
背が小さいことを気にしている祗園健次(ぎおんけんじ)は神奈川高校(ジンコー)の入学式当日、長身の石清水(いわしみず)と、ひとつの球技に出会う。その球技とは――ラグビー。凸凹コンビが紡ぐ青春楕円物語、ここに開幕!!男たちの熱いドラマを描く名手・かわぐちかいじも賞賛の本格高校ラグビー漫画!!
個性溢れるキャラ、熱いチームワーク、困難にぶつかる気迫・・・どれをとっても一級品です。なにより熱量がハンパ無い!絵のタッチに可愛らしさというか中性的な雰囲気があるので、ラグビーという競技カラーからすると少し違和感があります。
ラグビーって言ったら、男臭さの代名詞みたいな部分がありますからね。ですが、それを差し引いてもタックルなどの躍動感はヒシヒシと伝わってくるので十分に楽しめると思います。
フルドラム(全5巻)
運動音痴で、部活動は即クビ、しかもストーカー気質…。そんな高校1年生・日野は、運命の人との出逢いを果たす!! その運命の出逢いがもたらしたのはラグビー人生。男と男、プライドが衝突する闘球の世界へ飛び込む!! 魂と意地が弾けるラグビーストーリーがキックオフ!!
ダメダメな主人公がラグビーと出会い、真摯に向き合っていく姿を描いた作品です。典型的なスポ根モノということもあり、持っている熱量は相当なもの。バイクをタックルで止めたりなどの過剰表現はありつつも、絵から伝わってくる迫力も抜群と言っていいでしょう。
打ち切りになった以上仕方がないのですが、最後は駆け足気味に終わらせてしまったのが少し残念でした。それでも「これが打ち切りになるなんて・・・」と思わずにはいられないポテンシャルを持っている作品なのでラグビー好きの方はぜひ。
面白くておすすめのダンス漫画、バレエ漫画
ボールルームへようこそ
俊英が贈るダンススポーツ青春譚、開幕!その一歩(ステップ)で僕は変わる――。平凡な中学生、富士田多々良(ふじた・たたら)は将来の夢も特に無く、無為な日々を過ごしていた。そんなある日、謎のヘルメット男に出会った多々良は訳もわからず連れ去られてしまう。男が向かった先は……何と社交ダンスの教室だった。ダンスの世界に一歩を踏み出した多々良の日常が、みるみる変わり始める――!!剥き出しの才能が描く“ボーイ・ミーツ・ダンス”!!踊り手の魂が交錯する舞踏室(ボールルーム)で繰り広げられる、激アツ!ダンスストーリーに酔いしれろ!!
マイナー競技であることがネックになるかと思いきや、画力の高さ、熱い展開、ほとばしる期待感を武器に、一気にスターダムへのし上がった作品です。社交ダンスに興味があるとか無いとか、そういうのを関係なしに楽しめます。
最近は「ダンスを習っている」という子供も増えてきているようなので、ダンス業界全体が盛り上がっているのかもしれません。ちょっと芸術っぽい絵なのですが、うまく世界観とマッチしていると思いますし、汗が飛んできそうな臨場感すら覚えます。控えめに言っても超面白いです。
昴(全11巻)
病床に伏す双子の弟の前で、日々の出来事を踊り続ける少女・宮本すばる。過酷な日常と大きな悲しみが、彼女の才能を育んだ。天才の名を欲しいままにする、最強のバレエダンサー。激しくもはかなく、そして美しい、命を削る魂のバレエ!その舞姫伝説が、今、始まる――!!
オープニングから既に読者を引き込んで魅了する「魔法を使ったような作品」です。最初の最初から鬼気迫るような描写には、ただただ驚かされました。バレエを通じて描かれる情熱が一切減衰することなく伝わってきます。
マンガという動きのないコンテンツでこれだけ表現できるのは、もはや圧巻としか言いようがないです。バレエに限らず、魅せる競技に疎い私のような人間にも「表現力のなんたるか」を教えてくれた作品と言っても過言ではありません。
BUTTER!!!(全6巻)
ヒップホップに憧れていたのに、うっかり社交ダンス部に入った元気女子・夏(なつ)。初めて味わう楽しさと興奮に、どんどん夢中になっていく――!そんな彼女と踊るのは、ある事情でイヤイヤ入部したネクラ男子・端場(はば)。ダンスをバカにする端場に、夏は真っ向から反発!正反対の夏&端場は、果たして「ペア」になれるのか!?“ふたり”から始まる社交ダンス部青春活劇、堂々開幕!!
社交ダンスを題材にしたマンガですが、あまり躍動感や情熱を感じないタイプの作品です。スポーツ漫画にはあまり見ないタイプの絵と独特の雰囲気が読者の気を引きます。
良くも悪くも「部活動での社交ダンスを通じて切り取った青春の1ページ」というような、青春の部活動にスポットが当てられた作品だと思いました。なにも全国大会がどうこうとかそういうのだけがスポーツ漫画じゃないので、こういう着眼点も私は好きです。
面白くておすすめの体操漫画
ガンバ!Fly High(全34巻)
平成学園中等部一年B組・藤巻駿(ふじまきしゅん)は、将来オリンピックで金メダルを取る夢を抱き、体操部に入部する。ところが、男子体操部は超弱小だと知らされる…!?ロス五輪金メダリスト・森末慎二が原作初挑戦!!金メダルをめざす少年・藤巻駿の波乱万丈、超熱血体操ストーリー!!
体操に焦点を絞った熱血青春スポ根漫画です。所々に恥ずかしくなるようなありがちな描写も多いですが、体操のなんたるかを楽しく知ることが出来ます。
採点方法や技の種類などがわからないと、五輪の体操なんかを見てても「すげ~」で終わってしまうものが、初心者ながらにも体操の奥深さを見出すことができるようになるでしょう。体操に興味が無くても普通に楽しめるのがすごい。
面白くておすすめのマイナースポーツ漫画
灼熱カバディ
スポーツ嫌いの元サッカー部エース・宵越竜也(高1)のもとに、ある日『カバディ部』が勧誘に! 「カバディなんてネタだろ(笑)」と内心バカにしつつ練習を見に行くと、そこではまるで格闘技のような激しい競技が行われていて……!!!
マイナー競技であるにも関わらず、なぜか知名度だけはかなり高いカバディの漫画です。これがめちゃくちゃ面白い!
漠然としか知らなかったカバディのルールも学びながら読めますし、すごく戦略性が高くてハードなスポーツであることを理解するのに時間も掛からないでしょう。絵も綺麗で迫力も抜群!バカにしてる人ほどのめり込んでしまうかも。
クロス・マネジ(全5巻)
どの部活も長続きしなく、上手くいかない日々を送る櫻井はある日、一人でラクロスの練習に励む深空と出会う。そのひたむきな姿に衝き動かされ、平凡な彼の高校生活がいま、大きく変わろうとしていた――。
タイトルと表紙の絵からも「そそられる感」が満載ですが、タイトルはどうやらラクロスのマネージャーという意味らしく、主人公はラクロス部のマネージャーになった男子生徒です。とにかく最初から最後まで駆け抜けた作品と言っていいでしょう。「もうちょっと読んでいたかった!」と思わずにはいられないくらいの勢いで駆け抜けてくれました。
全体を通して爽やかで、部活動の面白さや青春の雰囲気を上手に表現している作品だと思います。女子部だからと言ってあからさまなエロに走らず、純粋なスポーツ漫画として勝負したポイントも魅力の一つです。
トキワボウルの女神さま(全4巻)
部員2人しかいない廃部寸前のボウリング部の立て直しに日々奮闘する北澤学園高校2年・常磐楓。日曜日にトキワボウルで一人寂しくボウリングをしていると、そこで出会ったのは不思議な雰囲気を持つ少年。ボウリング場の音が好きだと語る彼は、8年前まで日曜になると父親とよくここに来ていた・・・・と。2人の出会いが、新たな物語の幕開けとなる!!
「DEAR BOYS」で有名な八神ひろき先生が描いているボウリングを題材にした漫画です。トキワボウルというボウリングセンターに生まれた娘&息子、そしてそこに昔通っていたという男子高校生が主人公で、廃部寸前のボウリング部を盛り上げていくという流れになっています。
登場する人物たちもキャラが立ってますし、なにより数少ないボウリングの漫画です。始まったばかりで今からメチャクチャ期待していますが、まず間違いない作品と言っていいでしょう。
全4巻で打ち切りになってしまいました。これからだと思ったのに残念です。
ちはやふる
まだ“情熱”って言葉さえ知らない、小学校6年生の千早(ちはや)。そんな彼女が出会ったのは、福井からやってきた転校生・新(あらた)。おとなしくて無口な新だったが、彼には意外な特技があった。それは、小倉百人一首競技かるた。千早は、誰よりも速く誰よりも夢中に札を払う新の姿に衝撃を受ける。しかし、そんな新を釘付けにしたのは千早のずば抜けた「才能」だった……。まぶしいほどに一途な思いが交差する青春ストーリー、いよいよ開幕!!
競技かるたを題材にした話題作。実写化もされたので多くの人が知っていることと思いますが、格闘技にカテゴライズしても違和感がないほど熱いマンガです。
読むまでは「かるたのマンガに熱くなってるんじゃないよ!」とか思うんですけど、読後は「その発言はナンセンス、意味わからない、かっこ悪い」ってなります。良くも悪くも少女漫画っぽくないし、老若男女関係なく楽しめるマンガだと思います。
最後に
多少の流行り廃りはあれどスポーツ漫画の魅力は色褪せません。いつの時代も心を震わせ、時に涙腺を崩壊させてくれる熱い存在がスポーツ漫画ではないでしょうか。
そして読んでいて面白いだけではなく、実際のスポーツ観戦に役立つような知識が得られたり、実際に体を動かしたくなるような感覚もスポーツ漫画の魅力の一つだと思います。まだ読んだことが無くて気になった作品があれば、ぜひチェックしてみてください。
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