全11巻~20巻以内に完結したマンガとなると、当然ながら打ち切られたマンガというのは少なくなってきますし、多くの読者に「もっと読んでいたかった!」と思われながら完結したマンガが非常に多いです。
一気読みをするのは少し難しい部分が出てくるとは思いますが、読み応えについては申し分ありません。必ずや満足いただけることでしょう。以下では、全11巻~全20巻で完結したマンガを厳選してご紹介したいと思います。
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全11巻完結のおすすめマンガ
四月は君の嘘
桜の花びら、音楽、そして嘘。君と出逢った日から世界は変わる――母の死をきっかけにピアノを弾かなくなった、元・天才少年ピアニスト有馬公生(ありま・こうせい)。目標もなく過ごす彼の日常は、モノトーンのように色が無い……だが、友人の付き添いで行ったデートが、少年の暗い運命を変える。性格最低、暴力上等、そして才能豊かなヴァイオリニスト……少女・宮園(みやぞの)かをりと出逢った日から、有馬公生の日常は色付き始める!!胸を打つ青春ラブストーリー!!
才能に溢れる元・天才ピアニストの男の子とバイオリニストの女の子が奏でる青春ラブストーリーです。ピアノやバイオリンに興味がなくても、絶対に楽しめる作品に仕上がっています。
私自身「ワンピースの尾田栄一郎先生が嫉妬した」という触れ込みで興味を持ち読み始めたのですが、途中で読むのを止められないくらい一気に引き込まれてしまいました。
涙もろい人なら泣きます。そしてピアノとかクラシックなんかを聴き始めるかも。タイトルにもしっかりと意味があって、最初から最後まで文句の付けようがない作品です。
柔道部物語
俺は三五十五(さんご・じゅうご)。高校に入学したばかりで何も知らない俺は、先輩たちの甘い言葉に乗せられて柔道部に入ることにした。ところが、入部したとたん、先輩たちの態度が豹変。シゴキはあるわ、坊主頭にさせられるわ、もちろん女の子との交流会なんて真っ赤なウソ。でも、一度やると決めた柔道だ。強くなってみせるぞ――!!
あまり有名ではない作品ですが笑いあり熱血ありの良作です。これを多くの少年たちが幼少期に読んだならば、柔道大国・日本が完全復活を遂げると言っても過言ではありません。
簡単に内容を説明すると、主人公の三五十五が先輩たちの誘い文句に騙されて柔道部に入部してしまい、辞めるのも悔しいので続けたところ、最終的には柔道に夢中になってしまうという物語です。柔道のルールがわからなくてもOK。
これを読んだら柔道に興味が出てくると思います。ギャグのセンスも秀逸で、多くの人に読んで欲しいと思える作品です。
ぼくらの
夏休み、過疎地の村へ“自然学校”にやってきた少年少女15人。1週間が経ったある日、海辺の洞窟へ探検に入った一同は、その奥にコンピューターを持ち込んで住んでいた謎の男・ココペリと出会う。彼は自分が作ったゲームをやらないかと誘い、宇白可奈を除く14人の中学1年生が同意して契約を結ぶ。半信半疑で宿舎に戻った一同だったが、その日の夕刻、大きな物音と共に巨大ロボットが現れて…。
ロボットで戦う系のSFファンタジーなのですが、通常のそれとは大きく異なる点が一つあります。それが何なのかは実際に本作を読んでもらうとして、それこそが本作最大の醍醐味と言ってもいいでしょう。
優しさと残酷さが表裏一体になっている作品と言うか、初めて読んだときはとてつもなく大きな衝撃に包まれました。自己投影すると色んな意味でハンパ無いです。
伏線が幾つも丁寧に張られていて、2回目を読み返して気付いた点も多々ありました。話のテーマが重いので万人にはおすすめできませんが、ダークファンタジーや残酷な運命というような展開が好きな人はハマると思います。
銀と金
裏社会で頭脳と心理戦を駆使して巨万の富を得ていく男達の活躍を描いた賭博コミック。競馬でスッカラカンになってしまった森田鉄雄(もりた・てつお)は、平井銀二(ひらい・ぎんじ)に声をかけられ、日当10万円の仕事を持ちかけられる。そして翌日、みかん箱10箱を運んだ森田は、その箱の中には不正融資で得た10億円が入っていると平井から知らされて……!?
福本先生と言えば「カイジ」が有名ですが個人的には本作品が一番好きかもしれません。ギャンブルにおける駆け引きの神髄が描かれているような気がします。
純粋な心理戦だけではなく殺人鬼と格闘したり家督争いに巻き込まれて殺し合ったりするなど、実際に命の危機を感じるような描写も秀逸です。福本作品ならではの麻雀も見所たっぷり!
ギャンブル対決における相手に対してのプレッシャーの掛け方のような部分にカイジに繋がるルーツが見てとれるのも新鮮で面白いので、心理戦や腹の探り合いが好きな人におすすめです。
最強伝説 黒沢
「オレが求めているのは……オレの、オレによる、オレだけの……感動だったはずだ……!!」――。うだつが上がらない中年男が、不器用ながらも様々な修羅場に奮闘して、男気ある人間へと成長していく人情コメディ。目標もなく働き続け、年齢を重ねてきた土木作業監督・黒沢(くろさわ)は、ふとしたことで自分の生き方に不安感を覚える。そして、誰にも祝福されず44歳の誕生日を過ごした孤独な黒沢は、人望が欲しいと強く願って……!?
続けてコチラも福本先生の作品です。哀愁漂う大人向けのマンガでカイジのような手に汗握る駆け引きも無ければ、中間管理録トネガワのような笑わせにかかるギャグもありません。ただただ哀愁が漂うという他にはない唯一無二の作品と言っていいでしょう。
若い人の共感が得られるかどうかは不明ですが、会社で嫌なことがあったり自暴自棄に陥っている大人が読むと勇気を貰えるかもしれません。「何も取り得がないのは自覚しながらも人から尊敬されたい」というジレンマが何とも言えないんですよね。仕事で落ち込んでいるという人は必見です。
全12巻完結のおすすめマンガ
デスノート
このノートに名前を書かれた人間は死ぬ…。死神リュークが人間界に落とした一冊のノート「DEATHNOTE」。ここから、二人の選ばれし者「夜神月」と「L」の壮絶な戦いが始まる!!かつてないスリルとサスペンス!!
当時、少年誌に掲載するにはギリギリの内容だったような気がします。今だと難しいんじゃないでしょうか。そんなことないかな?ご存知の方も多いでしょうが簡単に説明すると、ノートに名前を書くだけで人を殺せる能力を得た青年と、それを捕まえようとする青年の話で、すごくスリリングな駆け引きが展開されています。
ノートに名前を書くだけで相手を殺せるという非現実的な殺人方法を、どのようにして白日の下に晒すかっていう部分にめちゃくちゃ見応えがあります。序盤から終盤まで見逃せないハラハラ&ドキドキ感に魅了される読者が多発しました。
心理戦とか腹の探り合いみたいなものが好きな人には鉄板です。読み終わってから嫌な奴の名前をノートに書くまでが本作。
ラフ
大和圭介(やまとけいすけ)の目標は競泳日本一。二ノ宮亜美(にのみやあみ)の目標は飛びこみ日本一。反発しあう二人の仲は、まだまだ未完成(ラフ)なのだ!!
「タッチ」や「H2」などの超有名野球漫画を輩出したあだち充先生が描く水泳漫画です。「あだち充=野球」という図式が思い浮かぶ人も多いと思いますが、個人的にこのラフが超大好きなんですよね。
友情や恋愛、寮生活など…どれも青春時代にしか訪れないような角度から眩しいくらいの熱量で描かれています。余韻を残した終わり方もgood。蛇足的な意味合いで登場する野球のシーンも最高。
まさに捨てるところがない名作と言っていいでしょう。あだち充作品名言集みたいなのがあるなら、本作から選ばれる明言はめちゃくちゃ多いんじゃないかと思います。単行本で全12巻、文庫版で全7巻、ワイド版で全6巻です。Kindle版出ました!
サンクチュアリ
北条彰は六本木周辺を縄張りとする暴力団・北彰会の総長。ある日、北条は組員の田代を伴い、佐倉代議士のスキャンダラスな写真をネタに強請(ゆすり)を計画。その事務所を訪れるが、そこで出会ったのは政治家秘書には珍しい強面(こわもて)の男で……!?経済的な繁栄を謳歌しながらも、閉塞感漂う日本の現状に疑問を持った北条彰と浅見千秋。社会の在り方を根本的に変革する必要を感じた二人は、裏社会と政界に身を投じ、「光と影」から『サンクチュアリ』を目指す!!
もう20年以上前の作品になりますが、ヤクザと政治家の二方向から日本を牛耳るまでの流れを描いた作品です。これこそ大人向けの名作と言っていいでしょう。
個人的には国会が解散すると本作を読みたくなるんですよね。綺麗事ばかりではなく、頂点に上り詰めるために命を張った男たちの生き様がカッコイイです。
ストーリーは文句無しに面白いんですが、今読むとしたら絵がネックになるかもしれません。…が、色んな思惑が交錯する部分も綺麗にまとまっているので、絵で敬遠してしまうにはあまりにも勿体無い作品だと思います。
海猿
中国船籍「鳳来号」の救助SOSを受け、海上保安庁 第七管区巡視船「ながれ」が出航した。新人海上保安官 仙崎大輔と偶然乗り合わせてしまった新米新聞記者・浦部美晴たちと共に沈みつつある「鳳来号」のもとへ急ぐ! 極限状態の中で人に何ができるというのか!? 海をめぐる熱き人間ドラマが幕をあける!
海上保安官がテーマになっている作品で実写化もされました。「こんなん出されたら海上保安官が人気爆発するだろうなー」ってくらい超カッコ良く描かれています。
それでいて扱っているテーマが「危険」とか「命」なので、これで心が揺さぶられないわけがない超熱いマンガです。実写版ではカットされていたような下品な描写にやや賛否両論があるようですが、ちょっとした箸休め的な息継ぎポイントだと思えば問題ないでしょう。
未来日記
日記が趣味の中学生・天野雪輝は、自分の携帯に未来の出来事が打ち込まれているのを見つける。だが、読み進んだ彼が見たものは、自らの死の記述だった!クラスメイトの少女・由乃を交え、空前のサバイバルゲーム勃発!
ツッコミ所は満載のような気もしますが、自分の未来が勝手にケータイに打ち込まれ可視化できるという初期設定は若い世代にウケるんじゃないかと(とは言ってもガラケー)。
Kindleのレビューでも散見されますが結構荒削りの作品という印象があります。自分の死が書き込まれてもそれを如何様にも変えることができるというあたり、作者のさじ加減のような気がしなくもないです。
とは言っても個人的にはジョジョに登場したオインゴ&ボインゴのような感じで楽しむことが出来ました。テンポも良いですし、バトルのハラハラ感もしっかりと再現されています。デスゲーム好きや心理戦好きの人におすすめしたい作品です。
不能犯
数々の変死事件現場にあらわれる謎の男・宇相吹正。しかし、誰も彼の犯行を証明することができない。人は彼を、犯罪を実証することができない容疑者「不能犯」と呼ぶ…。憎悪、嫉妬、欲望そして愛……宇相吹は依頼人の歪んだ思いに応え、次々と人を殺めていく…。戦慄のサイコサスペンス開演!!
人間の体は緻密に作られているようで、意外といい加減に作られている部分も少なくありません。プラシーボ効果と呼ばれる現象があるように、人間の思い込みには私たちが思ってる以上の可能性があると言っていいでしょう。
そして「もしその思い込みを利用して人を殺せる人物がいるとしたら?」というのが本作のテーマです。単なる水を毒だと思い込ませて相手を殺した場合、死亡者の体内からは毒が検出されることはありませんし、毒だと思い込ませた側を罪に問うことはできるのでしょうか。
依頼人から依頼されることによって動く主人公という縮図なので、一種の復讐屋のような流れを汲んでいる作品なのですが、最後に必ずしも依頼人が幸せになるとは限らないという点も抜群の見応えがあります。
全13巻完結のおすすめマンガ
地獄楽
最強の忍として畏れられ、抜け忍として囚われていた画眉丸は、打ち首執行人の“山田浅ェ門佐切”から無罪放免になる為の条件を突きつけられる。その条件とは極楽浄土と噂の地で「不老不死の仙薬」を手に入れること…!! 生死を悟る忍法浪漫活劇、開幕――!!
最強の抜け忍が大暴れするという感じのダークファンタジーで、主人公の血塗られた運命とそれに抗おうと踏み出した一歩を描いた作品です。元々抜け忍として捉えられていた主人公が、無罪放免になるために不老不死の薬を探しに行くというもの。
極楽浄土と呼ばれている島には数多くの謎が秘められていて、そこでは未知の生物とのバトルに発展します。さらには同じく無罪放免を狙っている同じ立場の連中から狙われたり、自分と同行している打ち首執行人との関わり等、とにかく見所が多い作品と言っていいでしょう。
絵も上手くて結末も綺麗に終わったと思いました。ダークファンタジーや忍者が好きな人には文句なしにおすすめです。
JIN -仁-
南方仁は東都大学附属病院に勤める脳外科医である。ある日、彼が頭部裂傷の緊急手術を執刀した患者が、病院を脱走しようとする。患者と揉みあう内に仁はなんと幕末の1862年にタイムスリップしてしまった。電気も消毒薬も抗生物質もない世界で、医師南方仁の戦いが始まる。
ドラマ化されたことでも話題になりましたが、現代のお医者さんが江戸時代にタイムスリップしてしまうというストーリーです。メスも抗生物質も最新医療機器も何一つないような時代で、医者としてのスキルを駆使する姿はまさに職人。医療に関する知見がなくても十分に楽しめる作品に仕上がっています。
なにより医者がタイムスリップするという初期設定が秀逸ですよね。医療をテーマにしたマンガですが時代背景がしっかりと描かれている部分にも注目してみてください。
行け!稲中卓球部
“変態”前野、“あしたのジョーおたく”井沢、“ムッツリスケベ”田中、“ハーフでワキガ”田辺ミッチェル五郎、“女殺し”木之下、そして部長の竹田。稲豊中学校、卓球部の六人は、今日も練習に励んでいた。ある日、前野に告白しようとする女子が現れた!前野と「女なんかくそくらえ会」会長と副会長の間柄だった井沢は激怒して…!?あの伝説のバカたちが帰って来た!
「くだらなさ=6、下ネタ=3、卓球=1」くらいの割合ですが、これも間違いなく黄金比。現役の中高生男子や学生時代に本作を読んだことのある人が読み返すという意味では、ほぼ満点をあげたい作品です。
とにかくくだらない!「馬鹿じゃね?」って読者の誰もが思うはず。だが、それがいい!下品でくだらない漫画だけど、少しエッチでお馬鹿な男性諸君におすすめしたいです。
本作のシーンをマネするレベルまできたら、あなたも立派な稲中部員。段ボールに入って「送れぇぇぇ!!」って言ってみましょう。
俺物語!!
剛田猛男は高校1年生。身長2m・体重120kg(いずれも推定)。好きになった子は、いつも幼馴染みのイケメン・砂川の方に行っちゃうけど、真っ直ぐで不器用で鈍感で、男子からは超モテモテ!ある朝、通学電車の中で、ひとりの女の子を痴漢から救ったことで猛男にも春到来の予感…!?笑って泣けて、胸キュンも満載の、爆笑純情コメディー!
本作品を初めて読んだときは、あまりにもの少女漫画っぽくなさに度肝を抜かれました。それでいて表紙からは想像ができないほど、老若男女問わずキュンキュンできる作品だと思います。実写化されるべくして実写化されたというのが理解できる作品です。
とりあえず「ひどいあだ名を付けられるほど可愛くないのを自負している主人公が、なぜかマンガ上の見た目はすごく可愛い」という矛盾を抱えることも少なくない少女漫画において、この主人公の設定は神と言えるでしょう。そして人は見た目じゃ判断できないって自信を持って言えるようになります。
全14巻完結のおすすめマンガ
五等分の花嫁
貧乏な生活を送る高校2年生・上杉風太郎のもとに、好条件の家庭教師アルバイトの話が舞い込む。ところが教え子はなんと同級生!! しかも五つ子だった!! 全員美少女、だけど「落第寸前」「勉強嫌い」の問題児! 最初の課題は姉妹からの信頼を勝ち取ること…!? 毎日がお祭り騒ぎ! 中野家の五つ子が贈る、かわいさ500%の五人五色ラブコメ開演!!
ひょんなことから主人公が家庭教師をすることになり、その相手がまさかの五つ子だったという展開からラブコメ展開に発展し、ひいては「この中の誰かと結婚するのですが誰でしょうか?」みたいなミステリー展開すら巻き起こるという感じの作品です。
同級生に勉強を教わるということに対してよく思わない人物がいたりして、なかなか主人公に心を開いてくれない人物もいる中、少しずつ距離を縮めていくサクセスストーリーが見応えたっぷりに描かれています。
五つ子ならではの「別のキャラに変装する」みたいなコメディー要素もありつつ、今までにない新感覚のラブコメ作品と言っていいでしょう。5人と同時に結婚するみたいなゲスい物語じゃなくて安心しました。
ROOKIES
二子玉川学園高校にやってきた新任教師・川藤幸一! その熱血漢ぶりは、担任クラスでも好感を持って受け入れられる。やがて不良の巣窟となっていた野球部再建に着手するが、猛反発する部員から、川藤が前の学校で“暴力教師”として学校を辞めた事を暴露されてしまった…!!
実写化されたことでも有名な熱血系野球漫画です。部員の大多数が問題児で、その部員たちが1つにまとまっていく過程は涙なしでは語れません。主人公は野球部顧問の先生で、ベタですけど「こんな先生がいたらなぁ」的な存在です。最初は煙たがっている部員たちも徐々に惹かれていくので、昭和時代に流行ったような熱血系の流れを汲んでいます。
チームの友情とか衝突とか青春ならではの眩しさが溢れる作品で野球漫画が好きな人にはもちろん、団体競技の良さみたいなものが好きな人には文句無しに鉄板です。
シュトヘル
見知らぬ時代、見知らぬ国の戦場。その凄惨な光景を毎夜、夢に見る高校生の須藤。ある日、楽器の工場である彼の家に、転校生の鈴木さんが訪ねてくる。彼女がその場で馬頭琴を奏で“シュトヘル”と唱えた途端、須藤は時空を越え、夢で見た国の女戦士に姿を変えていた。そして目の前には、鈴木さんに瓜二つの少年が。その少年は須藤に“シュトヘル”と呼びかけ…。
蒙古軍に仲間たちを殺され、復讐に燃える女戦士の物語です。これが単なる復讐の物語ではなく、仇の弟と一緒に行動することになったり、その弟と接しているうちに文字を守ることに目的を見出したりと、まぁかなり壮大な内容になっています。
最初は本来の仇をおびき寄せるために弟に近付いたのに、その関係性が徐々に変わっていくところに人間ドラマのようなものを感じました。しかもここに異世界転生要素も入っているので、時系列も含めて結構複雑なストーリーになってるんですよね。
読むのが疲れる作品ではありますが、これ以上に壮大な物語はそうそう無いのではないかと思います。
新世紀エヴァンゲリオン
個人的には本作の主人公たちと同年代のときにリアルタイムで流行していたので、とても思い入れのある作品です。一時、社会現象にもなるほど流行りました。
物語としては主人公たちが少年・少女たちであるにもかかわらず、大人向けの作品という印象ですね。内容に関してはロボットバトルみたいな感じなんですが、はっきり言って良くわからないです(笑)
使徒と呼ばれる生命体との激しいバトル、魅力的なキャラクターたち、そして謎に溢れるシナリオ…。内容がよくわからないのに面白いと思えた作品は本作以外にありません。続編が映画で公開されて話題になるっていうのも本作の特徴です。
全15巻完結のおすすめマンガ
シグルイ
江戸時代初頭、天下の法に反して駿河城内で挙行された真剣御前試合で対峙したのは、片腕の若武者と盲目の天才剣士だった!!残酷無惨時代劇!!
残酷×狂気の剣劇アクション漫画です。ただ単にチャンバラをやっているだけじゃなく、時代的背景や武士道のようなものが根底にあるので勝った負けただけじゃない重みがあります。
物語は隻腕の剣士と盲目の剣士が立ち会う瞬間から描かれ、どのような経緯を辿ってこの仕合が実現されたのかという流れを経て、実際に剣を交える描写を描いたものです。Aを倒してB、Bを倒してCという流れではなく、ずっとAとのバトルを全15巻で描き上げています。
魅力は色々あるけど「鍔迫り合いをしながらキンキンやってるだけが盛り上がる剣術じゃないんだなぁ」ということを知らしめてくれた作品。多少のグロ耐性があるなら是非おすすめです。
バンビ~ノ!
伴省吾は、福岡市内のイタリアンレストラン「サンマルツァーノ」でアルバイトしつつ調理師免許もとって、将来は恋人・恵理と店を持つことを漠然と夢見る大学3年生。ある日、店のオーナーから、彼の弟分がオーナーシェフを務める東京・六本木の店へのヘルプを勧められる。だが、その調理場のペースに全くついていけず、皿洗いに回されてしまい…!?調理場という名の戦場を描く、イタリアン料理人成り上がりストーリー!!
福岡の大学生が上京し、東京のイタリアレストランで下積みを経て成長していく姿を描いたグルメ漫画です。
幾多の困難が降りかかりますが、それを乗り越えた時は読んでいるこっちも嬉しくなります。そう思わせる作風には、もはや脱帽せざるを得ません。
グルメ漫画とは言いながらも、料理が美味しそうという感想以前に熱量がハンパ無いです。最初は九州弁とイタリア語がゴチャゴチャしてて分かりにくいんですけど、気がついたら夢中になって読んでしまうことでしょう。
ごくせん
泣く子も黙る仁侠集団「黒田組」の四代目として生まれ育った山口久美子。ところが選んだ稼業(?)は、なんと学校の先生!?しかも赴任先は悪名高き「白金学院高校」だった…。極道&先生の爆笑ミスマッチ・コメディー!
仲間由紀恵さんの主演で実写化され、一気にスターダムにのし上がったと言ってもいい教師×極道のミスマッチコメディーです。ヤクザの近くで育ってきたということもあり、非常に肝の座っている主人公が素性を隠しながら教師になるという物語なのですが、これがまぁ面白い。
仲間由紀恵さんの主演で実写化されていますがドラマにはドラマの、漫画には漫画の魅力があります。やはり不良だの極道だのが先生になると跳ねますね。個人的にはドラマの華奢な感じがないので、漫画の方が取っ付きやすいと思いました。
ホムンクルス
新宿西口で車上生活をしている主人公・名越は、持ち前の虚言癖のためか、他のホームレスの中にとけ込めない日々を送っていた。そんな彼の唯一の楽しみは、車で気ままに走るドライブ。だがついにガス欠となり、お金も底をついてしまう。そんなある日、名越の前に不気味な男が現れて、彼に声をかけてくる(第1話)。 ●本巻の特徴/伊藤という医大生から、「70万円で頭蓋骨に穴を開ける人体実験をさせてほしい」と持ちかけられた名越。“トレパネーション”と呼ばれるその手術を受けると、第六感が芽生えるというのだ。最初は全く相手にしなかった名越だったが…?
頭蓋骨に穴を開けるトレバネーションと呼ばれる手術を受けると「テレパシー、霊感、予知能力」などの第六感が芽生えることがあるそうです。その被験者となったホームレスの男の物語で報酬は70万円…個人的には絶対やらないですけど「アイツならやりそうだな」って奴が何人か思い浮かぶあたりがリアルで怖い。
人間観察というジャンルで言えば、まさに最高峰の作品と言っても過言ではありません。序盤でハマったら最後まで一気読みしてしまうパターンです。
めぞん一刻
曲者揃いの住人たちから邪魔されても、新管理人・音無響子を一途に慕うけなげな五代。だが彼女との恋を実らせるには、あまりに大きく険しい壁があった。それは響子が結婚半年で夫を亡くした未亡人であることで…。
今読むと絵の古さが先行してしまうかもしれませんが、間違いなくラブコメジャンルの名作です。昭和生まれの読者なら、色々と思う部分が出てくることでしょう。
いわゆるひとつ屋根の下のお話で、殺伐とした三角関係もなければ女同士のドロドロした争いなどもありません。非常に爽やかでほのぼのとしたラブコメという印象ですね。
軽い嫉妬心みたいなものが映えていて、まさに古き良き恋愛漫画です。携帯電話やスマホがなかった時代を知る読者なら、この良さをわかってくれるんじゃないかと。
キャプテン
弱小野球部のキャプテンと部員達が、ひたすら努力を重ねて最強チームに成長していく熱血スポーツコミック。墨谷二中に転校してきた谷口タカオ(たにぐち・たかお)は、野球部の練習に参加しようと、以前いた学校のユニフォームに着替える。それが野球の名門・青葉学院のユニフォームだと気付いた野球部員達は、谷口を凄い大物選手だと思い込んでしまう。しかし青葉学院にいた頃の谷口は、パッとしない二軍の補欠選手で……!?
良くも悪くも根性・気合を全面的に押し出した、昭和を代表する野球漫画です。主人公はキャプテンを務める部員で、大きな特徴としては年代が変わるごとに主人公も変わります。
今ではもう流行らないような練習法や野球の戦術なども少なくありませんが火の玉ボールなどは出てきません。現実的とは言い難い部分が多いですが、そこまで冷めるものでもないでしょう。
特に初代(?)キャプテンの谷口はプレイボールという作品で高校野球編でも活躍しているので、本作が面白ければプレイボール→プレイボール2と楽しむことも可能です。
全16巻完結のおすすめマンガ
湯神くんには友達がいない
転校生・綿貫ちひろの隣の席の湯神くんは、ちょっと…というか、すごく変わってます。野球部のエースでありながら、野球部に溶け込んでないし、クラスでもなんとな~く浮いた存在…そんな湯神くんは、いつだって一人を満喫しています。新感覚お一人様コメディー開幕です!!
「友達がいないから友達を作ろうとする、でもコミュ障だからできない」みたいな話かと思ったら全然違いました。本作の主人公は友達を必要としておらず、交友関係そのものにあまり意味を見出していない人物です。
ここまで達観しているともはや高校生らしくないし、興味以外の何物でもありません。そして「そんな湯神くんにも友達ができました。めでたしめでたし」みたいな終わり方じゃなかったのがすごい!
一人ぼっちになりたくないって気持ちが先行して、無理に人間関係を築くことに疲れている人って結構いるんじゃないかと思うんですが、そういう人におすすめしたいおひとり様コメディーです。
ムダヅモ無き改革
元内閣総理大臣の小泉ジュンイチローが特異の「麻雀外交」で外敵を次々となぎ倒す痛快麻雀アクション!!
政治家たちが外交の場において麻雀対決をするという漫画です。主人公はライオンヘアーで、総理大臣として一時代を気付いた例のあのお方。とにかく麻雀とギャグの融合がハンパ無く面白い作品だと思います。牌を親指で削って白にしたりしますからね。
他の国のトップもイジったりしていて、とにかくブラックユーモアに溢れている作品と言えるでしょう。麻雀もギャグ漫画も好きだという人なら絶対に楽しめる作品です。
全18巻完結のおすすめマンガ
MONSTER
デュッセルドルフ・アイスラー病院の天才的な日本人脳神経外科医、天馬賢三。彼は、院長の娘・エヴァとの結婚も控え、順調な日々を送っていた。そんなある日、東ドイツ貿易局顧問であるリーベルト一家が何者かに襲われるという事件が発生し…
全18巻という結構なボリュームなのにも関わらず、あまりにもの面白さに「一気読み、やむなし」の評価を与えたいのがコチラ。Kindle版はありませんが完全版なら全9巻です。
大まかなあらすじとしては主人公は真っ直ぐな心を持ったお医者さんで、ある時の手術によって後々殺人鬼になってしまう少年の命を救ってしまうというもの。ヨーロッパが舞台になって展開される本格的なサスペンスとなっています。
その少年は命を救ってもらったお礼と言わんばかりに主人公にとって邪魔だと思われる人間を次々と排除し、それが原因で主人公が指名手配をされてしまったり…。難しい話ですけど読み応え抜群の作品です。
MONSTER 第1巻
ホーリーランド
学校にも家庭にも身の置き所がなく、自分の存在が確認できない高校生・神代ユウ。ボクシングのワン・ツーを覚えた彼は“ヤンキー狩り”をするハメになり、夜の街の戦いに巻き込まれていくが…!?
格闘技系の漫画なのですが、舞台はストリートファイトです。必殺技があるわけでもなく地上最強の親父が出てくるわけでもありませんが、地味だというわけではなく超面白い格闘漫画と言っていいでしょう。
主人公に強い感じがないのも魅力で、ちょっと屈折した世界観と非常にマッチしています。この主人公が徐々に強くなっていく感じとか、単なるヤンキー漫画という括りで終わらせたくないですね。
特筆すべきは「ケンカものなのに解説がある」という点です。これ読んだら、ケンカに強くなった気がします(気がするだけ)。
爆音列島
『地雷震』『スカイハイ』の高橋ツトムが描く1980年、東京。歪んだ青春が幕を開ける!転校、ダチとの出会い、集会への誘い。そして咆吼と暴力の渦中、圧倒的な解放感が支配する「族」の世界へ!濃密な時間のなか、「少年」から「不良」へ瞬く間に変貌を遂げるタカシだったが……!?世代を問わず「不良」に感応する読者の絶大なる共鳴を集め、「アフタヌーン」にて大好評連載を果たした青春群像劇!!
少年から不良へとステップアップ(ダウン?)を遂げた少年の物語です。タイトルの通り、暴走族がテーマになっています。単車を乗り回したり他の族と喧嘩をしたりなどのシーンはもちろん、OBがヤクザだったりする点からも現在で言う「半グレ」的なポジションと言っていいでしょう。
仲間が事故で死んでしまったり、家庭が崩壊したり…。決して明るいストーリーではありませんが、高橋ツトム先生の絵が世界観にマッチしていて思わず圧巻させられることと思います。
ジョジョの奇妙な冒険 第4部
1999年の日本。平和な地方都市杜王町に空条承太郎がやって来た。この町に住む高校生、東方仗助はジョセフの浮気で産まれた息子だったのだ。そしてこの町に無気味なスタンドが迫っていた…。
長く続いているジョジョシリーズの中で、2021年現在アニメ化も実写化もされているのが第4部です。スタンドと呼ばれる特殊能力に大きな幅が出てきたのも第4部からですし、魅力的な能力が溢れていて複雑すぎないのが特徴と言っていいでしょう。
ラスボスと何度も対峙することになったり、戦いの中でラスボスが進化したりする様子は、これまでのバトル漫画には無かった展開ではないでしょうか。第3部や第5部と繋がっている部分もあって、とにかく多くの魅力に溢れている全18巻です。
天 -天和通りの快男児-
顔に無数の傷をもつ男――天。見かけの豪放さとは違い彼の打つマージャンは繊細で思慮深い。権謀術数の卓上に彼の不敵な微笑が浮かぶ。ある日、なじみの雀荘のピンチを聞きつけた天はその店へとおもむく。しかしそこにいたのは、まだあどけなさの残る若者ひろゆきであった。
麻雀を知っていることが条件ですが、メチャクチャ面白いです。個人的には全ての麻雀マンガの中で1番好きな作品かもしれません。福本先生が描いている「アカギ」の主人公が、大人の状態で登場します。
麻雀の流れももちろんそうですが、その背景もすごいです。人間ドラマとか、生きることの意味とか…常識を逸脱しているレベルで描かれているように思いました。麻雀を知らない人が読んで楽しめるかどうかはわかりませんが、麻雀すきなら鉄板です。「読まないと損!」くらいの感じ。
全19巻完結のおすすめマンガ
幽遊白書
教師も手をやく不良の浦飯幽助。ある日子供を助けて事故にあい、幽霊になってしまう。予定外の死に閻魔大王は、生き返るための試練として、人の心を映す霊界獣の卵をかえすことを命じるが…!
私の少年時代は幽遊白書と共にありました。思い出補正も大きいこととは思いますが、今でも愛されている名作であることは間違いないでしょう。読んで字のごとく幽霊になったりならなかったり…。霊界を舞台にしたバトル漫画でストーリーも秀逸ですし、絵の躍動感もハンパ無いです。
ジャンプ黄金期の作品ですので笑いあり&涙あり!ハッキリ言って悪い部分が見当たらないくらい、完全無欠の作品です。…あ、ベタが少ないのはたぶん作者の手抜き。
三億円事件奇譚 モンタージュ
「ボクは三億円事件の犯人の息子です」――1968年12月10日に起きた昭和史最大の未解決事件、三億円事件。大規模な捜査が行われたが、7年後に時効を迎えた……。そして時は流れ現代。一人の少年が瀕死の老刑事に「おまえの父親は、三億円事件の犯人だ」と告げられた!!運命の輪に巻き込まれた少年は、三億円事件の謎を明らかにできるのか!?列島縦断クライムサスペンス!!
今の若い人たちは知らないんじゃないかと思いますが、昭和最大の未解決事件とも言われている三億円強奪事件にスポットを当てたサスペンス漫画です。「三億円事件って何なんだろう?」と思ってドキュメンタリーなんかを見たことがある人なら、白バイ警官の登場でテンションが上がることでしょう。
事実を元に作られたフィクションなので色々とツッコミどころは満載なんですけど、真相が気になる感じはすごいですね。「お前の父親が三億円事件の犯人だ」とか言われてみたい。いや、言われたくない。
青空エール
小学生の頃テレビで観た光景に、つばさは心を奪われた。それは甲子園のアルプススタンドで、熱い声援を送るブラスバンドの姿だった。いつか私もあの場所に――。憧れと希望を胸に入学したブラバンの名門・白翔高校。だが、つばさはブラバン初心者!同級生の野球部員・山田くんの励ましを支えに、いま小さな一歩を踏み出す――。
吹奏楽×野球×恋愛の三権分立を実現した、少女漫画であって少女漫画すぎない作品です。マーガレットなので女性向けの漫画なんですが、恐らく多くの男性が読んでも楽しめるんじゃないかと思います。
高校に入ってから吹奏楽をはじめた主人公が甲子園のアルプススタンドで演奏することを夢見ていて、好きになった男子が甲子園を目指す野球部員というものです。甲子園を目指すという野球漫画的な要素も含んでいるブラスバンドの漫画という感じでしょうか。
不器用ながらにも一生懸命な主人公に心を打たれました。ちょっと感動しいの人だと多分泣く。何回か泣かされる。
全20巻完結のおすすめマンガ
BANANA FISH
ストリートキッズのボス、アッシュは、胸を射たれて瀕死の男から薬物サンプルを受け取った。男は「バナナフィッシュに会え…」と言い遺して息を引き取る。ベトナム戦争で、麻薬にやられて、正気を失ったままの兄が時々つぶやく「バナナフィッシュ」と同じことばを聞き、興味を抱いた。謎の言葉『バナナフィッシュ』を追うアッシュに、暗黒街の黒影が迫る…!大人気ハード・ロマン!!
マフィアや薬物などを描いたアンダーグラウンドな漫画ですが、サスペンス要素が強く、グングン引き込まれてしまいます。導入で読むのを止めなければ、あとは最後まで一気にいってしまうという人が多そう。
少女漫画なんですけど、ちょっと少年漫画っぽい流れを汲んでいるので男性が読んでも全く問題なしです。というか少年漫画と言うよりも内容が過激な分、どちらかと言えば青年漫画寄りかな?
表紙を見てもだいぶ古い作品であることは伝わってきますが、Kindle版は比較的読みやすいように思いました。内容は文句の付け所がないくらい洗練されたストーリーだと言えるでしょう。
バクマン。
一握りの者にしか得られない栄光を手にするため、険しい“マンガ道”を歩む決意をした二人。高い画力を持つ真城最高と、文才に長ける高木秋人がコンビを組み、新たなマンガ伝説を創る!新時代成功物語開始!!
デスノートに次いで大場つぐみ作品の高いクオリティを感じさせてくれたのが、みなさんご存知「バクマン」です。漫画家を目指すという、あまり一般層の共感を得られなさそうなテーマをここまで面白く仕上げるのはまさに神業と言っていいでしょう。ハッキリ言ってめちゃくちゃ面白いです。
友情タッグや恋愛要素など読者ウケしそうな少年漫画的な要素を含めながらも、マンガ業界の裏側を分かりやすく描いていたりして、これまでにない種類のジャンルを確立したと言ってもいいのではないでしょうか。絵も綺麗で読みやすいです。
テガミバチ
夜が明けることのないAG(アンバーグラウンド)という名の地。首都を照らす人工太陽の光も届かない危険な土地で人々のテガミを届ける仕事があった。命を賭してテガミに託された“こころ”を運ぶ彼らを、人はテガミバチと呼んだ!
夜が明けない地で、人々の気持ちがこもった手紙を命を賭して届ける配達員が紡ぐ物語です。手紙を届けるための道中には鎖虫と呼ばれる存在がいるため、一筋縄ではいきません。
ファンタジー要素が強い本作ですが、とにかく感動してしまうことは間違いないでしょう。心が洗われるようなエピソードの数々は、まさに少年漫画の理想と言ったところ。
これは老若男女問わずに楽しめる良作だと思います。涙もろい人じゃなくても最終回なんかは感動して泣くはず。
ピューと吹く!ジャガー
酒留清彦はミュージシャンを夢見る17歳。ある日、意を決してオーディション会場へやってきた清彦は、そこで謎のフエ吹き男と出会う。彼こそが、この後の清彦をギャグ人生へと誘うジャガーさん、その人であった!!
少年ジャンプが誇る名作ギャグ漫画と言えば本作の名を挙げる人も多いのではないでしょうか。連載当時は毎週楽しみにしていました。
当時まだ大人の事情を理解しておらず、胡散臭い友達から「ジャンプって人気順に掲載されてるらしいよ!」って聞いた時の絶望感は未だにハッキリと覚えています。不思議な世界観といい、テンポの良さといい…とにかく手数がすごいので良い意味で読んでいて疲れる、そんな作品です。
め組の大吾
朝比奈大吾は、子供の頃、火事の現場から自分を助けてくれた消防士に憧れて、自分も消防士になる道を選んだ青年。消防学校での研修を終え、中央消防署・めだかケ浜出張所に配属された。憧れの消防士になれた大吾は、大張り切りで出張所に行くが、所長の五味をはじめ同僚の先輩たちはなんとものんびりしていて、気が抜けてしまい…。若き熱血消防官・朝比奈大吾の活躍と成長を熱く描いた、スーパー消防官アクション!!
幼い頃に火事の現場から自分を救い出してくれた消防士に憧れ、自らも消防士になることを選んだ青年の物語です。少年漫画の主人公らしく、ちょっと暑苦しいくらいの熱血漢ではあるんですが、人命救助という観点からすると色々言いたくなるかもしれません。
しかし作品自体が火事の恐ろしさを蔑ろにしているわけではなく、相当な熱量を維持しながらも「家事に向き合う漢たちの姿」みたいなものを描いているので男性読者なら憧れてしまうはず。こんなのが世に出たら、そりゃ消防士の人気も爆発するわ。
ONE OUTS
“優勝に必要な何かが足りない”その“何か”を捜して、沖縄で自主トレに励む“不運の天才打者”児島弘道。そこで彼は一人の男と出会う。120km/hそこそこの直球だけで、賭野球“ワンナウト”で無敗を誇る男。彼は名乗る。渡久地東亜と…
心理戦に重きを置いた野球漫画で、野球における技術以外の部分に非常に見応えのある作品です。LIAR GAMEの作者さんなので、若干絵にはクセがありますけど。
主人公は心理戦に長けているピッチャーなのですが「1アウト取るごとに500万円、1失点につきマイナス5000万円」というプロ契約を交わします。球界屈指のエースでもトントンくらいの条件なのに、120km/hそこそこの球で果たして抑えられるのかっていう部分がめちゃくちゃ面白いです。
途中から自球団のオーナーでさえも「なんとか負けさせたい!」と、あの手この手で罠を仕掛け、それをことごとく盲点をついてかわしていく様子は必見の価値アリ。
関連:こんな野球漫画は他にない!「ONE OUTS」の心理描写が秀逸
BOY
世界征服の野望を持つ、私立楽園高校1年・日々野晴矢。クラスメイトで画家志望の岡本清志朗。でこぼこコンビが巻き起こす、痛快無比な毎日を描いた名作!!
1992年~1999年まで少年ジャンプに連載されていた作品で「今だと少年誌では扱えないんじゃないか?」くらいの、かなり踏み込んだ内容となっています。ドラッグとか限度を超えているケンカとか…少年には刺激が強いと思われる「想像を駆り立てるエロ」など色んな意味で刺激的なマンガです。
主人公の最強感、笑いを誘うギャグ、魅力的な仲間たち。夢を追いかけるカッコ良さみたいなものも詰め込まれているので、あれもこれもという人にはおすすめ。単行本はもっと巻数があったけどビッグボリューム版のKindleなら全20巻です。
クロサギ
世に三種の詐欺師あり。他人を騙し、金銭を巻き上げる“シロサギ”。異性を餌とし、心と体を弄ぶ“アカサギ”。そして人を喰らわず、シロサギとアカサギのみを喰らう“クロサギ”がいる。家族を死へ追いやったシロサギを憎悪し、ただシロサギのみ喰らうことを生涯の目的とする男の、復讐の物語が始まった!
詐欺師を詐欺に嵌める1人の人物の物語です。義賊のような立ち位置ではありますが、詐欺師が主人公というダークヒーロー感がたまりません。
詐欺師がどのような手段で人を騙すのか、またその詐欺師をどのような手段で欺くのか等にとても見応えのある作品です。ちょっとした勉強にもなって普通に参考になりました。
このご時世ですから詐欺のカタチを知っておくだけでも有益ですし、普通に楽しみながら勉強できると思います。これで詐欺に遭うこともなくなるでしょう(絶対とは言ってない)。
地獄先生ぬ~べ~
この世には目に見えない闇の住人達が、時として牙をむいて君達を襲ってくる…。だが、そんな奴らから君達を守る正義の使者がいる。あらゆるものを無に帰す力を宿した「鬼の手」を持つ鵺野鳴介は、子供達から「ぬ~べ~」と呼ばれて親しまれる日本で唯一の霊能力教師。普段は頼りないが、子供達を悪霊から守るために命を懸けて戦う!!
妖怪とか霊能力などいわゆるオカルトをテーマにした作品で、ホラーと言うほど恐怖心を煽ってこないので手軽に読める学園モノという立ち位置の作品です。1話毎に取り扱われる妖怪が変わるオムニバスのためテンポが良く、幽霊とか怖い話の類が好きな人なら文句無しにハマるんじゃないかと思います。
たまに読者サービスの少しエッチなシーンもありつつ、アニメ化&ドラマ化もされた実績のある作品です。Kindle版なら全20巻で揃います。
最後に
本当に読み応えが抜群の作品ばかりでした。まとまった休みがあれば一気に読むことも可能ですし、区切りの良い所までと決めて、ちびちび読み進めるのもいいと思います。もし気になった作品があったという人はぜひ読んでみてください。
まさに名作揃い!全30巻以内に完結するオススメの面白いマンガたち
神作品の宝庫!!全31巻~全40巻以内に完結したオススメの面白いマンガたち